あらすじ

第二十話は、方応看(ほうおうかん)が白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)に賭博を持ちかけ、それをきっかけに京城の権力構造、蘇夢枕(そむちん)、雷損(らいそん)、傅宗書(ふそうしょ)らの地位について議論する場面から始まります。白愁飛は、小石(しょうせき)と狄飛驚(てきひきょう)の実力を認めつつも、方応看(ほうおうかん)からの協力の申し出を断り、兄弟分の蘇夢枕(そむちん)を裏切らない意思を明確にします。

一方、雷損は娘の雷純(らいじゅん)に金風細雨(きんぷうさいう)楼の苦境を打ち明け、蘇夢枕を排除するための罠を仕掛けようとします。雷純(らいじゅん)は父の計画を止めようとしますが、捕らえられてしまいます。

その頃、小石は方応看と一風変わった相撲勝負を行い、見事勝利を収めます。白愁飛は様々な思いを抱え、酒楼で一人酒を飲んでいると、溫柔(おんじゅう)と小石が慰めに来ます。白愁飛は金風細雨楼を去る決意を固めます。

脱出に成功した雷純は溫柔(おんじゅう)と出会いますが、助けを求めようとしたところを狄飛驚(てきひきょう)に気絶させられてしまいます。その後、雷純は溫柔(おんじゅう)を連れて逃走し、道中、謎の人物と遭遇します。蘇夢枕は雷純からの手紙を受け取り、事件の裏に隠された真相について考え始めます。

ネタバレ

方応看(ほうおうかん)は白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)を屋敷に招き、京城を大賭博に例え、蘇夢枕(そむちん)や雷損(らいそん)といった面子に座る者は隻者ではないと語った。傅宗書(ふそうしょ)を軽んじながらも、その地位を認めざるを得ない現状、そして最後の席は自分のものだと豪語する。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は、関七(かんしち)との一騎打ちを無傷で終えた石小雨(いししょうう)の武芸は並ぶ者がなく、席に値すると主張。六分半(ろくぶはん)堂を失っても狄飛驚(てきひきょう)の実力は無視できないとし、朝廷の黒幕の存在も忘れてはならないと付け加えた。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)自身も、この賭博の重要人物になりたがっている。

方応看(ほうおうかん)は、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)が江湖に名を残すには金風細雨(きんぷうさいう)楼に留まっていては駄目だと諭し、「通殺」を提唱、共に手を組むよう誘う。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は方応看(ほうおうかん)の真意を理解しつつも、蘇夢枕(そむちん)との兄弟の契りを裏切ることはできないと拒絶した。

一方、雷損(らいそん)は娘の雷純(らいじゅん)に、国を裏切りたくないが、六分半(ろくぶはん)堂を守るためには仕方がないと打ち明ける。雷純(らいじゅん)は父の苦悩を理解し、蘇夢枕(そむちん)に雷損(らいそん)の命と引き換えに父と共に隠遁することを願い出る。蘇夢枕(そむちん)は承諾するが、これは雷損(らいそん)の策略だった。雷純(らいじゅん)を利用して時間を稼ぎ、蘇夢枕(そむちん)を奇襲する計画なのだ。雷純(らいじゅん)は逃げようとするが、父に見つかり監禁されてしまう。

若い頃、雷損(らいそん)夫妻に命を救われた狄飛驚(てきひきょう)は、六分半(ろくぶはん)堂を家族同然に思い、雷損(らいそん)と雷純(らいじゅん)を守ろうと苦悩する。雷純(らいじゅん)に対しても、言葉が出ない。雷損(らいそん)は再び白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)と蘇夢枕(そむちん)の仲を裂こうと画策する。

石小雨(いししょうう)と方応看(ほうおうかん)は相撲勝負をする約束をする。小雨は目隠しをして勝負に臨む。方応看(ほうおうかん)は砂利で小雨の感覚を狂わせ、攻撃を仕掛ける。小雨は鋭い感覚で幾度も危機を脱するが、闇器を使われたところで目隠しを外し、真っ向勝負に出る。そして、勝利を収める。小雨と溫柔(おんじゅう)が去っていく姿を見て、方応看(ほうおうかん)は嫉妬に燃える。

溫柔(おんじゅう)と小雨は、酒浸りの白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)を心配し、声をかける。しかし、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は溫柔(おんじゅう)の言葉に耳を貸さず、蘇夢枕(そむちん)の助けを受けるくらいなら狄飛驚(てきひきょう)に殺された方がましだと、屈辱感を露わにする。金風細雨(きんぷうさいう)楼を去りたいという白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の言葉に、小雨は理解を示す。

雷純(らいじゅん)は六分半(ろくぶはん)堂から脱走し、溫柔(おんじゅう)と遭遇する。事情を話そうとした瞬間、狄飛驚(てきひきょう)が現れ溫柔(おんじゅう)を気絶させる。雷純(らいじゅん)は溫柔(おんじゅう)を背負って逃げるが、謎の覆面人物に遭遇する。同時に、蘇夢枕(そむちん)は雷純(らいじゅん)の名前で書かれた手紙を受け取り、心揺さぶられる。

第20話の感想

第20話は、それぞれのキャラクターの苦悩と決断が交錯する、緊迫感あふれる展開でした。特に印象的なのは、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の苦悩です。金風細雨(きんぷうさいう)楼への忠誠と、方応看(ほうおうかん)からの誘い、そして蘇夢枕(そむちん)との兄弟の情の間で揺れ動く姿は、彼の複雑な立場を如実に表しています。プライドの高さと、現状への不満が、彼を苦しめているのでしょう。酒に溺れる姿からは、彼の心の迷いがひしひしと伝わってきました。

雷損(らいそん)の狡猾さも際立っていました。娘である雷純(らいじゅん)を利用して蘇夢枕(そむちん)を陥れようとする冷酷さは、見ていて背筋が寒くなるほどです。娘の愛情を踏みにじるその姿は、悪役としての存在感をより一層強めています。対照的に、雷純(らいじゅん)の純粋さと父への愛情は、悲劇性を際立たせています。

一方、石小雨(いししょうう)と方応看(ほうおうかん)の相撲対決は、手に汗握る名シーンでした。目隠しをした状態での小雨の圧倒的な強さと、方応看(ほうおうかん)の狡猾な戦法の対比が見事でした。小雨の勝利は、正々堂々とした強さが邪道に勝ることを象徴しているかのようでした。

そして、ラストシーン。雷純(らいじゅん)の脱走、謎の覆面人物の登場、蘇夢枕(そむちん)への手紙…と、次週への期待が高まる展開で幕を閉じました。それぞれの思惑が複雑に絡み合い、今後の展開が全く読めません。それぞれのキャラクターの運命がどうなっていくのか、目が離せません。

つづく