第31話 緊迫した状況の中、瑲玹(そうげん)は沐斐(もくひ)を捕らえた。頑なに抵抗する沐斐(もくひ)に対し、瑲玹(そうげん)は強硬手段に出たが、沐斐(もくひ)は孤独な身の上を語り、死を恐れない様子を見せた。しかし、瑲玹(そうげん)は沐斐(もくひ)と侍女の間に子供がいるという秘密を握っており、それを突きつけることで、ついに沐斐(もくひ)の口を割らせた。沐斐(もくひ)は小夭(しょうよう)闇殺の真相を語る代わりに、⾚⽔豊隆(せきすいほうりゅう)(せきすいほうりゅう)と瑲玹(そうげん)の二人に会うこと、そして妻子の安全を⾚⽔豊隆(せきすいほうりゅう)(せきすいほうりゅう)に保証させることを条件とした。
⾚⽔豊隆(せきすいほうりゅう)(せきすいほうりゅう)の立ち会いのもと、沐斐(もくひ)は動機を語り始めた。大王姫(おうき)の式典で、玟小六(びんしょうりく)が赤宸(せきしん)の娘であることに気づいたという。五王(ごおう)と七王(しちおう)に確認したところ、彼らは言葉を濁したが、沐斐(もくひ)の疑念は確信へと変わった。赤宸(せきしん)の血筋が西炎(せいえん)王の平和を脅かすことを恐れた沐斐(もくひ)は、小夭(しょうよう)の命を狙ったのだ。
⾚⽔豊隆(せきすいほうりゅう)(せきすいほうりゅう)は驚きを隠せない。瑲玹(そうげん)は玟小六(びんしょうりく)が赤宸(せきしん)の娘ではないと仮論し、様々な疑問を投げかけるが、沐斐(もくひ)の確信は揺るがない。瑲玹(そうげん)はこの陰謀の黒幕がいると確信し、辰栄馨(しんえいけい)悦(しんえい けいえつ)を巧みに誘き出したことから、共犯に女性が関わっていると推測する。⾚⽔豊隆(せきすいほうりゅう)(せきすいほうりゅう)も同意し、徹底的に調査することを約束した。
その夜、⾚⽔豊隆(せきすいほうりゅう)(せきすいほうりゅう)と辰栄馨(しんえいけい)悦(しんえい けいえつ)は新たな手がかりを持って瑲玹(そうげん)を訪ねた。虐殺に関わったのは六大氏族の子弟で、そのうち二人は結婚を控えているという。六大氏族、特に樊氏と鄭氏は二人の助命を嘆願するが、瑲玹(そうげん)は祖母、叔母、母の話を持ち出し、大切な人を守る決意を改めて表明し、利益のために信念を曲げない姿勢を示した。
瑲玹(そうげん)の強い意誌に感動し、辰栄馨(しんえいけい)悦(しんえい けいえつ)は涙を流す。⾚⽔豊隆(せきすいほうりゅう)(せきすいほうりゅう)も瑲玹(そうげん)を見直し、共に戦うことを決意する。辰栄馨(しんえいけい)悦(しんえい けいえつ)は瑲玹(そうげん)の言葉に喜びつつも、もっと早く彼に出会えていたらと複雑な思いを抱く。
その後、瑲玹(そうげん)は詹雪綾(せんせつりょう)を処刑し、晋越剣(しんえつけん)を拷問の末に殺害した。復讐を果たした瑲玹(そうげん)は寝殿に戻り、意識のない玟小六(びんしょうりく)を見つめ、様々な感情が胸をよぎる。自分の行動が大きな波紋を呼ぶこと、これまでの努力が水の泡となる可能性も覚悟の上だった。ただ小夭(しょうよう)のために、 Gerechtigkeit を貫きたかったのだ。
しかし、老桑(ろうそう)の言葉で瑲玹(そうげん)はハッとする。目の前の玟小六(びんしょうりく)はただの抜け殻で、本当の玟小六(びんしょうりく)は既に魂が離れていることに気づいたのだ。玟小六(びんしょうりく)の魂は相柳(そうりゅう)を待ち続け、ようやく再会を果たすも、姿が見えない。相柳(そうりゅう)は衰弱しきっていたが、自分の心臓の血で小夭(しょうよう)の毒を解き、力尽きて倒れてしまう。
一方、皓翎(こうれい)王は玟小六(びんしょうりく)の襲撃を知り、西炎(せいえん)王の国事に直接介入はできないものの、四大氏族の子弟を追放することで小夭(しょうよう)への支持を示した。さらに覃収(じんしゅう)を西炎(せいえん)王に送り、四大氏族に警告するよう命じた。小夭(しょうよう)の友人である阿念(あんねん)も怒りに燃え、 Gerechtigkeit を求めた。
第31話の感想
第31話は、瑲玹(そうげん)の覚悟と苦悩、そして小夭(しょうよう)と相柳(そうりゅう)の切ない再会が描かれた、非常に感情を揺さぶられる回でした。
沐斐(もくひ)の口から語られた小夭(しょうよう)闇殺の動機は、西炎(せいえん)王の平和を守るためとはいえ、あまりにも身勝手なものだったと言えるでしょう。赤宸(せきしん)の血筋というだけで、小夭(しょうよう)の命を奪おうとする彼の行動は、決して許されるものではありません。
瑲玹(そうげん)は、小夭(しょうよう)を守るため、そして真実を明らかにするために、冷徹な判断を下し、復讐を実行します。詹雪綾(せんせつりょう)や晋越剣(しんえつけん)への処罰は、これまでの彼の穏やかな姿からは想像もつかないほど苛烈なものでした。大切な人を守るためには、どんな犠牲も厭わないという彼の強い意誌が、見ている者の心を打ちます。しかし、その復讐の直後、彼が玟小六(びんしょうりく)の魂が既に離れていることに気づき、茫然自失となる姿は、見ていて胸が締め付けられるようでした。
一方、小夭(しょうよう)と相柳(そうりゅう)の再会シーンは、美しくも切ないものでした。意識のない小夭(しょうよう)のために、自らの命を削ってまで彼女を救おうとする相柳(そうりゅう)の姿は、彼の深い愛情を物語っています。しかし、小夭は相柳(そうりゅう)の姿を見ることも、声を聞くこともできません。二人の想いがすれ違うこの場面は、今後の展開をより一層不安にさせるものでした。
つづく