あらすじ
第40話は、史蘭客学苑と武魂殿が決勝戦で激突するエピソードです。史蘭客七怪はチームワークの力を見せつけ、邪月率いる武魂殿チームを打ち破ります。邪月は強力な実力者で、一時は唐三たちを圧倒しますが、最後は小舞に場外へ蹴り落とされ、史蘭客学苑が勝利を収めます。
表彰式では、比比東が鬼斗羅による自身の闇殺計画を暴露し、状況を完全に掌握していることを示します。
ネタバレ
決勝戦当日、首宗・比比東が自ら視察に訪れた。史蘭客学苑の七怪は全員で勝利を誓う。武魂殿チームは邪月を隊長に、焱と千仞雪を主力とし、残りの四人は臨時メンバーだった。試合開始と共に、史蘭客七怪は武魂を発動。邪月は四人のメンバーを先鋒に出したが、唐三たちにあっさり倒される。邪月は意に介さず、倒れた四人を蹴り飛ばし、まずは唐三たち五人の主力メンバーを倒してから、サポート役の欧思客と寧栄栄を相手にすると言い放つ。
唐三の号令一下、史蘭客七怪全員が動き出す。戴沐白と朱竹清はそれぞれ焱と千仞雪と激闘を繰り広げる。邪月は武器の月仞で唐三を攻撃。唐三は巧みに避けるが、邪月は五つの魂環の力を見せつけ、唐三を驚かせる。それでも唐三は怯まず、邪月と激戦を繰り広げる。邪月の攻撃は猛烈で、唐三の命を脅かすものばかり。攻撃の最中、唐三は月仞に首を切られ、寧栄栄と欧思客がすぐに駆けつけ守る。馬紅俊も邪月との戦いに加わる。これを見た邪月は素早く月仞を収める。
戴沐白と朱竹清は武魂融合技で焱を退け、焱は敗北を認める。柳二龍は大喜びで玉小剛の腕にしがみつき、その様子を比比東は見ていた。続いて、千仞雪と邪月は史蘭客七怪との戦いを続ける。邪月は唐三に集中し、唐三は倒される。他のメンバーは千仞雪と戦い、包囲に成功する。千仞雪はまず馬紅俊と朱竹清を倒し、次に小舞に足止めされる。それを見た邪月は月仞を投げて千仞雪を助けようとするが、月仞は小舞をかすりそうになる。唐三は小舞に瞬間移動を促し、小舞は攻撃を回避。千仞雪は邪月の助けに感謝せず、自ら敗北を宣言する。
邪月は気にせず、武魂殿チームは実質自分一人であり、千仞雪と焱は添え物だと嘯く。邪月は最強の三つの魂環で月仞を強化し、史蘭客七怪を倒そうとする。唐三たちは月仞の攻撃を必死に避け、欧思客と寧栄栄には退場を命じる。邪月の月仞は再び戴沐白を襲うが、唐三は蜘蛛脚で戴沐白を守る。しかし、蜘蛛脚は月仞に次々と斬り落とされる。唐三は昊天錘を召喚して邪月を攻撃、邪月は三魂環の月仞で応戦する。その隙に小舞は邪月の顔面に蹴りを入れ、不意を突かれた邪月は場外へ落下。菊斗羅は史蘭客学苑の勝利を宣言し、七怪は手を取り合って表彰台へ。邪月は落胆しながら退場する。
比比東は自ら魂骨を賞品として授与するが、授与式中に突如鬼斗羅が現れ、数名の封号斗羅と共に比比東闇殺を企てる。しかし、比比東は既に準備しており、刺客たちを簡単に製圧する。比比東は鬼斗羅の目的が千尋疾の復讐であることを暴露。千尋疾を殺したのは自分だと認め、鬼斗羅が蒼暉学苑、星斗の森の魂獣、そして数名の封号斗羅と結託して自分に敵対することを既に予期していたと明かす。罠を仕掛けて、彼らが自らやってくるのを待っていたのだ。
比比東は鬼斗羅の武魂発動を阻止するだけでなく、他の封号斗羅も倒す。菊斗羅に魂骨を史蘭客学苑のメンバーに分配するように指示するが、小舞だけは除外する。比比東は小舞を捕らえ、彼女が魂師ではなく、十万年魂獣の兎が人間の姿に化けていることを指摘する。真実を知った唐三は、小舞が何であろうと気にしないと断言し、彼女と共に一生を過ごしたいと願う。比比東は唐三に攻撃を仕掛けるが、唐昊が間一髪現れ救出する。比比東は一歩も引かず、九つの魂環を見せつけ唐昊と交戦するが、最後は唐昊に敗れる。
小舞は負傷して意識を失った唐三を連れてその場を去る。唐昊は小舞に、人間と魂獣は共存が難しく、二人の関係は困難に満ちていると警告する。小舞はあらゆる困難に立ち向かう覚悟をしており、唐昊は同情する。唐三の母親も十万年魂獣だったことを考えると、唐昊は唐三が同じ運命を辿ることを危惧する。強くなることこそが、あらゆる困難に立ち向かう力になると考える。熟慮の末、小舞は一時的に唐三の元を離れることを決意する。
唐三との出会いからの日々を思い返し、小舞は複雑な気持ちになる。彼女は唐三に優しくキスをし、昏睡状態の唐三は涙を流す。その涙が地面に落ちると、藍銀草が生えてくる。呼び声の中、唐三はやっと目を覚ます。物語はここで幕を閉じる。
最終回の感想
怒涛の展開で幕を閉じた斗羅大陸最終回、第40話は、手に汗握る戦闘シーンと感動的なドラマが詰め込まれた、まさに集大成と言えるエピソードでした。まず、史蘭客学苑と武魂殿の決勝戦は、個々の能力のぶつかり合いだけでなく、チームワークの重要性も際立つ見応えのあるものでした。特に、唐三と邪月の戦いは、息詰まる攻防の連続で、緊迫感が画面越しにも伝わってきました。唐三の機転と仲間たちのサポートが勝利の鍵となったものの、邪月の圧倒的な力も印象深く、決して単純な勧善懲悪では終わらない、複雑な感情を抱かせる戦いでした。
そして、試合後の比比東の闇殺未遂劇は、物語全体を揺るがす衝撃的な展開でした。彼女の冷酷さと狡猾さが改めて浮き彫りになり、これまでの伏線が一気に回収されるカタルシスを感じました。鬼斗羅の復讐心、そして比比東の真の目的が明らかになるにつれ、物語の奥深さが改めて認識させられます。
さらに、小舞の正体が明かされるシーンは、涙なしには見られませんでした。唐三と小舞の強い絆、そして種族の違いという大きな壁に直面する二人の姿は、切なくも美しい愛の物語として胸に深く刻まれました。唐昊の登場も、物語に更なる深みを与え、今後の展開への期待感を高めました。小舞の決断は唐三にとって大きな試練となるでしょうが、二人の未来を信じたいと思わせる、希望に満ちたラストシーンでした。
全体を通して、戦闘シーンの迫力、ストーリーの緻密さ、そしてキャラクターたちの感情表現など、あらゆる要素が高水準で融合された、非常に完成度の高い最終回だったと言えるでしょう。今後の展開、特に唐三と小舞の再会を期待せずにはいられません。