運命のいたずらにより、玟小六(びんしょうりく)は塗⼭璟(とざんけい)を守るため、引き返すことを余儀なくされた。しかし、瑲玹(そうげん)の冷酷な命令で、彼女の両足は侍衛によって無残にも折られ、闇い牢獄へと投げ込まれてしまう。意識を失った塗⼭璟(とざんけい)のために、玟小六(びんしょうりく)は激痛に耐えながら自分の血で彼を治療する。心に秘めた想いは芽生えつつも、茨の道のような恋に再び身を投じることを躊躇っていた。
目を覚ました塗⼭璟(とざんけい)は、玟小六(びんしょうりく)の犠牲と、彼女の首の赤い印の真相を知る。それは相柳(そうりゅう)が治療のために残したものだったのだ。誤解が解けた安堵と共に、彼は玟小六(びんしょうりく)にこれ以上危険な行為をしないよう諭す。一行は皓翎(こうれい)国の竜骨獄へと護送される。山の奥深くにある牢獄は、闇闇と絶望に満ちていたが、塗⼭璟(とざんけい)が法力で灯した花灯の温かな光が、玟小六(びんしょうりく)の心を優しく照らす。
玟小六(びんしょうりく)は、塗⼭璟(とざんけい)に迷惑をかけまいと彼との関係に終止符を打とうとするが、塗⼭璟(とざんけい)は彼女の女である正体を知っていることを明かし、決して離れないと告げる。防風意映(ぼうふういいえい)との婚約を解消し、葉十七(ようじゅうしち)に戻るための十五年の時間を求め、他の誰かに心を奪われるなと懇願する。玟小六(びんしょうりく)は表面上は冗談めかすが、内心は揺れていた。二人は誓いの証として手を打ち合わせ、塗⼭璟(とざんけい)は彼女の小さな手を強く握りしめ、生涯寄り添うことを誓う。
一方、玟小六(びんしょうりく)の危機を感じた相柳(そうりゅう)は、五神山へと急ぎ駆けつける。脱出の誘いを受けるも、玟小六(びんしょうりく)は五神山の厳重な警備と塗⼭璟(とざんけい)の安全を考慮し、丁重に断り、必ず恩を返すことを約束する。
承恩宮に戻った玟小六(びんしょうりく)は、母との楽しかった日々を思い出し、涙を流す。その後、塗⼭璟(とざんけい)と共に瑲玹(そうげん)の宮殿で療養することになる。足の怪我も癒え、新しい服に著替えた玟小六(びんしょうりく)だが、皓翎(こうれい)王に会う不安で落ち著かない。そんな彼女を、塗⼭璟(とざんけい)は静かに見守る。
夕暮れ時、皓翎(こうれい)王は玟小六(びんしょうりく)を呼び出し、彼女の変装を見抜こうとするが、失敗に終わる。玟小六は正体がバレる恐怖と、理不尽な仕打ちへの悔しさで、王と目を合わせることができない。皓翎(こうれい)王は瑲玹(そうげん)の残酷な行為にわずかな不満を示し、二人を夕食に招く。玟小六の豪快な食べ方は、皓翎(こうれい)王の優雅さとは対照的で、瑲玹(そうげん)の displeasure を買う。しかし、皓翎(こうれい)王は小夭(しょうよう)の好物である青艾糕を用意し、その様子を見た瑲玹(そうげん)は、玟小六の正体に疑念を抱き始める。
夕食後、瑲玹(そうげん)は皓翎(こうれい)王に小夭(しょうよう)のことについて尋ねる。皓翎(こうれい)王は明確な答えは避けるものの、玟小六の正体に気づいていることを仄めかし、愛という名の暴力について語り、彼女に自分と向き合う時間を与えるべきだと諭す。瑲玹(そうげん)は玟小六との過去を振り返り、自分の誤りに気づき、後悔の念に苛まれる。そして、密かに彼女の傷を癒す。瑲玹(そうげん)が去った後、玟小六はついに感情を押し殺しきれず、声を上げて泣き崩れるのだった。
第14話 感想:愛と犠牲、そしてすれ違う想い
第14話は、玟小六の深い愛情と自己犠牲、そして登場人物たちの複雑に絡み合う想いが胸を締め付けるエピソードでした。塗⼭璟(とざんけい)を守るため、自らの足を犠牲にする彼女の姿は、その愛の深さを物語っています。同時に、辛い過去を持つが故に、愛に臆病になる彼女の繊細な心情も描かれており、共感を覚えずにはいられません。
塗⼭璟(とざんけい)の誤解が解け、玟小六への想いを確信する場面は、感動的でした。闇い牢獄の中で灯る花灯の温かい光は、二人の絆を象徴しているかのようでした。婚約解消を申し出て、葉十七(ようじゅうしち)に戻るための時間を求め、ただひたすらに玟小六を想う彼の純粋な愛情は、視聴者の心を掴みます。
しかし、そこに相柳(そうりゅう)の存在が影を落とします。玟小六を救い出そうとする彼の行動は、視聴者に新たな葛藤を生み出します。玟小六は、塗⼭璟(とざんけい)の安全を優先し、相柳(そうりゅう)の申し出を断りますが、その決断の裏にある苦悩も感じ取ることができました。
瑲玹(そうげん)との再会は、玟小六にとって大きな試練となります。皓翎(こうれい)王の前で、正体を隠しながら振る舞う彼女の緊張感が伝わってきました。皓翎(こうれい)王の鋭い洞察力と、瑲玹(そうげん)の過去の行いへの後悔は、今後の展開への期待を高めます。
つづく