あらすじ

第32話では、泰坦タイ・タン唐昊タン・ハオの過去の確執が描かれた。泰坦タイ・タンは、唐昊タン・ハオの妻の死とタン・ハオの失踪に憤慨し、復讐を試みるも一族は流浪の憂き目に遭い、ついには天斗城に定住することとなった。泰坦タイ・タン唐三タン・サンにタン・ハオの消息を尋ね、父子の関係は誰にも明かさないことを約束した。

一方、葉知秋イエ・ジーチウ時年シー・ニェンによる自身への精神支配を暴露し、黒幕に対抗するため唐三タン・サンに助けを求めた。

続く試合で、葉知秋イエ・ジーチウは圧倒的な実力を見せつけ、勝利を収めた。そして、唐三タン・サンの率いる史蘭客しらんかくチームも象甲宗チームに勝利した。

玉小剛ユー・シャオガン唐三タン・サンに対し、葉知秋イエ・ジーチウの特異な魂技の脅威に警戒するよう忠告した。

ネタバレ

泰坦タイ・タンは過去の出来事を思い出し、重苦しい気持ちに沈んでいた。当時、武魂ぶこん殿が唐昊タン・ハオを追っていることを知り、巻き込まれるのを避けるため、唐昊タン・ハオ泰坦タイ・タンに伝説の海神かいじん島への避難を勧めた。苦労の末、斗羅大陸の端まで辿り著き、船を探していた泰坦タイ・タンだったが、武魂ぶこん殿が唐昊タン・ハオ夫妻の行方を捜索しているという噂を耳にする。

焦燥感に駆られた泰坦タイ・タンは、武魂ぶこん城へ引き返すことを決意する。到著した時には、既に唐昊タン・ハオの妻が殺害され、唐昊タン・ハオ自身も重傷を負い行方不明になっているという悲報が届いていた。悲しみに打ちひしがれた泰坦タイ・タンは、大陸中の人脈を頼りに唐昊タン・ハオの行方を捜すが、有力な情報は得られなかった。

怒りに燃える泰坦タイ・タンは、復讐を決意し、一族を率いて武魂ぶこん殿へ乗り込む。しかし、千尋疾チェン・シュンジー唐昊タン・ハオ追跡に全力を注いでおり、泰坦タイ・タンの挑発など眼中になかった。武魂ぶこん殿の怒りを買った泰坦タイ・タンは、一族と共に逃亡を余儀なくされる。幾多の苦難を乗り越え、天斗城に辿り著き、雪星せつせい親王の庇護を受ける。

天斗城で、泰坦タイ・タン唐三タン・サン唐昊タン・ハオの行方を尋ね、謝罪したいと願う。唐三タン・サンは父に疑問を抱きながらも、泰坦タイ・タンの誠意を感じ取る。蒼暉そうき学苑の裏に父が関わっているのではないかと考え、決勝戦に進めば会えるかもしれないと望みを託す。しかし、泰坦タイ・タン唐昊タン・ハオの人格を信じ、彼が悪事を働くはずはないと確信していた。

余計な問題を避けるため、唐三タン・サン泰坦タイ・タンに二人の関係を秘密にするよう頼む。一方、時年シー・ニェン独孤雁ドゥーグー・イエン独孤博ドゥーグー・ボーへの毒が解けていないと勘違いし、葉知秋イエ・ジーチウに解毒剤を届けさせ、決勝戦での協力を独孤博ドゥーグー・ボーに依頼する。葉知秋イエ・ジーチウの様子がおかしいことに気づいた独孤博ドゥーグー・ボーは、彼が精神操作されていると見抜き、九魂環こんがんの力で彼を拘束し、唐三タン・サンに報告する。

唐三タン・サン玉小剛ユー・シャオガンらは洞窟で葉知秋イエ・ジーチウと対面する。独孤博ドゥーグー・ボーの助けで精神操作を解かれた葉知秋イエ・ジーチウは、全てを思い出す。彼も唐三タン・サンと同じく、時年シー・ニェンの駒にされていたのだ。時年シー・ニェンに仮抗したい葉知秋イエ・ジーチウだが、信頼できる相手は少ない。唐三タン・サンに底線を感じ、彼に全てを打ち明け、蒼暉そうき学苑の黒幕を暴く協力をお願いする。

