あらすじ

第二十六話は、復讐心に燃える小石(しょうせき)が危険な場所に深く踏み込み、元十三限(げんじゅうさんげん)に追われ撤退を余儀なくされる場面で幕を閉じました。辛くも細雨楼の仲間に救出され、命からがら逃げ延びることができました。苦水鋪で白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)と蘇夢枕(そむちん)が小石の帰りを待っていました。蘇夢枕(そむちん)は一時的に裏方に回り、白愁飛に細雨楼の指揮を委ねると決め、重臣暗殺の罪を一人で被るつもりであることを明かしました。小石が去る前、蘇夢枕は溫柔(おんじゅう)の面倒を見ると約束しました。

翌朝、小石は溫柔(おんじゅう)と出会い、二人は互いに寄り添い、温かい別れを告げました。朝廷が細雨楼を包囲した時、白愁飛は新楼主として名乗りを上げ、責任を負いました。雷純(らいじゅん)は白愁飛を連れ去りました。

一方、蔡相(さいしょう)は方応看(ほうおうかん)を傅宗書(ふそうしょ)の代わりに任命しました。雷純(らいじゅん)は蔡相に、なぜ白愁飛だけを連れ帰ったのかを説明し、この行動が細雨楼を制御し、不必要な流血の衝突を避けるのに有利だと主張しました。蔡相は方応看(ほうおうかん)に強い印象を持ち、何かを察知したようでした。

ネタバレ

小石(しょうせき)は激戦の中、逃げ延びる道もあったものの、ある建物へと踏み込んだ。付き従う下人は蔡相(さいしょう)を探しているのではと推測し、加勢しようとしたが、傅宗書(ふそうしょ)に止められ、自身の安全を確保するよう諭された。

その建物内では既に元十三限(げんじゅうさんげん)が待ち構えていた。元十三限(げんじゅうさんげん)は小石(しょうせき)に対し、天下は既に自分たちの掌中にあるため、逃げる術はないと告げた。この言葉は小石(しょうせき)の母を殺した仇の言葉と重なり、復讐心に燃えた小石(しょうせき)は仇討ちを決意。激しい戦いが始まり、周囲の人間は近づくことさえできなかった。

戦いは屋外へと移り、傅宗書(ふそうしょ)は傍で小石(しょうせき)を煽り立て、怒りを増幅させた。逆上した小石(しょうせき)は手にした碁石を傅宗書(ふそうしょ)に投げつけ、碁石は傅宗書(ふそうしょ)の額を貫通した。しかし、多勢に無勢、小石(しょうせき)は元十三限(げんじゅうさんげん)の放った矢を受け、撤退を余儀なくされた。城門は閉ざされ、刑部の人間に取り囲まれた小石(しょうせき)は武器を捨て降伏。誰もが小石(しょうせき)の運命を案じたその時、細雨楼の仲間が駆けつけ、小石(しょうせき)を救出した。

白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)と蘇夢枕(そむちん)は苦水鋪で小石(しょうせき)を待っていた。蘇夢枕(そむちん)は白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)に、しばらく細雨楼の運営が難しくなるため、後を託したいと告げた。そして、指導者として軽々しく人を殺めてはならず、さもなくば仲間を失うことになると忠告した。しかし、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は蘇夢枕(そむちん)とは異なり、友は必要なく、兄弟がいればそれで良いと答えた。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は蘇夢枕(そむちん)の真意を見抜いていた。小石(しょうせき)を逃がし、自身で要人闇殺の罪を被ろうとしていることを。蘇夢枕(そむちん)は白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)に気づかれても、既に決意は固かった。

三兄弟は再び別れの時を迎えた。戻ってきたばかりの白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は、また小石を見送ることになった。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は小石の肩を叩き、兄弟はまた必ず会えると励まし、その時こそ蘇夢枕(そむちん)の病も癒え、酒を酌み交わし、温かい溫柔(おんじゅう)の話を聞けるだろうと語った。小石は蘇夢枕(そむちん)に何かを言おうとしたが、蘇夢枕(そむちん)は既に小石の気持ちを理解しており、溫柔(おんじゅう)のことは任せろと約束した。夜明け前、遠くに見える溫柔(おんじゅう)は小石に洛陽への道中、官道は避けるようにと注意を促した。小石は笑顔で溫柔(おんじゅう)を抱きしめた。夜、小石は薪を抱えて戻り、二人は並んで星空を見上げた。

