唐王は病に伏せる六皇子を案じ、自ら付き添うことに。李漁公主に代理で書院(しょいん)の入学試験監督を命じる勅命が下る。寧缺(ねい・けつ)は桑桑(そうそう)と共に書院(しょいん)へ。門前は大勢の受験者で騒然としていた。桑桑(そうそう)は心配そうに寧缺(ねい・けつ)を見つめるが、寧缺(ねい・けつ)は自信に満ち溢れていた。その時、鍾大俊(しょうだいしゅん)が桑桑(そうそう)にぶつかりそうになり、更に暴言を吐く。寧缺(ねい・けつ)は怒りに燃えるが、鍾大俊(しょうだいしゅん)は李漁の従兄弟であることを笠に著て、立ち去ってしまう。褚由賢(ちょゆうけん)は慌てて寧缺(ねい・けつ)を宥め、鍾大俊(しょうだいしゅん)の素性を伝える。
間もなく、李漁と李琿圓の馬車が到著。唐王が来ないことに気づいた崇明(すうめい)は、部下と共に急いで立ち去る。書院(しょいん)総教習の黄鶴(こうかく)は李漁を出迎え、鍾大俊(しょうだいしゅん)はご機嫌取りに奔走する。寧缺(ねい・けつ)は冷ややかに二人を見やり、桑桑(そうそう)と試験会場へ向かう。唐王不在のため、李沛言は李漁と共に試験監督を務めることに。
試験が始まり、難問に寧缺(ねい・けつ)は内心文句を言うも、次々と解答し、早くに提出。続いて礼科の試験。難題に直面した寧缺(ねい・けつ)は、馬士襄の助言に従い、答案用紙を文字で埋め尽くし、書道で点数を稼ごうとする。楽科は音楽の才能がないと正直に白状し、放棄。李漁は焦燥し、李琿圓と李沛言は彼女の寧缺(ねい・けつ)への想いに気づく。
その頃、崇明(すうめい)の手配した刺客が書院(しょいん)に潜入していたが、闇殺中止の命令は届いていなかった。夫子(ふうし)は三先生余帘と十二先生陳皮皮(ちんぴぴ)に採点を指示。陳皮皮(ちんぴぴ)は寧缺(ねい・けつ)の優秀な数科の答案に甲上をつける。一方、余帘は寧缺(ねい・けつ)の達筆な文字に違和感を覚え、丙下と評価する。
射科は寧缺(ねい・けつ)の得意分野。受験者たちは射撃場で競い合う。崇明(すうめい)の刺客も紛れ込み、一人の受験者が命を落とす。寧缺は襲われた褚由賢(ちょゆうけん)を助け、刺客から腰牌の半分を証拠として入手。崇明(すうめい)は仕方なく書院(しょいん)に姿を現し、李漁に会おうとする。七先生は雲霧の陣を発動し、視界を遮る。刺客を追う寧缺は、李漁を救うため、とっさに矢で彼女を射倒し、危機を回避させる。駆けつけた君陌(くんはく)は騒動を鎮圧。寧缺は君陌(くんはく)に弟子入りを誌願するが断られ、二層楼に登るように言われる。
事件後、李沛言は徹底的な調査を指示。華山岳(かざんがく)は崇明(すうめい)の真の狙いは唐王だったのではないかと疑う。陳皮皮(ちんぴぴ)は無断下山で君陌(くんはく)に経文の書き写しを罰として命じられる。寧缺は徐崇山(じょすうざん)に刺客の情報を伝え、復国会残党の捜査を任される。試験結果には不満だが、寧缺は新たな任務に邁進する。夫子(ふうし)は荒原へ向かう予定で、同行を希望する陳皮皮(ちんぴぴ)は却下され、書院(しょいん)で罰を受けることに。
徐崇山(じょすうざん)は都で復国会残党の捜索を強化。闇殺は失敗に終わったが、崇明(すうめい)は燕国の再興を諦めていない。一連の事件は書院(しょいん)の人々の知恵と勇気を試すと共に、寧缺の運命を大きく変えていくのであった。
第9話の感想
第9話は、寧缺の書院(しょいん)入学試験を中心に、様々な陰謀や思惑が交錯する緊迫感あふれる展開でした。唐王の不在、崇明(すうめい)の刺客、そして李漁への秘めた想いなど、今後の物語を大きく左右する要素が散りばめられています。
特に印象的だったのは、寧缺の多面的な才能と機転です。数科での優秀な成績、礼科での奇策、そして射科での卓越した腕前。型破りながらも、持ち前の賢さと度胸で難局を乗り越えていく姿は、まさに主人公の風格を感じさせます。一方で、桑桑(そうそう)への深い愛情や、友人である褚由賢(ちょゆうけん)を助ける勇敢さも垣間見え、人間味あふれるキャラクターとして描かれています。
また、李漁の寧缺への想いがより明確になったことも注目すべき点です。試験中の彼女の焦燥や、寧缺が矢で彼女を射抜くシーンでの複雑な表情は、二人の関係性の変化を予感させます。今後の展開において、この恋心がどのような影響を与えるのか、非常に楽しみです。
つづく