あらすじ
第九集では、寧缺が書院の試験に参加する過程とその際に見せた活躍が描かれています。六皇子のご病気のため、唐王は李漁公主に試験監督を代行させました。寧缺は試験で優れた成績を収めますが、楽科では解答を放棄し、李漁の関心を引きます。試験中、崇明は密かに刺客を送り込み、受験生の一人が命を落とします。寧缺は勇敢にも褚由賢と李漁を守り、最終的には君陌と共に混乱を鎮めます。事件後、寧缺は君陌に弟子入りを志願しますが、まずは二層楼に登るよう命じられます。李沛言は暗殺事件の徹底捜査を命じ、寧缺は復国会残党の捜索任務を任されます。一方、暗殺は失敗に終わりましたが、崇明は燕国の再興を誓います。こうした一連の出来事は、書院の人々の知恵と勇気を試すだけでなく、寧缺の運命をも静かに変えていくのでした。
ネタバレ
唐王は病に伏せる六皇子を案じ、自ら付き添うことに。李漁公主に代理で書院の入学試験監督を命じる勅命が下る。寧缺は桑桑と共に書院へ。門前は大勢の受験者で騒然としていた。桑桑は心配そうに寧缺を見つめるが、寧缺は自信に満ち溢れていた。その時、鍾大俊が桑桑にぶつかりそうになり、更に暴言を吐く。寧缺は怒りに燃えるが、鍾大俊は李漁の従兄弟であることを笠に著て、立ち去ってしまう。褚由賢は慌てて寧缺を宥め、鍾大俊の素性を伝える。
間もなく、李漁と李琿圓の馬車が到著。唐王が来ないことに気づいた崇明は、部下と共に急いで立ち去る。書院総教習の黄鶴は李漁を出迎え、鍾大俊はご機嫌取りに奔走する。寧缺は冷ややかに二人を見やり、桑桑と試験会場へ向かう。唐王不在のため、李沛言は李漁と共に試験監督を務めることに。
試験が始まり、難問に寧缺は内心文句を言うも、次々と解答し、早くに提出。続いて礼科の試験。難題に直面した寧缺は、馬士襄の助言に従い、答案用紙を文字で埋め尽くし、書道で点数を稼ごうとする。楽科は音楽の才能がないと正直に白状し、放棄。李漁は焦燥し、李琿圓と李沛言は彼女の寧缺への想いに気づく。
その頃、崇明の手配した刺客が書院に潜入していたが、闇殺中止の命令は届いていなかった。夫子は三先生余帘と十二先生陳皮皮に採点を指示。陳皮皮は寧缺の優秀な数科の答案に甲上をつける。一方、余帘は寧缺の達筆な文字に違和感を覚え、丙下と評価する。
射科は寧缺の得意分野。受験者たちは射撃場で競い合う。崇明の刺客も紛れ込み、一人の受験者が命を落とす。寧缺は襲われた褚由賢を助け、刺客から腰牌の半分を証拠として入手。崇明は仕方なく書院に姿を現し、李漁に会おうとする。七先生は雲霧の陣を発動し、視界を遮る。刺客を追う寧缺は、李漁を救うため、とっさに矢で彼女を射倒し、危機を回避させる。駆けつけた君陌は騒動を鎮圧。寧缺は君陌に弟子入りを誌願するが断られ、二層楼に登るように言われる。
事件後、李沛言は徹底的な調査を指示。華山岳は崇明の真の狙いは唐王だったのではないかと疑う。陳皮皮は無断下山で君陌に経文の書き写しを罰として命じられる。寧缺は徐崇山に刺客の情報を伝え、復国会残党の捜査を任される。試験結果には不満だが、寧缺は新たな任務に邁進する。夫子は荒原へ向かう予定で、同行を希望する陳皮皮は却下され、書院で罰を受けることに。
徐崇山は都で復国会残党の捜索を強化。闇殺は失敗に終わったが、崇明は燕国の再興を諦めていない。一連の事件は書院の人々の知恵と勇気を試すと共に、寧缺の運命を大きく変えていくのであった。
第9話の感想
第9話は、寧缺の書院入学試験を中心に、様々な陰謀や思惑が交錯する緊迫感あふれる展開でした。唐王の不在、崇明の刺客、そして李漁への秘めた想いなど、今後の物語を大きく左右する要素が散りばめられています。
特に印象的だったのは、寧缺の多面的な才能と機転です。数科での優秀な成績、礼科での奇策、そして射科での卓越した腕前。型破りながらも、持ち前の賢さと度胸で難局を乗り越えていく姿は、まさに主人公の風格を感じさせます。一方で、桑桑への深い愛情や、友人である褚由賢を助ける勇敢さも垣間見え、人間味あふれるキャラクターとして描かれています。
また、李漁の寧缺への想いがより明確になったことも注目すべき点です。試験中の彼女の焦燥や、寧缺が矢で彼女を射抜くシーンでの複雑な表情は、二人の関係性の変化を予感させます。今後の展開において、この恋心がどのような影響を与えるのか、非常に楽しみです。
つづく