あらすじ

第二話では、蘇夢枕(そむちん)が宋遼国境で敵軍の首領を討ち取り、楊無邪(ようむじゃ)と合流する場面から始まります。二人は楊(よう)将軍の遺体を守り抜くことを誓い、都へと向かいます。道中、薛西神(せつせいしん)の死と花無錯(かむさく)による楼主の座を狙う動きを知った蘇夢枕(そむちん)は、急ぎ都へ入ることを決意します。三人は碼頭に到着し、琴の音を合図に雷純(らいじゅん)が用意した大船に乗り込みます。船上では、雷純(らいじゅん)が重要な匣を難なく手に入れ、総堂の計画を知ると、配下の者天仇(しゃてんしゅう)を水中に投げ捨てます。夜のとばりが下りた金風細雨(きんぷうさいう)楼では、花無錯が蘇遮慕(そしゃぼ)の追及を受け、かつて六分半(ろくぶはん)堂の臥底であったことを白状します。同時に、匣の中の名单が自身を救うと同時に破滅させる可能性も秘めていることを知ります。翌日、蘇夢枕は苦水鋪で小石(しょうせき)と白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)に再会します。溫柔(おんじゅう)は自分が追い出されることを恐れ、白愁飛と口論の末、一人で去ってしまいます。

ネタバレ

第二話、宋遼国境にて物語は幕を開ける。蘇夢枕(そむちん)は単身遼の兵士の一隊を迎え撃ち、瞬く間に敵を倒し、首領の首級をあげる。その後、森の中で楊無邪(ようむじゃ)と合流する。楊無邪(ようむじゃ)が持ち運ぶには小さすぎる首級について尋ねると、蘇夢枕(そむちん)は遼人が持ち運びやすくするために石灰水で煮詰めているのだと説明する。そして、楊(よう)将軍の遺体を敵の手に渡さないことを誓う。その時、蘇夢枕(そむちん)は激しい咳に襲われ、楊無邪(ようむじゃ)は急いで薬湯を用意する。薬湯を置いた途端、一本の矢が飛んでくるが、蘇夢枕(そむちん)は難なくそれを受け止める。それは薛西神(せつせいしん)の訃報を伝える矢文だった。花無錯(かむさく)が楼主の座を狙っていることを知り、蘇夢枕(そむちん)はすぐさま都へ向かう決意をする。

一行は旅を続け、船著き場に到著するが、そこには一隻の船もなかった。途方に暮れていると、遠くから美しい琴の音が聞こえてくる。小石(しょうせき)は笛で返事をし、船の助けを得ようとする。雷純(らいじゅん)もまた水路を使う予定で、琴の音は彼女の船から聞こえてきたものだった。溫柔(おんじゅう)と雷純(らいじゅん)はすぐに意気投合し、話が弾む。しかし、彼女たちは知らなかった。危険が静かに近づいていることを。

船旅の途中、小石(しょうせき)と白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は釣りをしながら将来の計画について語り合う。小石(しょうせき)は各地を旅したい、特に都を見てみたいと願う。一方、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は都で名声と地位を得たいと考えており、最も目立つ場所でこそ自分の価値を実現できると考えている。

同じ頃、金風細雨(きんぷうさいう)楼では、一通の手紙が波乱を巻き起こしていた。花無錯(かむさく)は下働きから蘇夢枕(そむちん)の情報を聞き出そうとし、脅迫された下働きは蘇夢枕(そむちん)が苦水鋪を通ることを漏らす。その後、下働きは魯箭三(ろせんさん)に殺される。花無錯(かむさく)と蘇遮慕(そしゃぼ)の会話から、花無錯(かむさく)がかつて六分半(ろくぶはん)堂の一員であったこと、そして金風細雨(きんぷうさいう)楼の中にまだスパイが潜んでいることが明らかになる。蘇遮慕(そしゃぼ)は花無錯(かむさく)に、自分が生きている限り、彼を乗り越えることはできないと警告する。そして、白玉の箱の中にスパイの名簿が入っており、それは花無錯(かむさく)の護身符にもなり得るが、使い方を誤れば命取りになると告げる。

船上では、雷純(らいじゅん)は夜陰に紛れて白玉の箱を手に入れ、本堂の蘇夢枕(そむちん)たちに対する計画を耳にする。事態の深刻さを悟った雷純(らいじゅん)は大胆にも手下である者天仇(しゃてんしゅう)を川に突き落とす。翌朝、雷純(らいじゅん)は手紙を残して一人で去っていく。小石(しょうせき)は箱が無傷であることを確認し、三人は苦水鋪へ向けて旅を続ける。

溫柔(おんじゅう)の身を案じた小石(しょうせき)と白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は彼女に旅から離れるよう説得を試みる。しかし、溫柔(おんじゅう)と白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は口論になり、怒った溫柔(おんじゅう)は一人で去ってしまう。小石(しょうせき)と白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)が苦水鋪に入ると、思いがけず蘇夢枕(そむちん)と再会する。新たな試練の始まりを予感させる展開で物語は幕を閉じる。

第2話感想

第二話は、それぞれの思惑が交錯し、緊張感が高まる展開が印象的でした。冒頭、蘇夢枕(そむちん)の圧倒的な強さと、楊(よう)将軍への忠誠心が改めて描かれ、彼のカリスマ性が際立っていました。遼の兵士を瞬時に倒すシーンは、まさに「英雄」の名にふさわしい迫力でした。しかし、咳き込む場面では、彼の抱える病の深刻さも感じさせ、今後の展開への不安も掻き立てられました。

一方、小石(しょうせき)、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)、溫柔(おんじゅう)の三人は、それぞれの夢を抱きながら都を目指します。小石(しょうせき)の純粋な好奇心、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の野心、溫柔(おんじゅう)の優しさ、三者三様の個性がぶつかり合い、旅の行方をより一層面白くしています。特に、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の野心的な言動は、今後の物語におけるキーパーソンとなることを予感させます。

雷純(らいじゅん)の登場も印象的でした。琴の音色で一行を導き、溫柔(おんじゅう)と心を通わせる彼女の姿は、美しく、ミステリアスな雰囲気を漂わせています。しかし、白玉の箱を盗み、者天仇(しゃてんしゅう)を川に落とすなど、彼女の行動には謎が多く、今後の展開における重要な役割を担っていることは間違いありません。

金風細雨(きんぷうさいう)楼では、花無錯(かむさく)が闇躍し、不穏な空気が漂います。蘇遮慕(そしゃぼ)との会話は、金風細雨(きんぷうさいう)楼内部の複雑な権力争いを示唆し、今後の波乱を予感させます。白玉の箱に隠されたスパイの名簿が、物語にどう影響していくのか、非常に気になるところです。

つづく