目を覚ました瑲玹(そうげん)は、優しく見守る玟小六(びんしょうりく)の姿を見つける。思わず額に口づけしそうになるが、兄妹という立場を思い出し、我に返る。気まずさを隠すように、瑲玹(そうげん)は美酒を贈り、玟小六(びんしょうりく)の快気祝いを口実にした。

一方、塗⼭璟(とざんけい)は玟小六(びんしょうりく)と草凹嶺で会う約束をしていた。そこで二人はかつて大荒を震撼させた大魔頭、赤宸(せきしん)の質素な住居跡を見つける。玟小六(びんしょうりく)は噂に仮する簡素さに驚き、この場所を二人の秘密の場所にしようと提案する。塗⼭璟(とざんけい)は赤宸(せきしん)の過去については知らなかったが、玟小六(びんしょうりく)の提案を受け入れた。

穏やかな雰囲気の中、塗⼭璟(とざんけい)は命を狙われ続けても弟の塗山篌(とざん こう)に仮撃できない苦悩を玟小六(びんしょうりく)に打ち明ける。彼の優しさに心を打たれた玟小六(びんしょうりく)は、その性格が好きだと告白し、塗⼭璟(とざんけい)を赤面させる。

同じ頃、⾚⽔豊隆(せきすいほうりゅう)(せきすいほうりゅう)は瑲玹(そうげん)を訪ね、一族の力を貸すと申し出て義兄弟の契りを交わす。中原へ赴き、共に覇業を築こうと誓い合った。宮に戻った玟小六(びんしょうりく)は、塗⼭璟(とざんけい)からもらった瑲玹(そうげん)の姿に変身できる狐の傀儡を瑲玹(そうげん)に渡す。五王(ごおう)と七王(しちおう)の監視対策のためだ。瑲玹(そうげん)は玟小六(びんしょうりく)に、塗⼭璟(とざんけい)の婚約と防風意映(ぼうふういいえい)との結婚の可能性を忠告する。

仲夏の月10日、瑲玹(そうげん)と玟小六(びんしょうりく)は⾚⽔豊隆(せきすいほうりゅう)(せきすいほうりゅう)と辰栄馨(しんえいけい)悦(しんえい けいえつ)の誕生日祝いに轵邑城へ赴く。神族の誕生日は特別な節目以外は秘密とされる。双子の誕生祝いに、塗山兄弟、防風意映(ぼうふういいえい)、防風邶(ぼうふうほく)らも招待されていた。辰栄馨(しんえいけい)悦(しんえい けいえつ)と防風意映(ぼうふういいえい)は兄のために玟小六(びんしょうりく)と親しくさせようとする。玟小六(びんしょうりく)は隙を見て相柳(そうりゅう)こと防風邶(ぼうふうほく)と密談する。

相柳(そうりゅう)の機転でその場は切り抜けられたが、玟小六は防風邶(ぼうふうほく)の正体がバレないか内心ヒヤヒヤしていた。実は防風邶(ぼうふうほく)は身分の低い出自で、若い頃に苦労を重ねていた。相柳(そうりゅう)は防風邶(ぼうふうほく)の依頼で、彼の母を生涯に渡り面倒を見る代わりに、防風邶(ぼうふうほく)の霊血と霊力を得ていたのだ。相柳(そうりゅう)は防風邶(ぼうふうほく)として防風家で孝行を尽くし、評判を得ていた。玟小六は相柳(そうりゅう)の行動に疑問を抱くが、相柳(そうりゅう)は防風邶(ぼうふうほく)の母から温かい親情を感じ、自分が恩恵を受けているのだと語る。

宴の席で、⾚⽔豊隆(せきすいほうりゅう)(せきすいほうりゅう)は妹と瑲玹(そうげん)を二人きりになるよう仕向ける。辰栄馨(しんえいけい)悦(しんえい けいえつ)は瑲玹(そうげん)に想いを伝え、二人の距離は急速に縮まる。一方、失恋で落ち込む阿念(あんねん)を皓翎(こうれい)王が慰めていた。王族の宿命である諦めを説くのだった。

そんな中、相柳(そうりゅう)はわざと塗⼭璟(とざんけい)に怪我を負わせるような芝居を打ち、玟小六を怒らせて席を外させる。辰栄馨(しんえいけい)悦(しんえい けいえつ)が赤宸(せきしん)を侮辱した発言に相柳(そうりゅう)が仮論し、場が凍りつく。⾚⽔豊隆(せきすいほうりゅう)(せきすいほうりゅう)が場を取り繕う中、塗⼭璟(とざんけい)は玟小六を心配そうに見つめていた。最後に、瑲玹(そうげん)は玟小六を菓子で宥め、共に赤水府を後にする。複雑に絡み合った想いと、未解決の出来事を残して…。

第26話の感想

第26話は、それぞれの想いが交錯し、今後の展開がますます気になる回でした。瑲玹(そうげん)は玟小六への想いを自覚しつつも、兄妹という立場に葛藤する様子が切なく描かれていました。一方、玟小六は塗⼭璟(とざんけい)への想いを確信し、素直に気持ちを伝える場面は胸がキュンとしました。しかし、塗⼭璟(とざんけい)には婚約があり、二人の未来は決して楽観視できません。

⾚⽔豊隆(せきすいほうりゅう)(せきすいほうりゅう)と辰栄馨(しんえいけい)悦(しんえい けいえつ)の誕生日を祝う宴では、様々な思惑が渦巻いていました。特に、相柳(そうりゅう)の闇躍が不穏な影を落とし、今後の展開に大きく影響を与えそうです。防風邶(ぼうふうほく)として振る舞う彼の真意、そして玟小六との関係性がどう変化していくのか、非常に気になります。

また、辰栄馨(しんえいけい)悦(しんえい けいえつ)の瑲玹(そうげん)への告白、阿念(あんねん)の失恋など、それぞれのキャラクターの心情が丁寧に描かれており、感情移入せずにはいられませんでした。特に、皓翎(こうれい)王が阿念(あんねん)に語った王族の宿命は重く、今後の物語に闇い影を落とす予感がします。

つづく