あらすじ

第12話は、慕灼華(ぼしゃくか)が皇子を誘惑したという濡れ衣を着せられ、太后(たいこう)から罰せられる物語です。三人の皇子たちは彼女のために弁護しますが、聞き入れられず、太后は灼華に杖刑を執行しようとします。劉衍(りゅうえん)が間一髪で駆けつけ、表向きは太後の決定に従う姿勢を見せますが、実際は彼女をこれ以上の苦しみから守るためでした。

劉衍は灼華を定王府に連れて帰り、医師を呼んで手当てをさせます。この劉衍の行動により、太后は彼の真意を疑い始めます。張(ちょう)執事は灼華を王府で療養させることを提案し、劉衍はそれに同意します。

一方、刘皎 (りゅうきょう)は沈驚鴻(しんきょうこう)に頼んで灼華に見舞いの品を贈り、彼女への気遣いと支持を示します。

最後に、灼華は自らの行動を反省し、今後より慎重に行動することを決意します。

ネタバレ

慕灼華(ぼしゃくか)の講義中、第一皇子と第三皇子が口論から取っ組み合いの喧嘩になってしまった。劉衍(りゅうえん)は、その知らせを受け、講義を担当しているのが慕灼華(ぼしゃくか)だと知り、事態を重く見て現場へ急行した。

太后(たいこう)は、この騒動の責任を全て慕灼華(ぼしゃくか)に押し付け、皇子たちのとりなしにも耳を貸さず、以前から慕灼華(ぼしゃくか)に良い印象を持っていなかったこともあり、この機会に報復しようと考えた。慕灼華(ぼしゃくか)の弁解も聞き入れず、品行方正ではなく皇子を誘惑したとして、講義の役職を解任し、二十回の杖刑に処すると言い渡した。慕灼華(ぼしゃくか)が改めて説明しようとしたが、太后(たいこう)は聞く耳を持たず、刑の執行を命じた。

三人の皇子は、太后(たいこう)の決定に驚き、跪いて許しを乞うたが、太後の決意は固く、侍衛に刑の執行を命じた。その時、劉衍(りゅうえん)が到著し、慕灼華(ぼしゃくか)の罪状を太后(たいこう)に問いただした。太后(たいこう)は、慕灼華(ぼしゃくか)が皇子たちを誘惑し、内紛を引き起こしたと答えた。劉衍(りゅうえん)は、この件を三司に審議させるべきだと提案した。これは表面上は厳罰を求める姿勢を見せながら、実際は太后(たいこう)の私情が露呈するリスクを避けさせるための計略だった。

太后(たいこう)は、この一件は大げさに騒ぎ立てるほどのことではないと気づき、劉衍(りゅうえん)の提案を受け入れた。劉衍(りゅうえん)は「太后(たいこう)様のお考えはごもっともです。このような小さな問題に心を煩わせる必要はありません」と続け、慕灼華(ぼしゃくか)を庇う意図を明確にした。

そこに刘皎 (りゅうきょう)も到著し、太后(たいこう)は彼女にもとりなしに来たのかと尋ねた。刘皎 (りゅうきょう)は、太后(たいこう)の見舞に来たと答えたが、実際は慕灼華(ぼしゃくか)のことが心配だった。その後、侍女の佩蘭(はいらん)が、劉衍(りゅうえん)が慕灼華(ぼしゃくか)を定王府に連れて帰ったことを太后(たいこう)に報告した。太后(たいこう)は、劉衍(りゅうえん)が慕灼華(ぼしゃくか)に本気であることを悟った。

劉衍(りゅうえん)は慕灼華(ぼしゃくか)を定王府に連れ帰り、趙大夫を呼んで治療させた。趙(ジョウ)医師は、慕灼華(ぼしゃくか)は少し熱があるだけで、安静にしていればすぐに回復するだろうと診断した。王府の執事の張さんは、劉衍(りゅうえん)が女性を連れて帰ってきたことを喜び、慕灼華(ぼしゃくか)を王府に泊めることを提案し、劉衍(りゅうえん)はそれを承諾した。

劉衍(りゅうえん)の部下の執剣(しゅうけん)は、劉衍(りゅうえん)の計略が功を奏し、北涼が動き出したことを報告し、劉衍は対応の準備を指示した。執剣(しゅうけん)は、張さんが慕灼華(ぼしゃくか)を王府に泊めることを提案したのは、劉衍と慕灼華(ぼしゃくか)の関係を進展させようとする意図があるのではないかと指摘した。劉衍は張さんの真意を理解し、執剣(しゅうけん)に郭巨力(かくきょりき)を迎えに行かせようとしたが、執剣(しゅうけん)は郭巨力(かくきょりき)に苦手意識を持っていたため、代わりに執墨(しゅうぼく)を遣わした。郭巨力(かくきょりき)は慕灼華(ぼしゃくか)の怪我を聞き、すぐに駆けつけた。

慕灼華(ぼしゃくか)と劉衍は事件の経緯を話し合い、慕灼華(ぼしゃくか)は自分の行動が軽率だったことを仮省し、今後はより慎重に行動することを決意した。

刘皎 (りゅうきょう)は沈驚鴻(しんきょうこう)を呼び、真珠の首飾りをはじめとする宝石を見せ、意見を求めた。沈驚鴻(しんきょうこう)はそれらの美しさを褒めたが、これらの宝石は公主のためではなく、慕灼華(ぼしゃくか)への贈り物だった。太后の displeasure を避けるため、沈驚鴻(しんきょうこう)を通して贈ることにしたのだ。劉衍は沈驚鴻(しんきょうこう)が来ていることを知り、薬湯を持って行き、帰らせようとした。慕灼華(ぼしゃくか)は薬が苦いと言い、郭巨力(かくきょりき)に別のものに変えてもらおうとしたところ、劉衍に見つかってしまった。

第12話の感想

第12話は、慕灼華(ぼしゃくか)の機転と劉衍の知略、そして二人の間に芽生え始めた想いが感じられる、胸が締め付けられるような展開でした。

皇子たちの喧嘩という一見些細な出来事が、太后の慕灼華(ぼしゃくか)への報復という大きな波乱へと発展していく過程は、宮廷内の権力争いの複雑さ、そして慕灼華の置かれた危うい立場を改めて浮き彫りにしました。太後の冷酷さと、それに対峙する慕灼華の凛とした姿は印象的でした。

窮地に立たされた慕灼華を救ったのは、他でもない劉衍の機転でした。三司への審議を持ち出すことで太后の暴走を止め、さらに慕灼華を自らの屋敷に匿うという行動は、彼の慕灼華への想いの深さを物語っています。

また、執事の張さんや郭巨力(かくきょりき)といった周囲の人々の温かさも、この物語に深みを与えています。特に、張さんが慕灼華を屋敷に泊めるよう提案するシーンは、二人の仲を応援する気持ちが溢れていて微笑ましいです。

つづく