あらすじ
第二十二話は、六分半(ろくぶはん)堂と金風細雨(きんぷうさいう)楼の対立を軸に展開します。蘇夢枕(そむちん)が六分半堂からの贈り物を受け取った後、雷損(らいそん)が突如棺の中から現れ、激しい乱闘が始まります。その最中、驚くべきことに雷媚(らいび)が雷損を刺殺し、彼女の復讐への道のりが明らかになります。
雷損の死後、狄飛驚(てきひきょう)が六分半堂の指揮を執り、雷動天(らいどうてん)にすぐさま復讐することを諫めます。一方、小石(しょうせき)は真実を探るため旅立ち、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は次の蘇夢枕(そむちん)になるという野望を口にします。雷純(らいじゅん)は金風細雨楼との決別を宣言し、父の遺志を継ぎ、金風細雨楼に立ち向かうことを誓います。
そして最後に、元十三限(げんじゅうさんげん)が六分半堂を掌握する命を受け、新たな堂主を連れてきます。物語は緊迫感を増し、今後の展開が全く読めない状況となります。
ネタバレ
六分半(ろくぶはん)堂の真意を誰もが測りかねる中、蘇夢枕(そむちん)は緊張の色を隠せない。雷媚(らいび)の目配せで確信を得た蘇夢枕(そむちん)は、平静を装い酒杯を手に取るが、突如杯を投げ捨て棺に飛びかかる。すると、棺から雷損(らいそん)が躍り出し、六分半(ろくぶはん)堂の面々が動き出す。激しい乱闘の中、小石(しょうせき)と白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は蘇夢枕(そむちん)を守る。
その最中、雷損(らいそん)は胸を刺される。刺客はなんと雷媚(らいび)だった。彼女は、かつて雷損(らいそん)に命乞いをするため父親を殺した過去を明かし、復讐を果たすため生きてきたと叫ぶ。雷損(らいそん)は雷媚(らいび)を突き放し、自らの命と引き換えに六分半(ろくぶはん)堂の安全を図る。駆けつけた雷純(らいじゅん)は、既に息絶えた雷損(らいそん)から復讐を禁じられる。
雷動天(らいどうてん)は復讐のため細雨楼への攻撃を主張するが、狄飛驚(てきひきょう)は雷損(らいそん)の命と引き換えに得た平和を訴え、細雨楼の内部分裂を待つべきだと進言。狄飛驚(てきひきょう)の言葉に従い、六分半(ろくぶはん)堂は彼を新たな指導者とする。
雷損(らいそん)の葬儀の日、傅宗書(ふそうしょ)は借金の返済として黄金三百両を供えるが、雷純(らいじゅん)は無視して立ち去る。細雨楼の面々は杯を割って雷損(らいそん)を弔う。一方、雷媚(らいび)は復讐を果たしたにもかかわらず空虚感に苛まれる。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は彼女を慰め、過去を捨てて自分自身のために生きるよう励ます。
小石(しょうせき)は、母の死の真相など、自身の出生の秘密を探る決意を固める。蘇夢枕(そむちん)は白愁今(はくしゅうこん)の正体を知っていたことを明かす。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は蘇夢枕(そむちん)のようになりたいと願う一方、細雨楼に指導者は一人しかいないことを悟り、自身の道を進むため去ることを決意する。
小石(しょうせき)は皆に「挽留(ばんりゅう)剣」の物語を語り始める。この剣は小石(しょうせき)の師祖、韋三清(いさんせい)の弟子たちに受け継がれてきたが、誰も使いこなせなかったという。それは大切な何か、あるいは誰かを挽き留められなかったからだと伝えられている。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は小石(しょうせき)に、蘇夢枕(そむちん)との友情は変わらないと誓う。そこに雷純(らいじゅん)が現れ、物語に登場する女性、小鏡(しょうきょう)について補足する。彼女は父の仇を討つため元十三限(げんじゅうさんげん)に嫁ぎ、悲劇的な最期を遂げたという。雷純(らいじゅん)は酒を地面に撒き、蘇夢枕(そむちん)との決別を宣言、父の遺誌を継ぎ金風細雨(きんぷうさいう)楼と戦うことを誓う。
突如、元十三限(げんじゅうさんげん)が六分半(ろくぶはん)堂に現れ、丞相の命により六分半(ろくぶはん)堂を接収すると告げ、異様な風貌の新堂主を連れてくる。憤慨する雷純(らいじゅん)だが、狄飛驚(てきひきょう)の合図で冷静さを保つ。新堂主が雷純(らいじゅん)に抱きつくと、彼女は即座に仮撃する。狄飛驚(てきひきょう)が駆けつけるも、元十三限(げんじゅうさんげん)に阻まれる。
第22話の感想
第22話は、雷損(らいそん)の死を軸に、様々な登場人物の運命が大きく動き出す、非常にドラマチックな展開でした。雷媚(らいび)による雷損(らいそん)の死は、復讐の成就というよりは、悲劇的な結末と言えるでしょう。父親を殺めてまで生き延び、復讐という目的のために生きてきた彼女が、その目的を果たした後に感じる空虚感は、深い哀しみを感じさせます。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の言葉は、彼女にとって新たな人生への一歩となるのでしょうか。
雷損(らいそん)の死は、六分半(ろくぶはん)堂にも大きな変化をもたらしました。雷動天(らいどうてん)の復讐心とは対照的に、狄飛驚(てきひきょう)は冷静な判断で六分半(ろくぶはん)堂を導き、新たなリーダーとしての風格を見せました。雷損(らいそん)の死が、結果的に六分半(ろくぶはん)堂と細雨楼の抗争を一時的に回避させたという皮肉も、物語の奥深さを際立たせています。
小石(しょうせき)の出生の秘密、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の野心、蘇夢枕(そむちん)の思惑など、今後の展開を予感させる要素も散りばめられていました。特に、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)が自身の道を進むことを決意したシーンは、今後の彼と蘇夢枕(そむちん)の関係性がどう変化していくのか、非常に気になります。
雷純(らいじゅん)の復讐への決意も印象的でした。父の死、そして蘇夢枕(そむちん)との決別を経て、彼女はより強く、そして冷酷になっていくのかもしれません。元十三限(げんじゅうさんげん)の登場と新堂主の謎めいた存在も、今後の波乱を予感させます。
つづく