自由奔放な玟小六(びんしょうりく)は、王姫(おうき)としての窮屈な生活に馴染めず、皓翎(こうれい)王と相談の上、王位継承を一旦保留することに。そして、塗⼭璟(とざんけい)に自分の容姿変化の秘密を打ち明ける。塗⼭璟(とざんけい)は、どんな姿になっても変わらぬ愛を誓う。しかし、一族の用事で塗⼭璟(とざんけい)は旅立たねばならず、二人は15年後の再会を約束する。
塗⼭璟(とざんけい)の不在で、玟小六(びんしょうりく)の笑顔は消え、無口になる。強がって誰にも頼らないと宣言するものの、孤独と不安は隠せない。そんな玟小六(びんしょうりく)を、瑲玹(そうげん)は優しく見守る。互いに大切な人を失った過去を持つ二人は、再会を喜び、絆を深める。玟小六(びんしょうりく)は自分の出生の噂に心を痛めるが、瑲玹(そうげん)は彼女が皓翎(こうれい)王の娘であることを改めて告げる。
玟小六(びんしょうりく)の容姿変化の秘密について、皓翎(こうれい)王の仮応と姑姑の遺言から、瑲玹(そうげん)は駐顔花が姑姑が玟小六(びんしょうりく)に託した神器だと推測する。一瞬、玟小六(びんしょうりく)の出生に疑念を抱くも、すぐに兄妹の情が勝り、彼女を守ることを誓う。
一方、阿念(あんねん)は玟小六(びんしょうりく)が父兄から特別扱いされていることに不満を抱き、皓翎(こうれい)王に詰め寄る。しかし、父が発表しようとしていたのは玟小六(びんしょうりく)との縁談ではなく、誤解だとわかる。玟小六(びんしょうりく)はユーモアを交えて阿念(あんねん)を安心させる。
瑲玹(そうげん)は西炎(せいえん)王の朝雲峰へ戻る決意をする。今はまだ力不足だが、力を蓄え、時を待つ覚悟だ。皓翎(こうれい)王は彼の決断を支持する。出発前、玟小六(びんしょうりく)と瑲玹(そうげん)は別れを惜しみ、阿念(あんねん)のことなどを語り合う。瑲玹(そうげん)は玟小六(びんしょうりく)の芯の強さを褒め、彼女を守ると約束する。
瑲玹(そうげん)の後ろ姿を見送りながら、玟小六は西炎(せいえん)王での出来事や母の死を思い出し、ついに王姫(おうき)となる決意を固める。瑲玹(そうげん)には、王姫(おうき)になれば何かと便利で、自分の身を守れると軽い口調で説明するが、真の目的は、瑲玹(そうげん)と共に困難に立ち向かうためだ。
皓翎(こうれい)王は玟小六の決断を喜び、真の姿を取り戻すため、玉(ぎょく)山にいる王母(おうぼ)に会うよう勧める。瑲玹(そうげん)と阿念(あんねん)も同行を申し出て、四人は旅に出る。一方、塗⼭璟(とざんけい)は防風意映(ぼうふういいえい)に婚約解消を申し出るが、拒否される。塗⼭璟(とざんけい)が去った後、防風意映(ぼうふういいえい)は意外な強さを見せる。
旅の途中、一行は皓翎青龍部の者として宿に泊まる。夜、湖で舟遊びを楽しみ、楽しいひと時を過ごす。辰栄馨(しんえいけい)が加わり、さらに賑やかになる。彼女は防風意映(ぼうふういいえい)を誘い、自ら琴を奏でる。瑲玹(そうげん)の簫の音と合わさり、辰栄馨(しんえいけい)の心を惹きつける。しかし、防風意映(ぼうふういいえい)が波風を立て、四人は湖に飛び込む羽目に。波乱の夜だったが、互いの信頼と絆は深まる。
第16話の感想
第16話は、玟小六の成長と決意、そして登場人物たちの複雑な感情が交錯する、物語の転換点となる重要なエピソードでした。自由を愛する玟小六が、王姫(おうき)としての責任を受け入れるまでの葛藤が丁寧に描かれており、彼女の心情の変化に共感せずにはいられません。特に、瑲玹(そうげん)との別れのシーンは、互いを思いやる気持ちが溢れていて、胸を締め付けられました。
塗⼭璟(とざんけい)との再会の約束は、15年という長い歳月を予感させ、切ない別れとなりました。玟小六の強がりながらも、孤独を抱える姿は、彼女の繊細な内面を浮き彫りにしています。瑲玹(そうげん)の温かい眼差しと、兄妹としての強い絆が、玟小六にとってどれほど大きな支えとなっているのかが伝わってきました。
阿念(あんねん)の誤解による騒動は、コミカルな要素を加えつつ、玟小六の人間的な魅力を引き出す効果的な場面でした。また、防風意映(ぼうふういいえい)の意外な強さも印象的です。婚約解消を拒否する彼女の真意はどこにあるのか、今後の展開が気になります。
旅の道中、辰栄馨(しんえいけい)の登場により、物語は新たな局面を迎えます。彼女の活発な性格と、防風意映(ぼうふういいえい)との対比が、今後の波乱を予感させます。湖での騒動は、登場人物たちの関係性をさらに深める重要な出来事となりました。
つづく