あらすじ

第十九話は、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)が独断で兄弟分を率いて六分半(ろくぶはん)堂の倉庫を襲撃するも、空振りに終わる様子を描いています。その後、霹靂(へきれき)堂の高手たちに待ち伏せされ、撃退には成功するものの、白愁飛は体力を使い果たしてしまいます。そこへ蘇夢枕(そむちん)が駆けつけ、これが六分半堂の罠であったことを明かします。

一方、雷媚(らいび)は父の仇を討つため、六分半堂の内部情報を蘇夢枕(そむちん)に提供します。雷損(らいそん)は火雷製造所の破壊を受け、雷媚を疑いますが、彼女の弁明を受け入れ、疑いを解きます。

また、白愁飛と蘇夢枕は方応看(ほうおうかん)への対応で意見が対立します。白愁飛は目的達成のための方応看(ほうおうかん)との協力を肯定的に捉える一方、蘇夢枕は互いに利用し合う関係だと考えています。

最後に、今回の事件で有橋グループから叱責を受けた雷損は、蘇夢枕への怒りを募らせます。両者の対立が深まる中、傅宗書(ふそうしょ)は事態の収拾のため、蘇夢枕の排除を提案します。

ネタバレ

異変を察知した雷損(らいそん)は、すぐさま車を降り、部下に退却を指示した。一方、細雨楼は六分半(ろくぶはん)堂が今夜荷物を移動させるという情報を得ていた。楊無邪(ようむじゃ)が急いで出発したが、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)が独断で兄弟分たちを率いて行動を起こしたことを知って驚く。蘇夢枕(そむちん)は白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の身に何かあったらと心配し、自ら様子を見に行くことに決め、楊無邪(ようむじゃ)には六分半(ろくぶはん)堂の荷物を爆破するよう指示した。

白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は兄弟分たちを引き連れ目的地に到著したが、月明かりのない闇夜の中、見張りは一人もいなかった。偵察を進言する者もいたが、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)はそれを却下した。一行は難なく小屋に入り、多くの箱を発見するが、開けてみると中は空っぽだった。一人が小道を見つけ、そこを進んでいくと、またしても無人の小屋があった。小屋の中を調べると、大量の硫黄と木炭の粉が見つかった。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は無駄足ではなかったと喜びを感じたが、これが六分半(ろくぶはん)堂の罠であることにはまだ気づいていなかった。

白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の武功は決して低くはないが、襲ってきたのは霹靂(へきれき)堂の五大高手だった。数合交えた後、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は劣勢に立たされるも、なんとか五人を倒す。狄飛驚(てきひきょう)が駆けつけた時には、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は既に力尽きていた。危機一髪の時、蘇夢枕(そむちん)が到著する。狄飛驚(てきひきょう)は蘇夢枕(そむちん)には敵わないと悟り、剣を収めて立ち去った。

雷損(らいそん)は一人で屋台へ向かい、小石(しょうせき)が一人で座っているのを見つける。雷損(らいそん)は茶を酒の代わりに、「友人」である関七(かんしち)を解放してくれたことに感謝の意を表した。口では感謝を述べているものの、小石(しょうせき)は雷損(らいそん)の目に殺気を感じていた。二人は茶碗を回し、気功を数回ぶつけ合う。小石(しょうせき)は雷損(らいそん)に及ばないと悟り、茶を飲み幹した。

雷損(らいそん)は雷媚(らいび)と共に火雷製造の秘密の部屋に戻り、すぐに移動することを決断する。そして、職人たちを一人も生かしておくことはできないと告げる。雷媚(らいび)が同情を示すと、雷損(らいそん)は彼女の耳元で、職人たちは耳が聞こえず口もきけない、もし細かい作業をしていなければ、目もくり抜かれていただろうと囁いた。静かな夜に突然轟音が響き渡り、闇い空が燃え盛る炎に照らされた。雷損(らいそん)は激怒し、「終わった、終わった」と繰り返す。全てを思い返すと、雷損(らいそん)は雷媚(らいび)を疑う。しかし、雷媚(らいび)は理路整然とした説明をし、さらに彼女の涙を浮かべた無垢な様子を見て、雷損(らいそん)はその疑いを捨てた。蘇夢枕(そむちん)はひそかに寺院を訪れ、そこで雷媚(らいび)と会う。実は、細雨楼に情報を流したのは雷媚(らいび)で、彼女は父と霹靂(へきれき)堂の復讐を企んでいたのだ。

江湖では、誰の言葉も信用できない。ましてや方応看(ほうおうかん)のような底知れない人物であればなおさらだ。蘇夢枕(そむちん)は、自分が方応看(ほうおうかん)とはっきり断ったにもかかわらず、なぜ白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)が彼と手を組むのか理解できなかった。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は、方応看(ほうおうかん)は雷損(らいそん)と有橋集團を倒そうとしており、目的が一緻しているのだから協力しても良いと考えていた。蘇夢枕(そむちん)は白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)を睨みつけ、彼の言い訳を見破る。それは協力ではなく、互いに利用し合っているだけだと指摘する。しかし、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は自分の非を認めず、目的を達成するためには互いに利用することもやむを得ないと主張する。議論の末、白愁飛はついに本音を吐露し、自分は細雨楼の副楼主でありながら実権がないことを明かす。大業を成し遂げるためには、犠牲はやむを得ないと考えているのだ。二人の意見は合わず、最後は不愉快なまま別れた。

今回のような大きな事件が起こり、有橋集團は罪を被せる人物を見つけなければならなかった。そして、その人選は雷損(らいそん)に決まった。傅宗書(ふそうしょ)は雷損を傲慢に責め立てるが、雷損も簡単に引き下がるような相手ではない。彼の手には傅宗書(ふそうしょ)の弱みも握られていた。傅宗書(ふそうしょ)は慌てて丞相に状況を報告し、蘇夢枕(そむちん)を殺し、金風細雨(きんぷうさいう)楼を滅ぼすことを提案した。

第19話の感想

第19話は、様々な思惑が交錯し、緊張感あふれる展開でした。白愁飛の罠にかかったと思われた六分半(ろくぶはん)堂の貨物が実は空で、さらに霹靂(へきれき)堂の高手が待ち伏せしていたというどんでん返しは、見ている側も息を呑む展開でした。白愁飛の武功の高さは改めて示されましたが、同時に彼の短慮さも露呈したと言えるでしょう。蘇夢枕(そむちん)の登場は、白愁飛だけでなく視聴者も安堵させたのではないでしょうか。

雷損と小石(しょうせき)の静かな対決も見応えがありました。言葉少なに、茶碗を回しながらの気功の応酬は、二人の間の緊張感と力関係を鮮やかに描き出していました。雷損の冷酷さと小石(しょうせき)の諦念が対照的で、印象に残るシーンです。

そして、雷媚(らいび)の裏切り。父と霹靂(へきれき)堂への復讐心は理解できますが、その行動が今後の展開にどのような影響を与えるのか、非常に気になります。蘇夢枕(そむちん)との密会は、今後の物語の鍵を握っていると言えるでしょう。

最後に、蘇夢枕(そむちん)と白愁飛の対立。互いの正義がぶつかり合い、分かり合えない二人の姿は、江湖の非情さを象徴しているようでした。白愁飛の野心と焦りが、今後の細雨楼にどのような変化をもたらすのか、目が離せません。全体的に、先の読めない展開に引き込まれる、非常に濃い内容のエピソードでした。

つづく