あらすじ
第十三話は、小石(しょうせき)が救出した謎の人物、関七(かんしち)の正体とその過去にまつわる因縁を中心に描かれています。関七は武芸の達人で、恐れられる存在でしたが、かつて信頼していた兄弟分、顔鶴髪(がんかくはつ)の裏切りによって投獄されていました。出獄後、復讐に燃える関七は、顔鶴髪一家を皆殺しにしたばかりか、小石の命までも脅かすようになります。小石は関七の暴挙を止めようとしますが、返り討ちに遭ってしまいます。関七は雷損(らいそん)との血縁関係、そして己の利益のために雷損が自分を陥れた事実を明かします。一方、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)はこの一件を巧みに利用し、雷損と関七の関係を暴露することで、六分半(ろくぶはん)堂を窮地に追い込みます。また、小石を探し求める溫柔(おんじゅう)は、相撲の試合に出場することを余儀なくされますが、持ち前の根性で勝利を収めます。最後に、関七は小石を傅宗書(ふそうしょ)のもとへ送り届け、爆破装置で傅宗書を殺害しようと企みますが、小石は間一髪で難を逃れ、関七は傅宗書と直接対決することになります。
ネタバレ
小石(しょうせき)は井戸から出た後、男を連れ麺屋へ。男は京城に友人が二人いるが、まだいるか分からないと話す。小石(しょうせき)は捜索の手伝いを申し出るが、六分半(ろくぶはん)堂が現れる。小石(しょうせき)はテーブルを壊した代金として銭を置いて立ち去る。狄飛驚(てきひきょう)が駆けつけた時には、既に二人は姿を消していた。
男の名は関七(かんしち)。武芸の達人で、六分半(ろくぶはん)堂さえ恐れる存在。小石(しょうせき)は細雨楼の人間であり、関七(かんしち)と行動を共にしているのは細雨楼と関係があるに違いない。しかし、狄飛驚(てきひきょう)は細雨楼が未だ動いていないことを不審に思う。雷損(らいそん)はこの機に細雨楼に罪をなすりつけようと画策する。
小石(しょうせき)と関七(かんしち)は郊外の屋敷へ。子供が開けた扉の先で、迷天盟の顔鶴髪(がんかくはつ)は関七(かんしち)を見て恐怖に慄き、倒れ込む。妻が物音に気づき出てくると、息子、顔開(がんかい)を呼ぶが、関七(かんしち)は顔開(がんかい)を捕らえ殺害する。泣き叫ぶ妻もまた関七(かんしち)に殺される。ここで小石(しょうせき)は自分が救ったのは殺人鬼だと気付く。止めようとするが、一撃で吹き飛ばされ気を失う。
目を覚ました小石(しょうせき)に、関七(かんしち)は井戸の中の死体も子供の話も全て嘘だったと告白する。かつて兄弟分として迷天盟の大聖主の座に就けた顔鶴髪(がんかくはつ)が、傅宗書(ふそうしょ)と雷損(らいそん)に自分の居場所を密告したのだと言う。森の奥で愛刀を見つけ出した関七(かんしち)は、顔鶴髪(がんかくはつ)を拷問の末殺害した。そこに細雨楼の手下が現れる。小石(しょうせき)は殺戮を止めるよう懇願し、傅宗書(ふそうしょ)を殺すことを提案する。関七(かんしち)は面白がるが、細雨楼の手下を斬り殺してしまう。
傅宗書(ふそうしょ)は以前から雷損(らいそん)に関七(かんしち)を殺すよう命じていたが、妻の弟であるため井戸に閉じ込めていた。関七(かんしち)の脱獄を知り激怒する傅宗書(ふそうしょ)は、動揺を隠せない。事態は細雨楼にも伝わり、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は雷損(らいそん)から浴びせられた汚水を投げ返す策を講じる。
刑部が兵を率いて細雨楼へ。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は小石(しょうせき)の居場所を知っていると告げ、自ら手錠と足枷をはめられる。刑部を率いて六分半(ろくぶはん)堂へ乗り込み、小石(しょうせき)は雷損(らいそん)に唆されたのだと主張し、雷損(らいそん)と関七(かんしち)が親戚であることを暴露する。刑部は口封じのために殺そうとするが、雷純(らいじゅん)が現れ、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は自分の人間だと庇う。狄飛驚(てきひきょう)の説得もあり、雷損(らいそん)は武器を下ろす。蘇夢枕(そむちん)は狄飛驚(てきひきょう)から事情を聞き、六分半(ろくぶはん)堂との協力を提案する。
溫柔(おんじゅう)は小石(しょうせき)の部屋で手紙を見つけ、方応看(ほうおうかん)の元へ。方応看(ほうおうかん)は小石(しょうせき)の居場所を知っていると告げるが、溫柔(おんじゅう)にある事を頼む。瓦舎へ連れ出された溫柔(おんじゅう)は、相撲の試合に出場させられる。嫌がる溫柔(おんじゅう)だが、小石のため仕方なく承諾する。土俵の上で何度も投げ飛ばされるが、諦めずに戦い続け、ついに勝利する。
関七は小石を棺桶に入れ、傅宗書(ふそうしょ)の屋敷へ運ぶ。棺桶を開けた兵士は、小石の体に爆薬が巻き付けられているのを見て凍りつく。小石は水甕に飛び込み爆発を免れる。物音に気づき逃げ出した傅宗書(ふそうしょ)は、関七と対峙することとなる。
第13話の感想
第13話は、息もつかせぬ展開で、まさに手に汗握る回でした。関七の残虐性と小石の優しさの対比が際立ち、見ていて心が痛む場面も多かったです。特に、顔鶴髪(がんかくはつ)一家が殺害されるシーンは、目を覆いたくなるほどの残酷さでした。関七の歪んだ正義感と、過去の裏切りに対する復讐心は理解できるものの、その行動は決して許されるものではありません。小石が必死に止めようとする姿が、より一層悲劇性を際立たせていました。
一方、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の機転と行動力は、今回も光っていました。雷損(らいそん)の策略を逆手に取り、六分半(ろくぶはん)堂を窮地に追い込む様は見事でした。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は冷酷な一面も持ち合わせていますが、細雨楼を守るためには手段を選ばない強い意誌を感じます。そして、そんな白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)に翻弄される雷損(らいそん)の姿は、どこか滑稽にも見えます。
また、溫柔(おんじゅう)の相撲シーンは、意外ながらも印象的な場面でした。愛する小石のため、苦手な相撲に挑む彼女の健気な姿には心を打たれました。普段は控えめな溫柔(おんじゅう)ですが、内に秘めた強さを感じさせるシーンでした。
つづく