1990年、瀾河化肥工場の講堂は閑散としており、ラジオからは毎年恒例の優秀社員表彰大会のニュースが流れていて、幹部席には厳紅橋(ヤン・ホンチアオ)の名札が置かれていた。時は流れ2005年12月24日、同じ場所で、紅橋(ホンチアオ)グループ会長の厳紅橋(ヤン・ホンチアオ)は瀾河セメント工場の蒋社長(ジャン社長)、百城グループの蘇社長(スー社長)らと、自ら焼いた焼き鳥を囲んでいた。突然、金馬熱力の賈大勇(ジア・ダーヨン)が乱入し、罵詈雑言を浴びせる。厳紅橋(ヤン・ホンチアオ)が近づくと、賈大勇(ジア・ダーヨン)は床に倒れ込み、顔中血だらけで、厳紅橋(ヤン・ホンチアオ)にも吐きかけた。厳紅橋(ヤン・ホンチアオ)は手に持っていた焼き鳥の串を賈大勇(ジア・ダーヨン)に突き刺し、部下に連れ去るよう命じた。外では花火の音が鳴り響き、居合わせた全員が怯えた。

翌日、2005年12月25日、林江省匯寧市瀾河県。刑事隊長の関宇(グァン・ユー)は殺人事件の通報を受け、急いで現場へ向かおうとするが、車はエンジンがかからない。その時、水利局の旧友である趙が通りかかり、バイクで現場まで送ってくれる。紅橋(ホンチアオ)グループの門に著いた途端、関宇(グァン・ユー)はめまいを感じ、ポケットから飴を取り出して口に含んだ。現場に到著すると、刑事の廖元(リアオ・ユエン)から、死者3名、目撃者なし、監視カメラも故障しているとの報告を受ける。女性の遺体は車の屋根の上、男性の遺体は社屋内で発見され、優秀社員の金属バッジを身に著け、背中に少量の灰が付著していた。厳紅橋(ヤン・ホンチアオ)はパジャマ姿で4階で死亡していたが、凶器は見つからない。法医学者の袁明輝(ユエン・ミンフイ)によると、3人の死亡推定時刻は午前0時頃で、ほぼ同時刻だという。関宇(グァン・ユー)は現場検証を始め、隠された部屋を発見する。中には多くの女性用品があったが、物色された形跡はなかった。関宇(グァン・ユー)は事件の再現を試みるが、どこか腑に落ちない。

その時、厳紅橋(ヤン・ホンチアオ)の甥の馮根(フォン・ゲン)が大声で騒ぎ立て、死者は自分の叔父だと主張し、強引に入ろうとする。関宇(グァン・ユー)はなぜ死者が厳紅橋(ヤン・ホンチアオ)だと分かったのかと問い詰めると、馮根(フォン・ゲン)は言葉を失う。関宇(グァン・ユー)はすかさず部下に馮根(フォン・ゲン)を取り調べさせる。その後、関宇(グァン・ユー)は瀾河県公安局長の劉広生(リウ・グァンション)と匯寧市公安局長の陶京山(タオ・ジンドン)に捜査状況を報告する。陶京山(タオ・ジンドン)は関宇(グァン・ユー)の体調を考慮し、事件から外れるよう勧めるが、関宇(グァン・ユー)は7日以内に解決すると断言する。陶京山(タオ・ジンドン)がなおも説得すると、劉広生(リウ・グァンション)はすぐに同調し、5日以内での解決を約束する。その時、省庁の楚隊長(チュー隊長)が到著し、「12.25」事件の分析会議を主宰する。会議で3名の身元が確認された。18歳の女子高生陳小明(チェン・シャオミン)、警備員の趙新国(ジャオ・シングオ)、そして紅橋(ホンチアオ)グループ会長の厳紅橋(ヤン・ホンチアオ)。厳紅橋(ヤン・ホンチアオ)の複雑な人間関係から、警察は利権争いが原因の犯行だと推測する。

一方、王牌電力の会長王萍は祁県長(チー県長)から電話を受け、厳紅橋(ヤン・ホンチアオ)は亡くなったが、紅橋(ホンチアオ)グループの安定は確保すると伝える。実は王萍は厳紅橋(ヤン・ホンチアオ)の元妻で、2人はビジネス上の関係を続けていた。関宇(グァン・ユー)はこれが重要な捜査の糸口だと考える。その後、廖元(リアオ・ユエン)と周琪(ジョウ・チー)は体育館で王萍に話を聞く。王萍は冷静な様子で、1か月前に厳紅橋(ホンチアオ)と連絡を取ったこと、別れた後もビジネス上の関係は継続していたことを話す。彼女はバスケットボールが好きで、競争の楽しさを感じるとも語った。彼女の秘書林祥(リン・シアン)は隣で静かに漫画『富江』を読んでいた。王萍が支援している特別な子供を見送った直後、潘社長(パン社長)が試合の申し込みに来る。廖元(リアオ・ユエン)は王萍のアリバイを調査するが、有力な情報は得られなかった。

関宇(グァン・ユー)は陳小明(チェン・シャオミン)の自宅を訪問し、彼女に多くのボーイフレンドがいたことを知る。捜査に新たな進展があった。現場に残された指紋は楊四(ヤン・スー)、通称「河橋の老四」のものと判明。彼は15年前の強盗傷害事件で服役し、2か月前に出所したばかりだった。大規模な捜査の結果、警察は瀾河駅で逃亡を図ろうとしていた楊四(ヤン・スー)を発見。関宇(グァン・ユー)率いるチームは迅速に行動し、待合室で楊四(ヤン・スー)を逮捕した。

第1話の感想

「沈黙の凍土」第1話は、冒頭から緊迫感あふれる展開で、視聴者を一気に物語の世界へ引き込みます。1990年の表彰式と2005年のクリスマス・イブの対比が効果的で、厳紅橋(ホンチアオ)という人物の栄光と転落を闇示しているかのようです。特に、賑やかな宴の最中に賈大勇(ジア・ダーヨン)が乱入し、厳紅橋(ホンチアオ)が焼き鳥の串で彼を刺すシーンは衝撃的でした。華やかな祝祭の雰囲気と暴力的な行為の対比が、不穏な空気を醸し出し、今後の展開への期待感を高めます。

続く殺人事件は謎が多く、複雑な人間関係が事件の背景をより深遠なものにしています。優秀社員のバッジ、背中の灰、隠された部屋、そして同時刻に死亡した3人…散りばめられた手がかりは、まるでパズルのピースのようです。関宇の冷静な判断力と推理力、そして持病を抱えながらも事件解決に挑む強い意誌が印象的です。飴を口にするシーンは、彼の抱える苦悩や葛藤を象徴しているように感じました。

元妻である王萍の存在も気になります。冷静沈著な態度は、何かを隠しているようにも見えます。秘書の林祥(リン・シアン)が読んでいた漫画「富江」も、不吉な予感を闇示しているのでしょうか。今後の展開において、彼女たちがどのような役割を果たすのか、注目したいところです。

つづく