1990年の雨の夜、オンボロ小屋の前に一台のバスが停まり、数人の若者が降りてきました。楊利佳(ヤン・リージア)という若者は、二枚の身分証を握りしめていました。一枚は自分のもの、もう一枚は元妻と思われる女性の写真のものです。そこに顔に傷のある楊四(ヤン・スー)という男が現れ、楊利佳(ヤン・リージア)に話しかけます。その時、小屋から女性が飛び出し、息子に逃げるよう叫びますが、追いかけてきた男たちに捕まり、スコップで殴り倒されてしまいます。この光景を目の当たりにした若者たちはパニックになり、散り散りに逃げ出します。追っ手はスコップを振り回し追いかけ、混乱の中、楊利佳(ヤン・リージア)は楊四(ヤン・スー)の身分証を、楊四(ヤン・スー)はスコップの一撃を受け死亡します。

時は流れ2005年12月28日、事件現場で関宇(グァン・ユー)刑事は地面の血痕を見ながら、省庁から提供された硝煙仮応の検査結果から陳小明(チェン・シャオミン)が銃を発砲した可能性が高いと述べます。現場の状況分析から、厳紅橋(ヤン・ホンチアオ)には逃げる意思がなかったと推測し、行方不明の楊雪松(ヤン・シュエソン)と銃の捜索を続けます。関宇(グァン・ユー)は、楊雪松(ヤン・シュエソン)が陳小明(チェン・シャオミン)に銃を渡し、陳小明(チェン・シャオミン)が厳紅橋(ヤン・ホンチアオ)を殺害したか、もしくは楊雪松(ヤン・シュエソン)が陳小明(チェン・シャオミン)に銃を渡し、殺害を幇助したのではないかと考えます。

王牌電力会社のオフィスでは、王萍が馮根(フォン・ゲン)に、瀾河の上下全てが腐敗していると語り、今は馮根(フォン・ゲン)が出る幕ではないと諭します。紅橋(ホンチアオ)グループの安定は馮根(フォン・ゲン)の将来の権力掌握のためだと強調し、馮根(フォン・ゲン)は喜び、王萍の指示に従うと答えます。関宇(グァン・ユー)は上司に、銃を使ったのは楊四(ヤン・スー)ではなく、誰かを庇っている可能性があり、更なる捜査が必要だと報告します。楊雪松(ヤン・シュエソン)の行方が鍵となります。関宇(グァン・ユー)は楊四(ヤン・スー)の故郷である原化へ赴き調査を進める中で、楊四(ヤン・スー)の血液型が両親と一緻しないことを発見し、楊四(ヤン・スー)と楊雪松(ヤン・シュエソン)の関係に疑念を抱きます。

鍾意(ショウ・イ)はインターネットで楊雪松(ヤン・シュエソン)の情報を求める書き込みをし、偶然にも瀾河で趙という老人が水鬼に遭遇したという話を目にします。王山(ワン・シャン)はこの書き込みを見て動揺します。関宇(グァン・ユー)は趙に話を聞きに行き、趙は水中で1メートルほどの何かを見たと言います。

麻暁静(マー・シャオジン)は王山(ワン・シャン)に警察への出頭を何度も促しますが、王山(ワン・シャン)は拒否し続けます。麻暁静(マー・シャオジン)は馮根(フォン・ゲン)との食事中にこの件に触れ、王山(ワン・シャン)が臆病なので、もし口を開けば不利なことを喋ってしまうかもしれないから、出頭しないのも良いかもしれないと話します。馮根(フォン・ゲン)は、もし王山(ワン・シャン)が口を割れば、二度と喋れないようにしてやると言い放ちます。この言葉を部屋に入ろうとしていた王山(ワン・シャン)は聞いてしまいます。王山(ワン・シャン)は老鷂子(ラオ・ヤオズ)に助けを求めますが、そこに麻暁静(マー・シャオジン)もおり、もし恐れていることがあるなら自分で解決しろ、さもないとどうなるかわかっていると警告されます。

孫国良(スン・グオリャン)は馮根(フォン・ゲン)に近づきビジネスチャンスを得ようと、廖元(リアオ・ユエン)から銃の調査を依頼されていることを馮根(フォン・ゲン)に漏らします。交渉の末、馮根(フォン・ゲン)は孫国良(スン・グオリャン)の依頼を受け入れます。関宇(グァン・ユー)は同僚の周琪(ジョウ・チー)と共に楊四(ヤン・スー)の家を訪ねますが、そこには盲目の老女しかいませんでした。老女の協力で楊四(ヤン・スー)の写真を見つけますが、逮捕された「楊四(ヤン・スー)」は偽物だと判明します。

鍾意(ショウ・イ)は瀾河のほとりで焼き芋売りの女性に会い、最近金髪の男が川を覗き込んでいるという話を聞きます。鍾意(ショウ・イ)が王山(ワン・シャン)の写真を見せると、女性はその男が王山(ワン・シャン)だと確認します。孫国良(スン・グオリャン)はサウナで入浴中に停電に見舞われます。これは馮根(フォン・ゲン)の指示で洪兵(ホン・ビン)が仕組んだ報復でした。王萍は車内でラジオから瀾河県が市に昇格し、紅橋(ホンチアオ)グループと王牌建設が共同で瀾河沿岸の新区開発プロジェクトを行うというニュースを聞き、窓の外をじっと見つめます。

第5話の感想

第5話は、過去と現在が複雑に絡み合い、サスペンスフルな展開で一気に引き込まれました。1990年の事件の真相が少しずつ明らかになりつつありますが、誰が本当の楊四(ヤン・スー)なのか、楊利佳(ヤン・リージア)と楊四(ヤン・スー)の関係、そして事件の黒幕は誰なのか、謎は深まるばかりです。

特に印象的だったのは、楊四の血型が両親と一緻しないという事実です。これは楊雪松(ヤン・シュエソン)との関係だけでなく、楊四という人物そのものにも疑問を投げかける重要なポイントと言えるでしょう。楊雪松(ヤン・シュエソン)の行方は依然として不明ですが、彼が事件の鍵を握っていることは間違いなさそうです。

また、王山(ワン・シャン)を取り巻く状況も緊迫感を増しています。麻暁静(マー・シャオジン)と馮根(フォン・ゲン)の会話から、王山(ワン・シャン)が何らかの秘密を知っていることが示唆され、彼の身の危険がさらに高まっていると感じました。老鷂子(ラオ・ヤオズ)に助けを求めるも、麻暁静(マー・シャオジン)に釘を刺されるシーンは、王山(ワン・シャン)の追い詰められた状況を象徴的に表しています。

一方、関宇(グァン・ユー)の捜査も著実に進展しています。偽の楊四の存在が明らかになったことで、事件は新たな局面を迎えることになるでしょう。今後、関宇(グァン・ユー)がどのように真相に迫っていくのか、非常に楽しみです。

つづく