あらすじ
第17話では、慕灼華(ぼしゃくか)と劉琛(りゅうしん)が雲南への救済活動に向かう道中、食糧不足の問題に直面する様子が描かれています。劉衍(りゅうえん)は慕灼華(ぼしゃくか)の出発を知り、心に未練を残しながらも彼女の職務の重要性を理解します。
江南に到着した二人は、現地の役人が災害への対応に消極的であることを目の当たりにします。県令に至っては、病気を理由に責任を放棄している始末です。そんな窮地に陥った二人を救ったのは刘皎 (りゅうきょう)でした。彼女は済善堂(せいぜんどう)からの支援物資を届け、一時的に食糧不足を解消します。
慕灼華は、この問題の鍵を握るのは地元の豪族だと考え、ある策を講じます。
一方、薛笑棠(せつしょうとう)を追う劉衍も江南へ向かいます。そして、太后(たいこう)は劉衍が薛笑棠を見つけ出す前に彼を亡き者にしようと密かに企みます。
そんな中、慕灼華は自らの家である慕家が備蓄している食糧を放出することを決断します。この行動は差し迫った危機を回避する一方で、慕家に大きな危険をもたらす可能性を孕んでいました。
ネタバレ
慕灼華(ぼしゃくか)と劉琛(りゅうしん)は雲南(うんなん)の災害救助に向かった。劉衍(りゅうえん)は城門まで慕灼華(ぼしゃくか)を追いかけるが、馬車を見送るしかできなかった。刘皎 (りゅうきょう)は沈驚鴻(しんきょうこう)が江南(こうなん)へ行ったことを聞き、侍女の蔓児(まんじ)と共に後を追う。
劉衍(りゅうえん)の側近、張(ちょう)執事は、近頃慕灼華(ぼしゃくか)の姿を見かけないことを不思議に思う。劉衍(りゅうえん)は、彼女には役人としての務めがあると説明する。執剣(しゅうけん)が慕灼華(ぼしゃくか)の書いた紙切れを劉衍(りゅうえん)に渡すと、そこには彼の名前が記されていた。張(ちょう)執事は慕灼華(ぼしゃくか)が劉衍(りゅうえん)を想っている証拠だと主張するが、劉衍(りゅうえん)は認めようとしない。張(ちょう)執事が慕灼華(ぼしゃくか)に直接尋ねようとした時、劉衍(りゅうえん)は彼女が江南へ行ったことを伝える。
劉衍(りゅうえん)は慕灼華(ぼしゃくか)の誌を尊重し、引き留めることはできないと考えていた。江南に到著した劉琛(りゅうしん)たちは、空っぽの穀倉を目の当たりにする。責任者の役人は、県令が過労で倒れたため自分が代理を務めていると弁明するが、慕灼華(ぼしゃくか)は役人の様子から嘘だと見抜く。到著時の門番たちの様子も、飢えているようには見えなかった。劉琛(りゅうしん)は状況を把握し、見せしめのため数人を呼び出す。
刘皎 (りゅうきょう)の済善堂(さいぜんどう)から提供された食料は、現状では焼け石に水だった。慕灼華(ぼしゃくか)は地元の豪族が鍵を握ると考え、食料の配分方法を劉琛(りゅうしん)に相談する。沈驚鴻(しんきょうこう)は、刘皎 (りゅうきょう)の経験を活かすため、済善堂(せいぜんどう)に送ることを提案し、劉琛(りゅうしん)は同意する。
執剣(しゅうけん)は、飛鷹小隊(ひようしょうたい)が定京(ていきょう)中を探しても薛笑棠(せつしょうとう)を見つけられなかったと報告し、劉衍(りゅうえん)に謝罪する。劉衍(りゅうえん)は、薛笑棠(せつしょうとう)が長年江湖に身を置いていたため、身を隠す術に長けていると考える。刘皎 (りゅうきょう)が江南へ行ったことを知り、薛笑棠(せつしょうとう)も江南にいると確信した劉衍(りゅうえん)は、執剣(しゅうけん)に江南へ向かう準備を命じる。
太后(たいこう)は劉衍(りゅうえん)が薛笑棠(せつしょうとう)を追っていることを知り、佩蘭(はいらん)に劉衍が薛笑棠(せつしょうとう)を見つける前に殺すよう指示する。劉琛(りゅうしん)は役人たちに食料の提供を求めるが、皆、言い訳をして拒否する。慕灼華(ぼしゃくか)も有効な策を思いつけず苦悩する。刘皎 (りゅうきょう)は済善堂(せいぜんどう)に集まる難民たちに、今ある食料で粥を作り配給すると告げる。
沈驚鴻(しんきょうこう)は粥に米糠(こめぬか)と麸皮(ふすま)を混ぜる。すると、肥えた男たちが文句を言う。沈驚鴻(しんきょうこう)は、本当に飢えている者なら何でも食べるはずだと仮論する。慕灼華(ぼしゃくか)は策を練り、危険な賭けに出ることを決意する。刘皎 (りゅうきょう)は、何度も見かける見慣れない男に気づき、「笑棠」と呟きながら追いかける。沈驚鴻(しんきょうこう)は「薛将軍のことですか?」と尋ねるが、刘皎 (りゅうきょう)は人違いではないと答える。
郭巨力(かくきょりき)は街で張(ちょう)執事に出会い、執墨(しゅうぼく)の好物を尋ねる。張(ちょう)執事は執墨(しゅうぼく)が定京にいないことを伝える。慕灼華(ぼしゃくか)は劉衍らしき人物を見かけ、追いかけるが、見間違いだったと思う。慕灼華(ぼしゃくか)は食料問題解決のため、自身の一族に危機をもたらす策を実行に移す。慕栄(ぼえい)は解決策に悩んでいたが、慕灼華(ぼしゃくか)が訪ねてきて開倉放糧を提案する。慕栄(ぼえい)は提案を受け入れるが、目の前の女性が自分の娘だと気づいていない。
第17話の感想
第17話は、それぞれのキャラクターの思惑が交錯し、物語が大きく動き出す重要な回でした。慕灼華(ぼしゃくか)の正義感と機転、劉衍の彼女への秘めた想い、そして陰謀渦巻く宮廷内の権力争いなど、見どころが満載でした。
特に印象的だったのは、慕灼華(ぼしゃくか)の決断力です。民を救うため、自らの家係を危険に晒すほどの大きな賭けに出る彼女の勇気には心を打たれました。一見冷徹に見える劉衍も、慕灼華(ぼしゃくか)の行動を陰ながら見守り、彼女の身を案じている様子が垣間見え、二人の関係性の変化にも期待が高まります。
一方、刘皎 (りゅうきょう)と沈驚鴻(しんきょうこう)の江南行きも今後の展開を左右しそうです。薛笑棠(せつしょうとう)との再会は、物語にどのような波紋を投じるのでしょうか。また、太后(たいこう)の闇躍も不気味さを増しており、劉衍や慕灼華(ぼしゃくか)の行く手に危険が待ち受けていることを予感させます。
つづく