あらすじ
第七話は、牢獄に入れられた小石(しょうせき)と白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の過酷な境遇と、彼らを救おうとする外の世界の奮闘を描いています。刑部尚書の傅宗書(ふそうしょ)は、二人に容赦ない拷問を加え、屈服させようとしますが、小石と白愁飛は鋼の意志で耐え抜きます。白愁飛は傅宗書の詰問に対し、信念を曲げず、友情を裏切るようなことは決してしないと断言します。牢獄の中では、小石と白愁飛は互いに支え合い、過酷な環境に立ち向かいます。
一方、二人の救出を図る溫柔(おんじゅう)は、大胆な行動に出ます。傅宗書を爆竹で襲撃したり、夜空に花火を打ち上げて二人に希望の光を届けたりします。また、蘇夢枕(そむちん)も二人のために、傅宗書の要求を受け入れ、西北への任務に赴くことを決意します。
最終的に、小石と白愁飛は六分半(ろくぶはん)堂への加入を迫られますが、彼らは自らの心に従い、自分たちの道を進むことを選びます。
ネタバレ
刑部尚書の傅宗書(ふそうしょ)は、小石(しょうせき)を梁から弔るし拷問にかける。縄が切れるまで耐え抜く小石(しょうせき)の不屈の精神に、傅宗書(ふそうしょ)は感嘆しつつも、天下は自分の掌中にあると警告する。次に白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)を呼び出し、なぜ蘇夢枕(そむちん)を殺して天下を取らないのかと詰問する。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は冷ややかに、己の分際をわきまえていると言い、何でもすれば獣と同じだと仮論する。激怒した傅宗書(ふそうしょ)は、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)を水池に落とすよう命じる。
牢獄の中で、小石(しょうせき)はびしょ濡れの白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)を抱きしめ温める。かつて盗賊にも天下は自分たちの物だと言われたことを思い出す。看守が差し入れた食事は、見るも無惨な人肉だった。
一方、溫柔(おんじゅう)は朱小腰(しゅしょうよう)を訪ねるが、口論となり部屋を荒らしてしまう。瓦舎の小僧に追い出された溫柔(おんじゅう)は、偶然通りかかった楊無邪(ようむじゃ)に助けを求める。しかし楊無邪(ようむじゃ)は朱小腰(しゅしょうよう)に丁重に接し、溫柔(おんじゅう)を連れてその場を去る。楊無邪(ようむじゃ)は小石(しょうせき)と白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)のことを調べると約束し、溫柔(おんじゅう)を金風細雨(きんぷうさいう)楼へ送り返す。到著すると、刑部からの「祝いの品」が届いていた。蘇夢枕(そむちん)が出迎え、開けられた箱の中には赤い爆竹が入っていた。一同が驚く中、蘇夢枕(そむちん)は冷静に受け取り、衆人環視の中で爆竹に火をつけるよう迫られる。緊迫した空気が流れ、金風細雨(きんぷうさいう)楼の弟子たちは剣に手をかけたが、蘇夢枕(そむちん)は小石(しょうせき)と白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)のことを思い、点火を命じる。
金風細雨(きんぷうさいう)楼には朝廷の要人と関わらない掟があり、小石(しょうせき)たちの救出は困難を極めていた。しかし溫柔(おんじゅう)は友として見過ごすことができず、ある夜、爆竹を積んだ車で傅宗書(ふそうしょ)の駕籠を襲撃する。爆竹の轟音で兵士たちは散り散りになり、傅宗書(ふそうしょ)自身も負傷する。溫柔(おんじゅう)は牢獄への潜入を企てるも、傅宗書(ふそうしょ)に見破られ失敗に終わる。
その後、溫柔(おんじゅう)は花火を持って牢獄の外へ行き、小石(しょうせき)と白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)に少しでも希望を与えようと打ち上げる。長い間何も口にしていない二人だが、人肉だけは拒絶していた。夜空に咲く花火は、闇く湿った牢獄に光と温もりをもたらす。外に仲間がいることを知った二人は、希望を取り戻し、壁に「不飛則已、不鳴則已、一飛衝天、一鳴驚人」という誌を刻む。
蘇夢枕(そむちん)は自ら傅宗書(ふそうしょ)を訪ね、政敵である劉世安(りゅうせいあん)の首級を西北で取るという条件と引き換えに、小石(しょうせき)と白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)を金風細雨(きんぷうさいう)楼に入れないことを約束し、二人の解放を請う。その時、激しい雨が降り始める。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は何かに突き動かされるように人肉に近づこうとするが、小石(しょうせき)が止め、雨に打たれて正気を取り戻させる。二人は雨の中で、互いの夢と誌を語り合う。
囚人たちは、釈放される者を見て珍しいと騒ぎ立てる。釈放の前に、傅宗書(ふそうしょ)は二人に服従を要求し、さもなくば生き延びることはできないと告げる。解放された二人は、傅宗書(ふそうしょ)の真意が六分半(ろくぶはん)堂への加入であったことを知る。狄飛驚(てきひきょう)から差し出された酒を雨に捨て、二人はたとえこの世に金風細雨(きんぷうさいう)楼と六分半(ろくぶはん)堂と三寸の地しか残っていなくても、自分たちの道を切り開くと決意する。
第7話の感想
第七話は、小石(しょうせき)と白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の揺るぎない友情と不屈の精神が際立つエピソードでした。過酷な拷問や人肉を食べるよう強要されるなど、想像を絶する状況下でも、互いを支え合い、希望を失わない二人の姿には胸を打たれます。特に、牢獄の中で花火を見上げ、未来への希望を新たにするシーンは感動的でした。外の世界との繋がりを感じ、闇闇の中に一筋の光が差し込んだ瞬間でした。
傅宗書(ふそうしょ)の冷酷さと狡猾さも印象的です。力と恐怖で人を支配しようとする姿は、まさに悪役そのもの。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)に蘇夢枕(そむちん)を殺せと唆したり、小石(しょうせき)と白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)を六分半(ろくぶはん)堂に送り込もうとするなど、その策略は陰湿で底知れません。
溫柔(おんじゅう)の友情にも心を動かされました。掟を破り、危険を顧みず、友のために奔走する姿は、真の友情とは何かを考えさせられます。爆竹で傅宗書(ふそうしょ)の駕籠を襲撃するシーンは、彼女の勇気と行動力が発揮された名場面でした。
つづく