あらすじ

第八話では、六分半(ろくぶはん)堂の追手から逃れる小石(しょうせき)と白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の姿が描かれます。二人は京の都で邪魔者扱いされ、善意で落とし物を返しても誤解され、拒絶される始末。雷媚(らいび)は狄飛驚(てきひきょう)が二人を始末しなかったことに疑問を抱き、平和を維持するためとはいえ、総堂主の意に反する行動だと考えます。一方、溫柔(おんじゅう)は二人を陰ながら助け、茶花(さか)婆婆(ばあば)を通じて隠れ家を提供します。新居で小石は自身の出生を思い返し、複雑な感情に胸を締め付けられます。沃夫子(ふうし)はかつての情誼から、雷損(らいそん)に小石と白愁飛を害しないと約束します。細雨楼の支援を受け、二人は絵を売ったり薬屋を営んだりして、新たな生活に馴染んでいきます。しかし、それも束の間、薬屋が何者かに破壊され、穏やかな生活の裏に大きな危機が潜んでいることを暗示します。

ネタバレ

小石(しょうせき)と白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は街で鏢局の求人を見かけ、話を聞きに行く。しかし、二人の名前を聞いた途端、鏢局の頭は顔をしかめ、六分半(ろくぶはん)堂を敵に回した二人を雇うことはできないと断った。二人は他の仕事を探すが、六分半(ろくぶはん)堂の圧力により、どこも門前払いだった。少年二人は諦めずにいたものの、現状に無力感を感じていた。

雷媚(らいび)は狄飛驚(てきひきょう)が小石(しょうせき)と白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)を直接始末しなかった理由を尋ねる。狄飛驚(てきひきょう)は、そうすれば六分半(ろくぶはん)堂と金風細雨(きんぷうさいう)楼の衝突を招き、平和共存の原則に仮するからだと説明する。雷媚(らいび)はこの話を雷損(らいそん)に伝え、雷損(らいそん)は狄飛驚(てきひきょう)の言葉は全て受け入れるようにと釘を刺す。

街中で、通行人が小石(しょうせき)と白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)にぶつかり、財布を落としてしまう。小石(しょうせき)は財布を拾って追いかけるが、通行人は二人を恐れて逃げてしまう。空腹に耐えかねた二人は道端に腰を下ろす。陰から見ていた溫柔(おんじゅう)は二人を哀れに思うが、小石(しょうせき)は財布を返すことを諦めない。楊無邪(ようむじゃ)は溫柔(おんじゅう)を慰め、既に策を講じていると告げる。間もなく、茶花(さか)婆婆(ばあば)が現れ、二人に食べ物を与え、家に連れて帰る。

婆婆(ばあば)の家は辺鄙な場所にあったが、快適な住まいだった。二人はそこで落ち著くことができた。白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は小石(しょうせき)に京の複雑さ、そして生き残るために必要なことを語る。小石は幼い頃の記憶、母親の境遇を思い出すが、自分の出生を知ることを拒む。それは自由を失うことを意味するからだ。

深夜、殺気を帯びた人影が街を駆け抜ける。小石と白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は異変に気付くが、具体的な脅威は見つけられない。雷損(らいそん)は沃夫子(ふうし)と話し、過去の縁から小石と白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)を傷つけないと約束する。小石は夫子(ふうし)に出会い、彼が茶花(さか)婆婆(ばあば)の夫だと知る。夫子(ふうし)は白愁飛の絵の才能を知り、筆墨紙硯を贈り、街で絵を売ることを勧める。小石は薬草の知識があり、楊無邪(ようむじゃ)は新しく買った薬屋を任せることにする。

小石は夫子(ふうし)と江湖の情勢について語り合い、自身の見識を披露し、夫子(ふうし)から賞賛される。「橋集団」が朝廷に影響力を持つという噂が江湖に広まる中、蘇夢枕(そむちん)は若い世代に責任を担ってほしいと願う。ある日、朱小腰(しゅしょうよう)が薬屋を訪れ、小石は高価な薬を調合するが、どこかぎこちない様子を見せる。

時が経ち、絵を描くことと薬を調合することが二人の日常となる。しかし、平穏は破られ、薬屋が突然火事に見舞われる。二人が調査すると、謎の人影を目撃する。

第8話の感想

第8話は、小石と白愁飛の苦境と、それを救う人々の温情が対照的に描かれた、心温まるエピソードでした。六分半(ろくぶはん)堂の圧力によって仕事を見つけられず、路頭に迷う二人の姿は、江湖の厳しさを改めて感じさせます。特に、親切にした通行人にさえ恐れられるシーンは、彼らの無力さを痛感させ、胸が締め付けられました。

しかし、そんな中でも希望の光が差し込みます。茶花(さか)婆婆(ばあば)と夫子(ふうし)の温かい助け、楊無邪(ようむじゃ)の細やかな配慮は、二人の少年にとって大きな救いとなったでしょう。特に、夫子が白愁飛に筆墨紙硯を贈るシーンは、彼の才能を認め、未来への可能性を示唆する感動的な場面でした。小石の薬草の知識を生かした薬屋での仕事も、彼らに新たな活路を与えてくれます。

また、雷損(らいそん)と沃夫子(よくふうし)の会話は、今後の展開を闇示する重要なシーンでした。雷損(らいそん)が小石と白愁飛を危害しないという約束は、一見彼らにとって有利なように見えますが、その真意は謎に包まれています。この約束が、今後どのような影響を及ぼすのか、今後の展開が非常に気になります。

つづく