清水(せいすい)鎮での穏やかな暮らしの中、玟小六(びんしょうりく)は桑甜児(そうてんじ)の正体という謎に頭を悩ませていた。桑甜児(そうてんじ)の真意に疑念を抱きながらも、串子(チュアンズ)への真剣な想いを汲み取り、玟小六(びんしょうりく)は一計を案じる。芝居を打つことで老木(ろうぼく)も二人の結婚を認めざるを得ない状況を作り出したのだ。老木(ろうぼく)は懸念を抱きつつも、無理強いは良くないと理解し、串子(チュアンズ)に熟慮を促す。同時に玟小六(びんしょうりく)は老木(ろうぼく)に資金の準備を促し、桑甜児(そうてんじ)を遊郭から身請けすることを提案する。
清水(せいすい)鎮の特別な場所である遊郭は、美貌と才能を兼ね備えた女性が集まるだけでなく、情報の集散地でもあった。桑甜児(そうてんじ)の身請けには莫大な費用がかかり、医館の全財産を投げ打っても足りないほどだった。恋に悩む串子(チュアンズ)は酒に溺れ、玟小六(びんしょうりく)が桑椹酒を好む理由を聞いた瑲玹(そうげん)は、さらに疑念を深める。老木(ろうぼく)が玟小六(びんしょうりく)の兄だと知り、瑲玹(そうげん)のわずかな希望は完全に消え去った。そこに現れた葉十七(ようじゅうしち)は串子(チュアンズ)を連れ帰り、彼自身の正体もまた瑲玹(そうげん)の好奇心を掻き立てる。
玟小六(びんしょうりく)は相柳(そうりゅう)の仕業だと睨み、自ら相柳(そうりゅう)の元へ向かう。対峙を前に複雑な心境で、木の上で待っていると、相柳(そうりゅう)が突然現れ、報復として彼女の血を吸う。玟小六(びんしょうりく)は抵抗するどころか、蛇妖との過去の出来事を語り、共感を得ようとする。しかし、相柳(そうりゅう)の怒りと憎しみは収まらず、玟小六(びんしょうりく)を木から突き落とし、冷酷な言葉を吐き捨てて去っていく。
駆けつけた葉十七(ようじゅうしち)は術で玟小六(びんしょうりく)の傷を癒すが、首筋の噛み跡を見て怒りに燃える。玟小六(びんしょうりく)は甘えるようにして葉十七(ようじゅうしち)の怒りを鎮め、二人は医館へ戻る。葉十七(ようじゅうしち)の献身的な世話に玟小六(びんしょうりく)は感謝し、眠る玟小六(びんしょうりく)を見つめる葉十七(ようじゅうしち)の微笑みには、秘めた優しさが溢れていた。
桑甜児(そうてんじ)の件で、玟小六は再び瑲玹(そうげん)に助けを求める。瑲玹(そうげん)は驚きながらも、協力を約束し、全てを解決すると告げる。感謝する玟小六は興奮のあまり倒れそうになるが、葉十七(ようじゅうしち)が支える。この場面を目撃した瑲玹(そうげん)は、葉十七(ようじゅうしち)の正体をさらに探ろうと決意する。
桑甜児(そうてんじ)が無事身請けされ、玟小六は彼女と深い話を交わす。そこで明かされた桑甜児(そうてんじ)が串子(チュアンズ)に近づいた真の理由は、なんと瑲玹(そうげん)の指示によるものだった。桑甜児(そうてんじ)は真実の愛など信じないと語りながらも、串子(チュアンズ)の出現で全てを賭ける覚悟ができたと明かす。玟小六はその真摯な想いに心を打たれ、二人の結婚を認め、盛大な結婚式を執り行い、瑲玹(そうげん)たちを招待する。しかし、阿念(あんねん)の突然の来訪が祝いの席に水を差す。彼女の不用意な発言で場が白け、瑲玹(そうげん)は彼女を連れて早々に退席する。
この物語は、愛情と陰謀、愛と犠牲が複雑に絡み合い、登場人物それぞれが自身の信念と感情のために懸命に生きている。
第6話 感想
第6話は、桑甜児(そうてんじ)をめぐる物語が中心となり、様々な感情が交錯する展開に目が離せませんでした。玟小六の機智と優しさ、串子(チュアンズ)の純粋な愛情、そして相柳(そうりゅう)の複雑な感情が印象深く描かれていました。
特に、玟小六が桑甜児(そうてんじ)の身請けのために奔走する姿は、彼女の温かい人柄が際立っていました。遊郭という特殊な場所でのやり取りや、多額の費用を工面しようとする様子からは、彼女の強い意誌と行動力が感じられました。また、串子(チュアンズ)の純粋な想いに心を打たれ、二人の結婚を後押しする姿も感動的でした。
一方、相柳(そうりゅう)との対峙シーンは、緊張感に満ち溢れていました。相柳(そうりゅう)の冷酷な言動と、玟小六の過去を垣間見るシーンは、二人の間に流れる複雑な関係性を改めて認識させられました。葉十七(ようじゅうしち)の登場と玟小六への献身的な優しさは、物語に温かみを添えていました。
つづく