あらすじ
第二十七話は、逃亡中の小石(しょうせき)と溫柔(おんじゅう)が様々な危機に直面する様子を描いています。
まず、二人は甜山鎮で朝廷の追手に捕まりそうになりますが、小石の勇気と武芸によって相手の敬意を勝ち取り、無事に逃れることができました。
一方、刑部大牢に囚われた白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は、過酷な拷問を受け、薬物を飲まされて幻覚を見せられます。それは、小石が殺される場面や、蘇夢枕(そむちん)と雷純(らいじゅん)が親密にしている様子で、白愁飛にとって大きな苦痛となりました。
白愁飛を救うため、蘇夢枕(そむちん)は雷純(らいじゅん)との面会を決意しますが、怒りと心配が重なり、病に倒れてしまいます。
さらに、九現神龍の戚少商(せきしょうしょう)が現れ、小石に白毛堡への道を示し、無事に国境を越えられるように手助けをします。
こうした出来事を通して、逆境における主人公たちの逞しさと知恵が描かれています。
ネタバレ
小石(しょうせき)への賞金首がかけられ、多くの人々が彼を狙っていた。ある日、溫柔(おんじゅう)と小石(しょうせき)は茶屋で官兵に遭遇する。小石(しょうせき)は正体を見破られ、剣を抜いて応戦するが、以前小石(しょうせき)を捕らえようとしていた方恨少(ほうこんしょう)と唐宝牛(とうほうぎゅう)が現れ、官兵を返り討ちにする。二人は傅宗書(ふそうしょ)を倒した小石(しょうせき)に敬意を表し、小石(しょうせき)と溫柔(おんじゅう)は感謝を述べて旅を続ける。
甜山鎮に著いた二人は休息し、食料を調達しようと麺屋で食事をしていたところ、朝廷の手先が現れる。溫柔(おんじゅう)を巻き込まないよう小石(しょうせき)だけを捕らえようとするが、溫柔(おんじゅう)は激怒し、小石(しょうせき)と共に戦うと宣言する。小石(しょうせき)は溫柔(おんじゅう)への愛を誓い、彼女を守ることを約束する。そして、相手に対し、自分だけと戦い、溫柔(おんじゅう)や仲間を巻き込まないよう提案する。その覚悟に感銘を受けた相手は、小石(しょうせき)との一騎打ちに応じる。心配する溫柔(おんじゅう)を安心させ、小石(しょうせき)は素早く相手を倒す。相手は潔く負けを認め、二人を解放する。
その後、小石(しょうせき)は溫柔(おんじゅう)に、捕吏はわざと自分を刺させたのだと明かす。傅宗書(ふそうしょ)亡き後、多くの侠客は小石を称賛する一方で、朝廷の人間である捕吏が無傷で帰れば、身の危険に晒される可能性があったのだ。そのため、小石は進路を変えることにする。その時、物音が聞こえ、外に出てみると、先ほどの捕吏、戚少商(せきしょうしょう)が立っていた。「九現神龍」の異名を持つ彼は、神侯(しんこう)の命で小石に北へ向かい、辺境近くの白毛堡へ行くよう伝える。そこには国境を越える手助けをしてくれる人物がいるという。
一方、傅宗書(ふそうしょ)死後、牢獄に囚われた任労(じんろう)と任怨(じんえん)は、同じく捕らえられた白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)を虐待していた。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)はベッドに縛り付けられ、顔に湿らせた紙を貼られ、窒息寸前に追い込まれる。意識が朦朧とする中、紙が剝がされ、蔡京(さいきょう)が現れる。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の頑固さに業を煮やした蔡京(さいきょう)は、彼に薬を飲ませる。すると白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は幻覚を見始め、物知り顔の男から災難が降りかかり、帰っても無駄だと告げられる。さらに、木に弔るされた小石の姿を見て、恐怖に慄く。蔡京(さいきょう)は白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)を殺そうとするが、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は突然正気に戻り、仮撃して蔡京(さいきょう)の手下二人を殺してしまう。蔡京(さいきょう)は白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の精神力に興味を持ち、更なる試練を与えることにする。
白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の苦境を知った沫児(まつじ)は心を痛めるが、雷純(らいじゅん)に平手打ちを食らい、六分半(ろくぶはん)堂の苦難を忘れたのかと叱責される。雷純(らいじゅん)の指示で、沫児(まつじ)は金風細雨(きんぷうさいう)楼へ行き、蘇夢枕(そむちん)に白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の状況を伝える。激怒した蘇夢枕(そむちん)は、持病が悪化し倒れてしまう。任労(じんろう)と任怨(じんえん)は再び白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)に薬を飲ませ、幻覚の中で雷純(らいじゅん)と蘇夢枕(そむちん)がキスをする場面を見せ、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)を苦しめる。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)を救うため、蘇夢枕(そむちん)は雷純(らいじゅん)と会うことを決意する。
第27話の感想
第27話は、小石と溫柔(おんじゅう)の逃避行と、白愁飛の受難という対照的な展開が印象的でした。賞金首となった小石は、常に追われる身でありながらも、溫柔(おんじゅう)への深い愛情と侠客としての矜持を失いません。茶屋での出来事や甜山鎮での捕吏との対決は、彼の強さと優しさを際立たせるエピソードでした。特に、捕吏戚少商(せきしょうしょう)とのやり取りは、互いの立場を理解し合った上での駆け引きが巧みに描かれており、今後の展開への期待を高めます。一方、白愁飛は蔡京(さいきょう)の策略によって地獄のような苦しみを味わいます。幻覚を見せられ、精神的に追い詰められる様子は見ていて辛く、彼の置かれた状況の過酷さを改めて感じさせます。沫児(まつじ)の優しさや蘇夢枕(そむちん)の怒りも、白愁飛の苦境をより深く印象づけます。今後の白愁飛の運命、そして蘇夢枕(そむちん)と雷純(らいじゅん)の関係性の変化に注目したいところです。全体として、緊迫感あふれる展開と登場人物たちの複雑な感情が絡み合い、非常に引き込まれるエピソードでした。
つづく