あらすじ

第12話は、様々な登場人物たちの交流と衝突を描いています。雷純(らいじゅん)と蘇夢枕(そむちん)は互いに贈り物をするのですが、雷純(らいじゅん)は門の外の壊れた提灯という些細な出来事に不安を覚えます。これは、これから起こる不吉な出来事を暗示しているかのようです。蘇夢枕(そむちん)は、いずれ雷損(らいそん)と衝突するであろう未来と、雷純(らいじゅん)への対応に思い悩んでいます。

一方、小石(しょうせき)と溫柔(おんじゅう)は傅宗書(ふそうしょ)を懲らしめようと待ち伏せしますが、失敗に終わります。それどころか、溫柔(おんじゅう)を「お嫁さん」と呼ぶ方応看(ほうおうかん)に出くわし、小石(しょうせき)は彼の策略によって翻弄され、挙句の果てには溫柔(おんじゅう)の香袋まで盗まれてしまいます。雷媚(らいび)は北方の商売を引き継ぐにあたり、雷損(らいそん)の条件を呑まなければならず、板挟みの状態に陥っています。

方応看(ほうおうかん)は義父である元十三限(げんじゅうさんげん)に会おうとしますが、拒絶されます。元十三限(げんじゅうさんげん)は彼に、京での出来事には干渉しないよう警告します。方応看(ほうおうかん)と小石(しょうせき)は香袋のことで口論になり、最終的に小石(しょうせき)は井戸に落とされてしまいます。そこで小石(しょうせき)は、雷損(らいそん)に濡れ衣を着せられ、長年閉じ込められていたと語る人物に出会います。この人物の出現は、雷損(らいそん)の隠された秘密をさらに明らかにし、今後の展開への伏線を張っています。

ネタバレ

蘇夢枕(そむちん)は雷純(らいじゅん)から贈られた書画に対し、北方の土産の暖玉を返した。雷純(らいじゅん)は屋敷を出る際、破れた提灯を見つけ、不吉に思い新しいものに取り換えさせた。蘇夢枕(そむちん)は、雷損(らいそん)との決闘を控え、雷純(らいじゅん)への思いに複雑な胸中を覚える。

一方、小石(しょうせき)は傅宗書(ふそうしょ)の居場所を突き止め、溫柔(おんじゅう)と共に待ち伏せ、懲らしめる機会を伺っていた。傅宗書(ふそうしょ)が現れると、小石(しょうせき)は顔を隠し板磚を手に襲いかかる。その後、二人は楽しそうに市場を散策する。突然、助けを求める声が聞こえ、小石(しょうせき)は躊躇なく水に飛び込んだ。しかし、溺れていたのは方応看(ほうおうかん)で、彼は何事もなかったかのように立ち上がり、伸びをした。騙されたと気づいた小石(しょうせき)は怒って立ち去ろうとするが、伶人たちに囲まれてしまう。溫柔(おんじゅう)は怒鳴りつけ、小石(しょうせき)を解放させた。方応看(ほうおうかん)は溫柔(おんじゅう)に気づき、「娘子」と呼びかける。洛陽で溫柔(おんじゅう)の父と知り合い、姻戚関係を結んでいたのだ。溫柔(おんじゅう)は無視して去ろうとするが、方応看(ほうおうかん)は地面に寝転び、水を運ばせ足を浸け、「足を洗う」と言い放つ。溫柔(おんじゅう)は怒って水盤を蹴り倒し、小石(しょうせき)と共に立ち去る。しばらく歩くと、溫柔(おんじゅう)は香袋がないことに気づく。方応看(ほうおうかん)は彼女の香袋を手に、得意げに街を歩いていた。

雷媚(らいび)は北方の商売を仕切りたがっているが、雷損(らいそん)は故郷に戻り、父の残した五人の高手たちを連れてくるよう要求する。霹靂(へきれき)堂は父の心血であるため、雷媚(らいび)は簡単に承諾したくない。狄飛驚(てきひきょう)は、雷損(らいそん)の要求に従わなければ深刻な事態になると忠告する。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は雷媚(らいび)を酒に誘い、先日のもてなしに感謝しつつ、拒否する勇気を持つよう諭す。雷媚(らいび)は常に雲の上にあるものを追い求め、機会があれば決して諦めないため、普段は何も拒否しない。しかし、今回は迷っていた。

方応看(ほうおうかん)は官服を著て元十三限(げんじゅうさんげん)を訪ね、義父に会おうとするが拒否される。元十三限(げんじゅうさんげん)は最近の京の騒がしさについて語り、関わるなと忠告し、暇なら書画を宰相に献上しろと言う。

方応看(ほうおうかん)は溫柔(おんじゅう)に手紙を送り、香袋を盗んだことを認める。激怒した溫柔(おんじゅう)は方応看(ほうおうかん)に仕返しに行こうとするが、小石(しょうせき)に止められる。小石(しょうせき)は新しい香袋を買おうと街へ出る。途中で方応看(ほうおうかん)に遭遇し、香袋を返すよう要求するが、方応看(ほうおうかん)は拒否する。口論の末、方応看(ほうおうかん)は香袋を井戸に投げ捨てる。小石(しょうせき)は井戸に飛び降りるが、方応看(ほうおうかん)は井戸に蓋をする。そこは六分半(ろくぶはん)堂の縄張りで、周囲は既に方応看(ほうおうかん)の手下によって製圧されており、小石(しょうせき)には脱出まで半刻の時間しかない。

井戸の底で、小石(しょうせき)は雷損(らいそん)に囚われていた男と出会う。男は背中の鉤を外してくれと頼み、ここの骸骨は全て雷損(らいそん)の仕業だと語る。井戸に水が流れ込み始め、すぐに水没してしまう。小石(しょうせき)が鉤を外すと、男は井戸を飛び出し逃走する。小石は動けなくなった男を背負って脱出する。見張りは既に誰かに気絶させられていた。井戸の囚人脱走の報を聞いた雷損(らいそん)は、すぐに追手を差し向ける。方応看(ほうおうかん)は屋根の上からその様子を眺めていた。

第12話の感想

第12話は、それぞれの思惑が交錯し、緊張感が高まる展開でした。蘇夢枕(そむちん)と雷純(らいじゅん)の穏やかなやり取りの中に潜む、雷損(らいそん)との決闘への不安。二人の未来がどうなるのか、心配になります。

小石と溫柔(おんじゅう)のコミカルなシーンは、物語に息抜きを与えてくれます。しかし、方応看(ほうおうかん)の登場により、事態は急変。彼の軽薄な言動と狡猾な行動は、見ていて腹立たしい限りです。溫柔(おんじゅう)との因縁、そして小石との対立は、今後どのように展開していくのでしょうか。特に香嚢を井戸に捨てるシーンは、方応看(ほうおうかん)の残酷さを際立たせていました。小石が井戸の底で出会った謎の人物も気になります。雷損(らいそん)の秘密に関わっているようで、今後の物語の鍵を握っている可能性があります。

雷媚(らいび)は、難しい選択を迫られています。父の遺産である霹靂(へきれき)堂を守りたい気持ちと、雷損(らいそん)の要求に応えなければならない現実の間で葛藤する姿は、彼女の苦悩を深く感じさせます。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の言葉が、彼女の決断にどう影響するのか注目したいです。

方応看(ほうおうかん)と元十三限(げんじゅうさんげん)の会話は、今後の展開を闇示しているように感じます。京の騒動に絡んでくるのか、それとも別の思惑があるのか、彼の行動は読めません。

つづく