あらすじ

第一話では、王小石(おう しょうせき)が重要な白玉の箱を携え、細柳(さいりゅう)鎮で蘇夢枕(そむちん)を探し求める物語が描かれます。道中、語り部の歌を耳にした王小石(しょうせき)は、過去の江湖の恩怨を思い起こします。細柳鎮は再び騒乱に巻き込まれ、様々な英雄たちが箱を巡り激しい争奪戦を繰り広げます。混乱の中、王小石は溫柔(おんじゅう)と薛西神(せつせいしん)に出会います。薛西神は家族が脅迫されたことで裏切り、箱は一時的に失われてしまいます。しかし、王小石は知勇兼備の男。捕らわれた溫柔(おんじゅう)を救い出し、巧みに箱の秘密を守り抜きます。最終的に、彼は真の連絡役である白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)を見つけ、溫柔(おんじゅう)と共に都へ向かい、箱の中の秘密を無事に届けます。

ネタバレ

星空輝く夜、白髪の老人が木陰で楽器を奏で、古い歌を口ずさんでいた。馬に乗った王小石(おう しょうせき)は、その歌声に惹かれ足を止める。歌は、かつての友、そして宿敵たちの名を織り込んだ物語。今は皆、土に還っている。老人は王小石(おう しょうせき)の手にある木箱に気づき、中に何が入っているのか尋ねる。王小石(おう しょうせき)は木箱を一瞥し、「人生で最も大切な人だ」と答える。老人が奏でているのが「説英雄伝」の曲だと分かると、王小石(おう しょうせき)は満足げに旅を続ける。

十年前、江湖には多くの英雄がいた。中でも六分半(ろくぶはん)堂と金風細雨(きんぷうさいう)楼は特に有名だった。前者は利益を、後者は道義を重んじる。二大勢力はそれぞれ江湖の勢力図を分け合っていた。王小石(おう しょうせき)の師匠は天衣居士(てんいこじ)、許笑一(きょしょういつ)。ある日、許笑一(きょしょういつ)は王小石(おう しょうせき)に紅袖刀の蘇夢枕(そむちん)を探し、この木箱を渡すよう依頼する。金風細雨(きんぷうさいう)楼の未来を左右する重要な任務だった。

細柳(さいりゅう)鎮に著くと、町では蘇夢枕(そむちん)の物語が演じられていた。王小石(おう しょうせき)は見入っていたが、突然の大雨に見舞われる。雨宿りのために入った宿屋は、木箱を狙う屈強な男たちで溢れていた。

王小石(おう しょうせき)は周囲を見渡し、事前に約束した連絡先を探る。白い服の男に近づいた時、うっかり自分が海から来たことを漏らしてしまう。男たちは一斉に木箱を奪おうと襲いかかるが、その時、赤い服の女、温家の令嬢で蘇夢枕(そむちん)の師妹である溫柔(おんじゅう)が屋根から飛び降りてきた。激しい乱闘の末、王小石(おう しょうせき)と溫柔(おんじゅう)は隙を見て逃げ出す。

王小石(おう しょうせき)は溫柔(おんじゅう)と話をした後、先を急ごうとするが、白い服の男が再び現れ、木箱を渡すよう要求する。王小石(おう しょうせき)は共に歩み、共に栄光を掴もうと提案する。男は何も答えず立ち去る。その後、本当の連絡役である薛西神(せつせいしん)が現れる。

溫柔(おんじゅう)は金風細雨(きんぷうさいう)楼の継承について疑問を呈する。蘇伯伯が亡くなれば、蘇夢枕(そむちん)が継ぐべきではないのか、と。薛西神(せつせいしん)は、少楼主は名ばかりで、実権は香主(こうしゅ)にあるため、木箱が争奪戦の的になっていると説明する。王小石(おう しょうせき)は事を穏便に解決することを約束し、師の許笑一(きょしょういつ)から貰った花を薛西神(せつせいしん)に渡す。薛西神(せつせいしん)は木箱を自分が預かると申し出るが、溫柔(おんじゅう)は難色を示す。それでも王小石(しょうせき)は木箱を薛西神(せつせいしん)に預ける。

話しているうちに、溫柔(おんじゅう)は王小石(しょうせき)の体から発する薬草の香に引き寄せられ、毒にあたり倒れてしまう。王小石(しょうせき)は薛西神(せつせいしん)が出した水に毒が盛られていたことに気づく。幸い、自分は飲んでいなかった。後で、六分半(ろくぶはん)堂が薛西神(せつせいしん)の家族の安全を脅し、裏切らせたことが分かる。

夜遅く、溫柔(おんじゅう)は意識を取り戻し、木箱がなくなったことを知り焦る。しかし、王小石(しょうせき)は落ち著いており、彼女を町の灯籠祭りに連れて行く。鋭い感覚で木箱の場所を突き止め、戦闘が始まる。六分半(ろくぶはん)堂の雷純(らいじゅん)が王小石(しょうせき)を阻もうとするが、白い服の男がそれを阻止する。

混乱の中、王小石(しょうせき)は木箱を取り戻すが、溫柔(おんじゅう)が人質に取られる。師の教えを思い出し、王小石(しょうせき)は木箱を投げつけ注意をそらし、剣を抜いて溫柔(おんじゅう)を救出し、再び木箱を奪還する。帰る途中、木箱を奪おうとして重傷を負った薛西神(せつせいしん)に出会う。王小石(しょうせき)は彼を許そうとするが、薛西神(せつせいしん)は罪悪感から自害する。その後、王小石(しょうせき)は白い服の男に助けを感謝し、木箱を渡す。開けてみると木箱は空だった。王小石(しょうせき)は裏切りを予測し、大切なものは花瓶の中に隠していたのだ。

三人は森の中の墓地に連れて行かれ、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)と名乗る白い服の男と出会う。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は両親の墓に別れを告げ、王小石(しょうせき)、溫柔(おんじゅう)と共に京城へ向かう。旅の途中、彼らは語り部に出会う。溫柔(おんじゅう)は語り部に自分たちの物語を歌にしてほしいと頼み、語り部は快諾し、「驚天動地鬼見愁、蓋世無双小石(しょうせき)頭」と歌い上げる。

第1話の感想

「江湖英雄伝~HEROES~」第1話は、期待を裏切らないスリリングな展開で、あっという間に時間が過ぎました。冒頭、老人の歌声が流れるシーンは、これから始まる壮大な物語を予感させ、一気に作品の世界観に引き込まれました。王小石のクールな立ち振る舞いと、彼が抱える謎めいた木箱の秘密が今後の展開への興味をかき立てます。

特に印象的だったのは、宿屋での戦闘シーン。溫柔(おんじゅう)の登場は鮮烈で、赤い衣装と華麗なアクションはまさにヒロインの風格。限られた空間での攻防は緊張感に満ち溢れており、手に汗握る展開でした。王小石と溫柔(おんじゅう)の息の合った連携プレーも見ていて爽快でした。

また、物語の鍵となる木箱をめぐる争奪戦は、それぞれの思惑が複雑に絡み合い、先の読めない展開に目が離せません。薛西神(せつせいしん)の葛藤や、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の謎めいた行動など、脇を固めるキャラクターたちも魅力的で、今後の物語にどのように関わってくるのか期待が高まります。

つづく