あらすじ
第十一話では、関龍嘯青を救出しようとする石琇(せきしゅう)が朱小腰(しゅしょうよう)と出会い、共に六分半(ろくぶはん)堂の敵に立ち向かう様子が描かれています。朱小腰(しゅしょうよう)は実は金風細雨(きんぷうさいう)楼の弓の名手で、非凡な武芸の腕前を披露します。一方、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は李念堂(りねんどう)の暗殺に成功するも、逃走中に六分半堂の手下によって網に捕らえられてしまいます。しかし、謎の紫の衣を纏った人物に助けられ、窮地を脱します。蘇夢枕(そむちん)は追われていた龍八を救い、共に六分半堂の包囲網に立ち向かうことを決意します。最終的に、刑部の手勢が到着する前に、両者は一時休戦に至ります。
また、石琇と溫柔(おんじゅう)の仲は更に進展を見せ、白愁飛の芸術作品は雷純(らいじゅん)によって高値で買い取られます。しかし、蘇夢枕(そむちん)と雷損(らいそん)の会談は物別れに終わり、今後の衝突を予感させます。
ネタバレ
小石(しょうせき)は龍嘯青を助け出すため牢へ向かうが、そこで賞金稼ぎの朱小腰(しゅしょうよう)と鉢合わせする。小石(しょうせき)は危険だからと立ち去るよう促すが、朱小腰(しゅしょうよう)は聞き入れず、逆に小石(しょうせき)の身を案じる。その時、雷恨(らいこん)が異変を察知し牢を出ていく。小石(しょうせき)は機と見て龍嘯青を救出しようとするが、彼が六分半(ろくぶはん)堂の人間だと知る。そこへ雷恨(らいこん)が戻り、牢の扉を閉めてしまう。
激しい戦闘の中、小石(しょうせき)は朱小腰(しゅしょうよう)を守る。小石(しょうせき)は雷恨(らいこん)を負傷させるも、別の敵に背後から襲われそうになるが、朱小腰(しゅしょうよう)がこれを防ぐ。小石(しょうせき)は、か弱いと思っていた朱小腰(しゅしょうよう)が武芸の達人だと知り驚く。彼女は金風細雨(きんぷうさいう)楼の弓手で、蘇夢枕(そむちん)の護衛だと明かす。龍嘯青を救出した朱小腰(しゅしょうよう)は、小石(しょうせき)に扉を開ける代わりに一夜を共にするよう要求し、困惑する小石(しょうせき)をからかう。
一方、李念堂(りねんどう)は二人の部下に持ち上げられ、上機嫌で酒を飲んでいた。その時、部下二人が突如倒れ、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)が現れる。李念堂(りねんどう)は白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)を館内に誘い込み、六分半(ろくぶはん)堂の刺客で包囲する。しかし白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は敵を次々と倒し、逃げる李念堂(りねんどう)を追い詰め、殺害する。だが、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は上から落とされた網に捕らえられる。危機一髪、紫の服の人物が現れ、敵を倒して去っていく。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)はその人物の顔を見ることができなかった。
金風細雨(きんぷうさいう)楼は北方の取引の情報を得て、蘇夢枕(そむちん)は行動を開始する。道中、六分半(ろくぶはん)堂に追われる龍八を救出し、小石(しょうせき)、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)と合流する。追ってきた六分半(ろくぶはん)堂は攻撃せず、夜明けを待つ。蘇夢枕(そむちん)は、夜間は刑部の巡回がないが、夜が明けると雷損(らいそん)でさえも公然と殺人はできないと説明する。
蘇夢枕(そむちん)は龍八と共に脱出することを提案する。三人だけでも容易に逃げられるが、龍八を見捨てることはできない。六分半(ろくぶはん)堂は龍八の仲間の首を投げつけ、龍八は悲しみに暮れる。夜が明け、戦闘が始まる。間もなく刑部が到著し、戦闘は中断される。
その後、小石(しょうせき)は朱小腰(しゅしょうよう)との関係に悩む。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の助言で朱小腰(しゅしょうよう)と話をするが、上手くいかず、溫柔(おんじゅう)に間に入ってもらう。小石(しょうせき)は誤解を解きたいだけだと溫柔(おんじゅう)に説明するが、溫柔(おんじゅう)は既に全てを知っていると告げる。
会話の中で、小石は自分の剣が「挽留(ばんりゅう)剣」で、一度抜けばその相手と縁が切れないと話す。溫柔(おんじゅう)は細柳(さいりゅう)鎮で小石が自分のために剣を抜いたことを思い出す。二人は見つめ合い、互いの気持ちを確認する。翌日、二人は茶花(さか)婆婆(ばあば)と夫子(ふうし)を訪ね、帰り道、小石は溫柔(おんじゅう)の手を取り楼閣に駆け上がる。茶花(さか)婆婆(ばあば)と夫子(ふうし)が支え合う姿を見て、二人は顔を見合わせる。
目が見えない茶花(さか)婆婆(ばあば)だが、二人の視線を感じ取る。小石と溫柔(おんじゅう)だと分かると、溫柔(おんじゅう)を良い娘だと褒める。夫子(ふうし)も小石を立派だと認める。小石が以前言った「剣を提げて人を殺す者がいるなら、血を浴びて道を問う者もいる」という言葉が、夫子(ふうし)に大侠方歌吟(ほうかぎん)の物語を思い出させる。
一方、王二(おうじ)は高値で絵が売れたと白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)に報告する。しかし、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は買い手が雷純(らいじゅん)だとは知らない。蘇夢枕(そむちん)は雷損(らいそん)と会談するが、意見が合わず物別れに終わる。
第11話の感想
第11話は、小石と溫柔(おんじゅう)のロマンスが大きく進展する一方で、金風細雨(きんぷうさいう)楼と六分半(ろくぶはん)堂の対立が深まる重要なエピソードでした。小石と朱小腰(しゅしょうよう)のコミカルなやり取りは、緊迫した物語の中で良い息抜きとなっています。朱小腰(しゅしょうよう)の茶目っ気と小石の不器用さが際立ち、二人の関係性が面白く描かれていました。しかし、小石が本当に想いを寄せているのは溫柔(おんじゅう)であり、挽留(ばんりゅう)剣の逸話が二人の距離を一気に縮めました。細柳(さいりゅう)鎮での出来事を溫柔(おんじゅう)が覚えていたという展開は、二人の絆を感じさせ、見ているこちらも温かい気持ちになりました。
一方、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の活躍も見逃せません。李念堂(りねんどう)を単身で倒すシーンは、彼の冷酷さと強さを改めて印象付けました。しかし、謎の紫の服の人物の登場は、今後の展開に大きく関わる伏線となりそうです。この人物は一体誰なのか、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)とどのような関係があるのか、非常に気になります。
金風細雨(きんぷうさいう)楼と六分半(ろくぶはん)堂の対立は、いよいよ激化してきました。夜明けを待つという蘇夢枕(そむちん)の判断は、彼の冷静さと知略を示しています。龍八の悲劇的なシーンは、この抗争の残酷さを改めて浮き彫りにしました。
つづく