あらすじ
第二十話は、史蘭客学苑の生徒たちと戴維斯との試合を中心に描かれています。戴沐白は生徒たちを闘魂場へ連れて行き、怪我を負いながらも出場する兄・戴維斯と対峙します。戴沐白は車輪戦を仕掛けるも、戴維スの実力は圧倒的で、ほとんどの対戦相手を打ち負かしてしまいます。
最後は、唐三の知略により、補助系魂師の能力とチームの連携を駆使し、辛くも戴維スを場外に落とし、勝利を収めます。戴維スは敗北を認め、戴沐白が史蘭客学苑に残ることを承諾します。
試合後、戴沐白は自身の戦闘理念を反省し、チームワークの大切さを改めて認識します。一方、玉天恒と独孤雁は、戴沐白と唐三に天斗城王立学苑战队への加入を勧誘し、戴沐白は選択の岐路に立たされます。
話の終わりには、寧栄栄が自由への憧れを口にし、戴沐白は自身の将来について思い悩む様子が描かれています。
ネタバレ
闘魂場での試合当日、戴沐白は仲間と共に会場へ向かう途中、怪我をした兄・戴惟仕と遭遇する。心配する戴沐白だが、戴惟仕は多くを語らず、試合で決著をつけると告げる。実は重傷を負っていた戴惟仕だが、試合出場を決意していた。戴沐白は、欧思客と寧栄栄を除くメンバーで車輪戦を仕掛ける作戦を立てる。
戴惟仕は戦闘服に著替え、闘魂場に登場。唐三は欧思客にソーセージ武魂で戴惟仕の魂力を補給するよう提案するが、拒否される。試合開始と共に、戴沐白、唐三、小舞、朱竹清、馬紅俊の5人が戴惟仕を包囲し、次々と攻撃を仕掛ける。しかし、戴惟仕の実力は圧倒的で、5人はたちまち劣勢に追い込まれる。再び攻撃を仕掛けるも、戴沐白を庇った朱竹清が負傷し、後退を余儀なくされる。諦めきれない唐三は、欧思客と寧栄栄に応援を要請する。
戴惟仕は補助係魂師を軽視していたが、欧思客と寧栄栄は奇術道具を用いて戴惟仕の手首を封じることに成功する。その隙に馬紅俊が攻撃、唐三は藍銀草で小舞を援護し、跳躍させて戴惟仕を場外へ蹴り出す。試合規則により、戴惟仕は敗北。戴沐白が史蘭客学苑に残ることを認め、斗羅大陸魂師大会での再戦を誓う。
試合後、戴沐白はこれまでの己を仮省し、力だけでは勝てないことを悟り、補助係魂師の活躍で勝利できたことを唐三に感謝し、チームワークの重要性を再認識する。玉小剛は戴沐白を隊長として、唐三をチームの魂として称え、二人は握手を交わす。
欧思客は試合を振り返り、初めて自分の価値を示せたことに感動し、涙を流す。寧栄栄は彼を慰め、唐三は足首を負傷した小舞をおんぶして学苑へ戻る。二人は楽しそうに言葉を交わす。その時、蘭徳と玉小剛は、二人を尾行する人物に気づく。それは、玉小剛の甥である玉天恒と独孤雁だった。
唐三は小舞の傷の手当てをし、髪を三つ編みにする。小舞は嬉しそうにする。朱竹清と寧栄栄は、唐三と小舞の間に兄妹以上の感情があるのではないかと推測する。小舞は何も気づいていない。
玉天恒と独孤雁は、戴惟仕の負傷が試合結果に影響を与えたのではないかと疑い、戴沐白と唐三に天斗王立学苑チームへの加入と魂師大会への出場を勧める。戴沐白は史蘭客学苑を離れることを躊躇するが、唐三は蕭塵宇の件もあり、危険を冒したくないと考えている。蘭徳は戴沐白に出場を勧める。玉天恒は唐三に対し、ノディングシティの問題解決に協力することを約束する。それでも唐三は残留を希望するが、玉天恒は天斗王立学苑チームが戴惟仕に勝つための協力を約束し、戴沐白は心が揺らぐ。
寧栄栄は小舞と朱竹清に、一族の束縛に対する不満を漏らす。3人は話し合った結果、唐三が一番小舞を守っていると結論づけ、もし誰かが小舞をいじめるようなことがあれば、唐三は必ず助けると約束し、大根餅を食べに行く。
戴沐白は、天斗王立学苑チームに加入して地位を高めたい気持ちと、史蘭客学苑を離れたくない気持ちの間で葛藤する。彼は唐三に、自分が星羅帝国の皇子であり、兄の戴惟仕が王位継承者であることを明かす。戴沐白は王位を争うのではなく、認められたいと願っている。朱竹清との婚約解消は、自分が軽んじられたためかもしれないと考える。唐三は、朱竹清が戴沐白に愛情を持っているからこそ、身を挺して守ったのだと諭し、どんな選択をしても全力で支えると伝える。
蘭徳は史蘭客学苑の記録を調べ、過去の卒業生が皆、著名な魂師になっていることを知り、どの勢力にも属さず、実力主義で多くの優秀な人材を育成していることに感嘆する。
第20話の感想
第20話は、戴沐白と戴惟仕の兄弟対決を軸に、チームワークの重要性や各キャラクターの心情が深く描かれた、見応えのあるエピソードでした。
試合自体は、戴惟仕の圧倒的な強さの前に史蘭客チームは苦戦を強いられます。しかし、唐三の機転と、これまで軽視されていた欧思客、寧栄栄の活躍により、見事な逆転勝利を収めることができました。この勝利は、力だけでなく、戦略や補助係魂師の重要性を改めて示すもので、チームとして成長していく史蘭客学苑の姿が印象的でした。
特に感動的だったのは、欧思客の涙です。これまで自身の武魂を恥じていた彼が、初めてチームに貢献できた喜びを涙で表現するシーンは、胸を打つものがありました。また、小舞を気遣う唐三の優しさや、朱竹清が戴沐白を庇うシーンからは、それぞれのキャラクターの隠された感情が垣間見え、今後の展開への期待が高まります。
戴沐白が抱える葛藤も、このエピソードの重要なポイントです。兄との確執、王位継承問題、そして朱竹清への想い。彼の複雑な心情が丁寧に描かれており、今後の選択に注目が集まります。
つづく