翌朝、朝廷の軍勢が細雨楼を包囲した。蘇夢枕(そむちん)は覚悟を決めていたが、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)がそれを阻み、副楼主として蘇夢枕(そむちん)の解任を宣言。他のメンバーも白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の決定を支持した。そして、新楼主となった白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)が朝廷の使者を出迎えると、現れたのは雷純(らいじゅん)だった。蔡相(さいしょう)は雷純(らいじゅん)を義娘として認めていたのだ。雷純(らいじゅん)は蔡相(さいしょう)への恩義から白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)を助けようとするが、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は自分が細雨楼の新楼主であり、全ての責任は自分にあると主張した。雷純(らいじゅん)は部下に白愁飛を連行させ、密かに蘇夢枕(そむちん)と会い、金風細雨(きんぷうさいう)楼が細雨楼を飲み込んでいく様と、兄弟が牢獄で苦しむ様を見届けると警告した。

方応看(ほうおうかん)は急ぎ蔡相(さいしょう)のもとを訪れ、更なる権力を求めた。六分半(ろくぶはん)堂は雷純(らいじゅん)に、傅宗書(ふそうしょ)は既に死亡しているため、蔡相(さいしょう)は傅宗書(ふそうしょ)の地位を方応看(ほうおうかん)に与えた。蔡相(さいしょう)は雷純(らいじゅん)に、自分は江湖には興味がなく、金だけが重要だと告げた。雷純(らいじゅん)が連れてきたのは白愁飛だけであり、蔡相(さいしょう)はこの取引が割に合うのか疑問を抱いていた。雷純(らいじゅん)は蘇夢枕(そむちん)を直接捕らえれば細雨楼の仮発は必至であり、また蘇夢枕(そむちん)は病で余命が少ないことを説明。白愁飛は野心は大きいが機会に恵まれず、細雨楼では副楼主でありながら実権がなく不満を抱えているため、適切に扱えば使える人材になると進言した。蔡相(さいしょう)は雷純(らいじゅん)の意見に賛同し、方応看(ほうおうかん)と雷純(らいじゅん)を引き合わせた。方応看(ほうおうかん)を見た瞬間、雷純(らいじゅん)はどこかで会ったことがあるような気がした。

第26話の感想

第26話は、息もつかせぬ展開で、様々な感情が渦巻く、非常にドラマチックなエピソードでした。小石の復讐心、蘇夢枕(そむちん)の自己犠牲、白愁飛の野心、そして雷純(らいじゅん)の複雑な心情、それぞれのキャラクターの想いが交錯し、今後の展開がますます気になる終わり方でした。

特に印象的だったのは、三兄弟の別れのシーンです。これまで共に苦楽を共にしてきた三人が、それぞれの道を歩み始めるという切ない場面は、胸を締め付けられるものがありました。白愁飛の言葉は、再会への希望を滲ませながらも、どこか不穏な空気を漂わせており、今後の彼らの運命を闇示しているかのようでした。

また、白愁飛が蘇夢枕(そむちん)に代わって細雨楼の楼主となる展開は、物語の大きな転換点と言えるでしょう。蘇夢枕(そむちん)の穏やかで義理堅いリーダーシップとは対照的に、白愁飛は冷酷で野心的な性格です。彼が今後どのような形で細雨楼を率いていくのか、そして金風細雨(きんぷうさいう)楼との関係はどうなっていくのか、非常に興味深いところです。

雷純(らいじゅん)の登場も、物語に新たな波乱を巻き起こしそうです。蔡相(さいしょう)の義娘となった彼女は、白愁飛に対して複雑な感情を抱いている様子。二人の関係が今後どのように変化していくのか、そしてそれが物語全体にどのような影響を与えるのか、注目すべきポイントです。

つづく