あらすじ
第19話は、劉衍(りゅうえん)と慕灼華(ぼしゃくか)の心の動き、そして慕灼華(ぼしゃくか)を取り巻く複雑な人間関係を描いています。慕灼華は劉衍への想いに戸惑い、彼の率直な反応にさらに動揺します。また、慕灼華の複雑な家庭環境も徐々に明らかになり、父親である慕栄(ぼえい)の一夫多妻制の家庭内では争いと嫉妬が渦巻いています。
そんな中、慕灼華と劉衍の関係は慕栄から疑念と反対を受け、特に母の遺骨を持ち帰る件で対立は頂点に達します。しかし、劉衍の正体が定王だと判明すると、慕栄の態度は一変します。
一方、刘皎 (りゅうきょう)を狙った陰謀が企てられ、薛笑棠(せつしょうとう)は公主を救おうとして窮地に陥ります。
最後に、慕灼華は家庭内の暴力に立ち向かい、師である商先生(しょうせんせい)を訪ねることを決意し、劉衍は彼女に寄り添います。
ネタバレ
慕灼華(ぼしゃくか)は劉衍(りゅうえん)への恋心を自覚し、彼を避けていた。劉衍(りゅうえん)はそれに気づき、慕灼華(ぼしゃくか)を問い詰めるが、彼女は顔を赤らめて逃げてしまう。
慕灼華(ぼしゃくか)の父、慕栄(ぼえい)の多くの妻妾たちは、慕灼華(ぼしゃくか)が連れてきた男たちの噂で持ちきりだった。大奥様は慕灼華(ぼしゃくか)の手腕を褒めるが、他の妻妾たちは嫉妬心を隠せない。そこで、19人の妻妾たちは真相を確かめるべく、慕灼華(ぼしゃくか)の部屋へ向かう。しかし、そこで出会ったのは執剣(しゅうけん)と執墨(しゅうぼく)という二人の護衛だけだった。彼女たちは二人を凡庸だと評し、引き揚げる。部屋の中にいた劉衍(りゅうえん)は、その評価をまんざらでもない様子で聞いていた。
劉衍(りゅうえん)と慕灼華(ぼしゃくか)は共に暮らし、仲睦まじく過ごしていた。劉衍(りゅうえん)が描いた風筝の美人画を見て、慕灼華(ぼしゃくか)は自分に価ていると喜ぶ。
ある日、慕栄(ぼえい)は二人で風筝遊びをする様子を目撃し、激怒する。男を甘やかすべきではないと劉衍(りゅうえん)を叱責し、慕灼華(ぼしゃくか)の亡き母について語り始める。慕灼華(ぼしゃくか)の表情が曇るのを見て、劉衍(りゅうえん)は慕栄(ぼえい)を遮り、彼女を連れ去る。慕栄(ぼえい)は劉衍(りゅうえん)をただの男妾だと見下し、不満を募らせる。
慕灼華(ぼしゃくか)は体調が回復したため、劉衍(りゅうえん)と共に屋敷を離れることを決める。しかし、その前に亡き母の遺骨を持ち帰ることを望む。慕栄(ぼえい)はそれを拒否し、生前裕福な暮らしをしたのだから死後のことは気にしなくて良いと言い放つ。怒った慕灼華(ぼしゃくか)に慕栄(ぼえい)が手を上げようとした瞬間、劉衍(りゅうえん)が間に入る。慕灼華(ぼしゃくか)は思わず「王爷」と叫び、慕栄(ぼえい)は驚きを隠せない。定京には複数の王爷がいることを指摘され、慕栄(ぼえい)はようやく劉衍(りゅうえん)の正体に気づき、慌てて跪き謝罪する。周囲の妻妾たちも騒動の理由が分からず困惑していたが、慕栄(ぼえい)の説明で劉衍(りゅうえん)が定王だと知り、驚愕する。
一方、周大人(しゅうたいじん)は部下に命じ、薛笑棠(せつしょうとう)を見つけ出すため、刘皎 (りゅうきょう)を囮に使うよう指示していた。慕灼華(ぼしゃくか)は母の遺骨を抱きしめ、母が慕家に嫁いだことを後悔していたのではないかと想いを馳せる。劉衍は、そんな彼女を優しく慰める。
その時、執剣(しゅうけん)が難民の暴動と刘皎 (りゅうきょう)の行方不明を報告に来る。二人は急いで公主を探しに向かう。同時に、劉琛(りゅうしん)と沈驚鴻(しんきょうこう)もこの知らせを受け取る。二人が刘皎 (りゅうきょう)に危害を加えようとしたその時、薛笑棠(せつしょうとう)が現れ公主を救うが、自身は崖から落ちてしまう。その光景を目の当たりにした刘皎 (りゅうきょう)はショックで気を失い、沈驚鴻(しんきょうこう)が付き添う。
目を覚ました刘皎 (りゅうきょう)は、真っ先に薛笑棠(せつしょうとう)の安否を尋ねる。そばで看病していた沈驚鴻(しんきょうこう)は、少し寂しげな表情を見せる。朝廷からの救援物資が届き、民衆は飢えから解放されたという知らせが入る。
その頃、庄老夫人(しょうろうふじん)の息子が捕らえられ、彼女は怒りの矛先を嫁である慕灼華(ぼしゃくか)の八妹(はちまい)に向け、暴力を振るっていた。そこに慕灼華(ぼしゃくか)が駆けつけ、八妹(はちまい)を救う。しかし、八妹(はちまい)は全ての不幸を慕灼華(ぼしゃくか)のせいだと責め立てる。
慕灼華(ぼしゃくか)は師である商先生(しょうせんせい)を訪ねようとする。劉衍は同行を申し出る。慕灼華(ぼしゃくか)は最初は躊躇するが、最終的に承諾し、二人は一緒に商先生(しょうせんせい)のもとへ向かう。
第19話の感想
第19話は、慕灼華(ぼしゃくか)と劉衍の関係性が深まる一方で、様々な問題が勃発する波乱の展開でした。慕灼華(ぼしゃくか)が劉衍への恋心を自覚し、彼を避ける様子は初々しく、微笑ましい仮面、彼女の不安も伝わってきました。劉衍はそんな慕灼華(ぼしゃくか)の気持ちに気づきながらも、優しく見守る姿が印象的です。二人の仲睦まじい様子は見ているこちらも温かい気持ちになりますが、慕栄(ぼえい)の存在が二人の関係を阻む壁となりそうで、今後の展開が気になります。
また、刘皎 (りゅうきょう)を巡る騒動は緊迫感がありました。薛笑棠(せつしょうとう)の自己犠牲的な行動は感動的でしたが、彼の安否が心配です。沈驚鴻(しんきょうこう)は刘皎 (りゅうきょう)に寄り添いながらも、報われない想いを抱えているようで切なく感じました。
さらに、慕灼華(ぼしゃくか)の家族の問題も深刻です。慕栄(ぼえい)の妻妾たちの嫉妬や、八妹(はちまい)への虐待など、慕家の複雑な人間関係が浮き彫りになりました。慕灼華(ぼしゃくか)は家族の問題にも立ち向かわなければならず、彼女の苦労が見て取れます。
つづく