あらすじ

第三十六話は、雷純(らいじゅん)の失踪を知った白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の心の動揺と、蘇夢枕(そむちん)の遺志を継ぎ、朱小腰(しゅしょうよう)の leadership のもと、細雨楼の残党が耐え忍び生き延びようとする様子を描いています。朱小腰(しゅしょうよう)は小石(しょうせき)の帰りを毎日待ち続け、ついに再会を果たします。蘇夢枕(そむちん)の死を知った小石は深い悲しみに暮れ、白愁飛と激しく対立します。白愁飛は蘇夢枕への裏切りと殺害を認め、小石に都からの逃亡を勧めます。しかし、小石は蘇夢枕の仇を討ち、蔡相(さいしょう)の罪を証明する証拠を探す決意を固めます。劉世安(りゅうせいあん)と諸葛正我(しょかつしょうが)との話し合いの後、皇帝が大仏寺へ参拝する際に証拠を提出する計画を立てます。その後、小石は小さな町で人々の信頼と支持を集め、新たな門派「象鼻塔(しょうび)」を設立することを決意します。象鼻塔は新たな始まりと正義の力の象徴となるのです。

ネタバレ

雷媚(らいび)から雷純(らいじゅん)の失踪を聞かされた白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は、事の真相が掴めず、まるで幻の中にいるようだった。一方、蘇夢枕(そむちん)の仇を討ちたい細雨楼の兄弟たちに対し、朱小腰(しゅしょうよう)は、蘇夢枕(そむちん)が皆の命を守るためにわざと別れを告げたことを伝えた。「生きていればこそ、細雨楼の精神は生き続ける」という蘇夢枕(そむちん)の言葉を胸に、彼らは象鼻塔(しょうび)と呼ばれる庶民の集まる場所に身を隠した。楊無邪(ようむじゃ)は、蘇夢枕(そむちん)が「小石(しょうせき)が戻れば事態は好転する」と言っていたことから、小石(しょうせき)の帰りを待つよう促した。朱小腰(しゅしょうよう)は毎日城門で小石(しょうせき)を待ち続けた。その一途な姿は、周囲の人々から「痴人」と揶揄されるほどだった。

長旅の末、小石(しょうせき)は劉世安(りゅうせいあん)たちと京城に戻ってきた。城門で劉世安(りゅうせいあん)と別れた小石(しょうせき)を、朱小腰(しゅしょうよう)はすぐに見つけた。再会の喜びも束の間、小石(しょうせき)は蘇夢枕(そむちん)の死を知る。隠れ家に戻ると、楊無邪(ようむじゃ)は事の顛末を語り、今後の判断を小石(しょうせき)に委ねた。

白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は小石(しょうせき)の帰還を喜び、酒を勧めたが、小石(しょうせき)はそれを受け取らず、蘇夢枕(そむちん)への裏切りを問いただした。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)がそれを認めた時、小石(しょうせき)は深い悲しみに暮れた。さらに蘇夢枕(そむちん)殺害についても白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は認め、小石(しょうせき)は怒りに震え、剣を抜こうとしたが、友情ゆえに踏みとどまった。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は小石(しょうせき)に通関手形を渡し、京城を離れるよう促した。全ては小石のせいだと激昂する白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)。獄中での苦しみの中、小石の帰還だけが希望だったが、その死の知らせに絶望したのだと。小石は蘇夢枕(そむちん)の仇を討つと誓い、その場を去った。

帰路、小石は茶花(さか)婆婆(ばあば)の庭に立ち寄り、変わり果てた景色の中で、月に向かって蘇夢枕(そむちん)への想いを吐露した。京城を離れ、北へ向かった小石は、蘇夢枕(そむちん)の言っていた「人の小ささ」を雪原の広大さの中で実感した。仲間を失い、理想の江湖とは何かを考え続けた小石は、細柳(さいりゅう)鎮から京城、そして北への逃避行を経て、ようやく答えを見つけた。しかし、それが蘇夢枕(そむちん)と同じ答えだったのか、確かめる術はもうなかった。

小石は劉世安(りゅうせいあん)と諸葛正我(しょかつしょうが)に蔡相(さいしょう)の謀仮の証拠となる手形を渡した。皇帝に伝える役目を諸葛正我(しょかつしょうが)に託したい劉世安(りゅうせいあん)だったが、二人は既に失職しており、皇帝に謁見することは不可能だった。そこで諸葛正我(しょかつしょうが)は、来月初一の大仏寺への行幸を狙い、皇帝に直訴する策を提案した。

小石は街で人々に代筆業をしながら静かに暮らしていたが、何者かに見張られていることに気づく。彼らは小石に心酔し、付き従いたいと言う者たちだった。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)も同じように民衆の信頼を得ようとしたが、人々は彼を恐れ、遠ざけた。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は表向き優しく接しながら、裏では彼らを殺すよう命じた。

小石に従う者は日に日に増え、ある日、小石は皆に語りかけた。街の人々と共に暮らし、薬を煎じ、手紙を書き、子供たちに読み書きを教える中で、民衆の真の願いを知ったのだと。それは、暴力の終焉、公正な裁き、そして子供たちの未来への希望だった。小石はこれが真の江湖の姿だと説き、新たな組織の結成を宣言した。象鼻塔(しょうび)を見上げ、組織の名を「象鼻塔(しょうび)」とすると宣言した。「象鼻楼」ではないのかという問いに、小石は「楼と呼べるのは金風細雨(きんぷうさいう)楼だけだ」と答えた。

第36話の感想

第36話は、蘇夢枕(そむちん)を失った喪失感と、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の裏切りという衝撃的な事実が重なり、非常に重苦しい雰囲気に包まれていました。小石の悲しみや怒りは画面越しにも伝わってくるようで、胸が締め付けられる思いでした。特に、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)と対峙するシーンは、二人の複雑な感情がぶつかり合い、見ている側も苦しくなるほどの緊張感がありました。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の、小石への歪んだ友情と、獄中での絶望、そして蘇夢枕(そむちん)への嫉妬が入り混じった感情は、彼を悪へと駆り立てた原因の一つと言えるでしょう。小石は、怒りを感じながらも、かつての友への情を捨てきれず、剣を抜くことができない葛藤が描かれており、彼の優しさ、そして苦悩が深く伝わってきました。

一方、朱小腰(しゅしょうよう)の、小石への一途な想いは、この闇い物語の中で、唯一の光のように感じられました。毎日城門で小石を待ち続ける彼女の姿は、健気で、そして切ない。しかし、再会したのも束の間、蘇夢枕(そむちん)の死という残酷な現実を突きつけられることになり、彼女の悲しみも計り知れません。

そして、物語の終盤、小石は新たな道を歩み始めます。民衆と共に暮らし、彼らの小さな願いを葉える中で、真の江湖の姿を見出していく小石。金風細雨(きんぷうさいう)楼という大きな組織を失った後、彼は再び人々を守るために立ち上がり、「象鼻塔(しょうび)」という新たな組織を結成します。「楼と呼べるのは金風細雨(きんぷうさいう)楼だけだ」という小石の言葉には、蘇夢枕(そむちん)への強い想いと、彼と共に過ごした日々への敬意が込められているように感じられました。この新たな出発は、希望に満ちていると同時に、蘇夢枕(そむちん)という大きな存在を失った寂しさも感じさせ、複雑な気持ちにさせられました。

つづく