唐三タン・サン葉知秋イエ・ジーチウに協力したいと考えるが、葉知秋イエ・ジーチウは一旦一人で試みたいと申し出る。翌日、玉小剛ユー・シャオガン唐三タン・サン小舞シャオウーを連れ、早々に闘魂場へ向かう。本日の対戦は、王立学苑二隊と蒼暉そうき学苑。葉知秋イエ・ジーチウの表情は落ち著いており、時年シー・ニェンの目は鋭く光っていた。

試合が始まると、葉知秋イエ・ジーチウは一人で王立学苑の六人を相手にする。武魂ぶこんを解放することなく、軽く触れるだけで泰隆タイ・ロンを場外へ落とす。観客は驚きを隠せない。続く試合も葉知秋イエ・ジーチウは連勝し、勝利を収める。

試合後、唐三タン・サン玉小剛ユー・シャオガン葉知秋イエ・ジーチウが使った魂技の痕跡を探す。丹念に調べた結果、微小な生物を発見する。一方、重傷を負った朱竹清ジュー・ジューチン戴沐白ダイ・ムーバイが献身的に看病し、薬を取り替えるなど、彼女の心を温める。

玉小剛ユー・シャオガンは急いで戴沐白ダイ・ムーバイに相談する。次の対戦相手は象甲学苑だと伝え、万全を期すため、戴沐白ダイ・ムーバイ馬紅俊マー・ホンジュンは二回戦後の蒼暉そうき学苑戦まで出場を見送るよう指示する。

唐三タン・サンは鍛冶屋で鎧の製作に励み、生徒たちの安全を守ろうとする。小舞シャオウーは彼を励まし、汗を拭う。象甲学苑との試合当日、唐三タン・サン小舞シャオウー欧思客オウ・スーコー寧栄栄ニン・ロンロン朱竹清ジュー・ジューチンと共に闘魂場へ上がる。象甲学苑の五人は固い守備を見せる。

しかし、唐三タン・サンの指揮の下、史蘭客しらんかく学苑は見事な連携を見せ、それぞれの魂技を駆使する。二人を倒し、さらに二人を場外へ落とす。残る一人となった象甲学苑の選手は、敗北を認める。試合後、唐三タン・サンは喜び勇んで玉小剛ユー・シャオガンに報告する。玉小剛ユー・シャオガン葉知秋イエ・ジーチウ武魂ぶこんと魂技を分析し、微小生物の侵食性から、次の試合では速戦速決を心掛けるよう唐三タン・サンに忠告する。

第32話 感想

第32話は、過去と現在が複雑に絡み合い、様々な思惑が交錯する重厚なエピソードでした。泰坦タイ・タンの過去、唐昊タン・ハオへの忠義、そして武魂ぶこん殿への復讐心。その重圧がひしひしと伝わってくる描写は、胸を締め付けられるものがありました。唐昊タン・ハオの消息を掴めないまま、雪星せつせい親王の庇護を受ける泰坦タイ・タンの姿は、彼の無念さを物語っています。

一方、唐三タン・サンは父である唐昊タン・ハオへの複雑な思いを抱えながらも、泰坦タイ・タンの誠意に心を動かされます。蒼暉そうき学苑との対戦を通して、父との再会を願う唐三タン・サンの心情が繊細に描かれていました。葉知秋イエ・ジーチウとの出会いもまた、物語に新たな展開をもたらす重要な要素となっています。時年シー・ニェンの陰謀に巻き込まれた葉知秋イエ・ジーチウは、唐三タン・サンに助けを求めます。二人の共闘関係が今後どのように発展していくのか、非常に楽しみです。

そして、象甲学苑との試合は、史蘭客しらんかく学苑のチームワークの素晴らしさを改めて実感させられるものでした。唐三タン・サンの的確な指示、そして仲間たちの息の合った連携プレーは、まさに圧巻。圧倒的な強さで勝利を収める彼らの姿は、今後の更なる活躍を予感させます。

つづく