あらすじ

第十八話は、雷損(らいそん)が雷純(らいじゅん)を連れて蘇遮幕(そしゃばく)を訪ね、両家の縁組を提案する場面から始まります。そこで雷純(らいじゅん)は紅衣の若者、蘇夢枕(そむちん)に出会い、二人は互いに惹かれ合います。蘇夢枕(そむちん)は雷純を守るため、迷天盟の人間を殺害し、その功績から雷純は彼に「蘇夢枕紅袖第一刀」という名を贈ります。

一方、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は雷純が自分の書画を買っていたのが実は蘇夢枕のためだったと知り、落胆します。しかし、同時に雷純への想いはより一層深まります。

雷損と方応看(ほうおうかん)の対立は激化し、雷損は方応看(ほうおうかん)に六分半(ろくぶはん)堂の利益を侵害しないよう警告します。また、雷損は霹靂(へきれき)堂の五人の高手が雷媚(らいび)に招かれてやって来たことを知ります。雷媚は北方の商売を乗っ取ろうと企んでいたのです。

蘇夢枕と雷純の関係は、六分半堂と細雨楼が関七(かんしち)に対抗するために協力するという複雑な状況に直面します。白愁飛は愛情と派閥争いの間で葛藤しますが、最終的には雷損に対抗することを決意します。

ネタバレ

昔、雷損(らいそん)は娘の雷純(らいじゅん)を連れて蘇遮幕(そしゃばく)に会い、両家の縁談を持ちかけた。その際、雷純(らいじゅん)は赤い服を著た病弱な少年に心を奪われ、彼に果物菓子を贈った。すると迷天盟が現れ雷純(らいじゅん)を連れ去ろうとしたが、少年は身を挺して雷純(らいじゅん)を守り、人質となった。雷純(らいじゅん)はこっそり少年の後をつけ、彼が敵を鮮やかに倒すのを目撃する。少年は血を見ることを恐れる雷純(らいじゅん)の目を覆い、自分の刀「紅袖刀」を見せた。雷純(らいじゅん)は刀に触れ、少年を「蘇夢枕(そむちん)紅袖第一刀」と名付けた。

一方、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は細雨楼に戻り、自分の書画が蘇夢枕(そむちん)の部屋に飾られているのを見て、雷純(らいじゅん)が自分の書画を買ったのは蘇夢枕(そむちん)のためだと悟る。失意と嫉妬に駆られ、涙を流す白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)。背後には蘇夢枕(そむちん)の声が聞こえ、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は必死に平静を装う。小石(しょうせき)と溫柔(おんじゅう)と酒を酌み交わしながら、雷純(らいじゅん)が好きなのは蘇夢枕(そむちん)だと打ち明ける。溫柔(おんじゅう)は蘇夢枕(そむちん)と雷純(らいじゅん)の婚約は知っていたが、江辺で会った田純(でんじゅん)が雷純(らいじゅん)だとは気づかなかった。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の深い想いを察し、小石(しょうせき)は恋は無理強いできないと慰める。翌日、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は梅を買って一粒食べ、意味深な笑みを浮かべて梅を道に捨てる。

雷損(らいそん)は方応看(ほうおうかん)が関七(かんしち)を逃がしたことを知り、彼と会う。腹を探り合う会話の後、雷損(らいそん)は六分半(ろくぶはん)堂の利益を侵害すれば秘密を暴露すると警告する。方応看(ほうおうかん)は今はまだ力不足と悟り、従う姿勢を見せるが、雷損(らいそん)の前を離れると、険しい表情で新たな企みを思案する。

雷損(らいそん)は最近の江湖の騒動は方応看(ほうおうかん)の出世欲が原因だと考え、有橋集団の席は限られており、誰かが上に行けば誰かが落ちる、と推測する。狄飛驚(てきひきょう)は森の中で霹靂(へきれき)堂の五高手たちに囲まれる。同時に、雷媚(らいび)は六分半(ろくぶはん)堂に戻り、五高手を見つけたことを雷損(らいそん)に報告し、北方の商売を任されることを望み、雷損(らいそん)から鍵を受け取る。

雷純(らいじゅん)は蘇夢枕(そむちん)を幸せそうに見つめ、六分半(ろくぶはん)堂と細雨楼の協力関係が続けば、堂々と一緒にいられると願う。しかし、蘇夢枕(そむちん)は不安げな表情を浮かべ、雷純(らいじゅん)を抱きしめ、この幸せな時間が失われることを恐れる。

白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は落ち込んだ様子で、全ての書画を王二(おうじ)に譲る。外に出ると方応看(ほうおうかん)に会い、酒楼に誘われる。方応看(ほうおうかん)は侯爵でありながら実権がなく、軽んじられていると愚痴をこぼす。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は自身の境遇と重ね合わせ、共感する。小石(しょうせき)は買い物に出かけた際に小双(しょうそう)と出会い、小双(しょうそう)が関七(かんしち)の墓参りに行くことを知り、同行する。

細雨楼の動きを知った雷損(らいそん)は北方の商売への影響を懸念し、夜陰に紛れて残りの物資を移動させる。雷媚(らいび)も同行する。この動きを察知した白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は、仲間と共に奇襲を仕掛けようと準備を進める。

第18話の感想

第18話は、それぞれのキャラクターの想いが交錯し、今後の展開がますます気になるエピソードでした。特に印象的なのは、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の切ない恋心と、蘇夢枕(そむちん)と雷純(らいじゅん)の儚い幸せです。

白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は、雷純(らいじゅん)への想いを諦めきれず、苦悩する姿が胸を締め付けます。自分の書画が蘇夢枕(そむちん)のために買われていたと知った時の落胆ぶり、そして梅を道に捨てるシーンからは、彼の深い悲しみと諦めきれない気持ちが伝わってきました。一方、蘇夢枕(そむちん)と雷純(らいじゅん)は、互いを想い合い、幸せな時間を過ごしていますが、その背後には不穏な影が潜んでいます。二人の未来がどうなるのか、不安を抱かずにはいられません。

また、方応看(ほうおうかん)の闇躍も物語に緊張感を与えています。雷損(らいそん)との駆け引き、そして白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)への接近は、今後の波乱を予感させます。彼は何を企んでいるのか、彼の行動が江湖にどのような影響を与えるのか、注目すべき点です。

つづく