2005年12月24日夜11時、楊四(ヤン・スー)は寺で王萍に会い、小松(シアオソン)の話題から、自分が楊雪松(ヤン・シュエソン)の実父だと認めてしまう。王萍から雪松が殺人を犯したと聞かされた楊四(ヤン・スー)は、疑うことなく自宅に放火し、紅橋(ホンチアオ)グループへ向かう。現場にあった銃と刃物から指紋を拭き取り、自分の指紋を残し、趙新国(ジャオ・シングオ)のポケットに優秀社員バッジを忍ばせた。これは、過去に自殺を図ろうとした楊四(ヤン・スー)を趙新国(ジャオ・シングオ)が助けた恩返しだった。その後、孫蓉蓉(ソン・ロンロン)の墓に銃を隠し、関宇(グァン・ユー)に全てを自白し、雪松との面会を懇願する。
一方、林祥(リン・シアン)と連絡が取れず不安に駆られる王萍。事件前日の夜10時、寺で林祥(リン・シアン)と会っていた彼女は、既に雪松の件を片付けたという林祥(リン・シアン)の言葉を思い出す。瀾河に厳紅橋(ヤン・ホンチアオ)がいる限り、自分は成功できないと訴える王萍に、林祥(リン・シアン)は同意した。王萍は楊四(ヤン・スー)を利用しようと考えたが、実は彼が楊利佳(ヤン・リージア)であることを知る。かつて、厳紅橋(ヤン・ホンチアオ)の依頼で改革仮対派の劉建剛(リウ・ジエンガン)を始末しようとした楊利佳(ヤン・リージア)は、失敗し、地方の悪徳炭鉱で働くことに。そこで、スコップで殺害された本物の楊四(ヤン・スー)に出会い、身分を隠すため、自分の顔に楊四(ヤン・スー)と同じ傷をつけた。その後、強盗で服役し、出所後は王萍や厳紅橋(ヤン・ホンチアオ)とは会っていなかった。雪松の事件後、王山(ワン・シャン)を訪ねたところ暴行を受け、家を焼くと脅迫される。逃げる王山(ワン・シャン)の車を追いかける楊四。その車は、雪松の遺体を遺棄した帰りの王山(ワン・シャン)の車だった。
同じ頃、廖元(リアオ・ユエン)と周琪(ジョウ・チー)は、金珠花(ジン・ジューフア)の宿泊先を調べたところ、部屋中に松の枝があったという報告を受け、松林へ向かう。しかし、松林の中の小屋に到著するも、金珠花(ジン・ジューフア)が仕掛けた爆弾によって小屋は爆破される。金珠花(ジン・ジューフア)は林祥(リン・シアン)に街からの脱出を要求し、林祥(リン・シアン)は承諾するが、途中で彼女を騙して車から降ろし、車で轢き殺そうとする。知らせを聞いた王萍は泣きながら、林祥(リン・シャン)がいなければ今の自分はいないと訴え、林祥(リン・シャン)は残りの処理は自分が行うと慰める。林祥(リン・シャン)は金珠花(ジン・ジューフア)の遺体処理を指示する一方、海亜で馮根(フォン・ゲン)の殺害も手配し、麻暁静(マー・シャオジン)を見つけ出し、連れ去る。12月30日、警察は海亜で馮根(フォン・ゲン)を発見する。しかし、金珠花(ジン・ジューフア)は生きており、遺体処理に来た二人組の男に仮撃する。
第10話の感想
第10話は、様々な登場人物の思惑が複雑に絡み合い、息もつかせぬ展開でした。特に楊四の行動は、衝撃的でした。息子を思う父としての愛情が、彼を偽りの自白へと駆り立てたのです。趙新国(ジャオ・シングオ)への恩返しという行動も、彼の複雑な人間性を表しています。過去に自殺を図ろうとした経験、そして別人になりすまして生きてきたという事実は、彼の心に深い闇を刻んでいることを感じさせます。
王萍の焦燥感も印象的でした。林祥(リン・シャン)への依存、そして野心のために、彼女は危険な橋を渡り続けています。楊四を利用しようとする彼女の狡猾さも、物語に緊張感を与えています。
そして、林祥(リン・シャン)の冷酷さは、この物語の闇の深さを象徴しています。金珠花(ジン・ジューフア)を容赦なく排除しようとする姿は、彼の非情さを改めて見せつけました。馮根(フォン・ゲン)や麻暁静(マー・シャオジン)までも巻き込み、事態はますます混迷を極めていきます。
つづく