あらすじ

第20話は、慕灼華(ぼしゃくか)と劉衍(りゅうえん)の複雑な恋愛模様と、慕灼華(ぼしゃくか)の仕事における成長を描いています。慕灼華は商先生(しょうせんせい)に、劉衍への想いと、それが自分の出世に影響することを危惧する胸の内を打ち明けました。商先生は彼女に、愛を恐れずに追求するように励まします。劉衍もまた商先生に自分の気持ちを伝え、慕灼華の進む道を阻むことはないと誓います。しかし、二人の愛は周囲からの妨害を受けます。例えば、二人の親密な時間を執剣(しゅうけん)が邪魔する場面もありました。

同時に、物語は庄文峰(しょうぶんぽう)の逮捕と、民衆が彼に抱く反感、そして公主への支持にも触れています。慕家の八男は現状に不満を抱き、定京へ行き慕灼華を告発しようとしますが、失敗に終わります。逆に、この行動が庄文峰たちの悪事を暴くきっかけとなり、荘氏父子は死刑判決を受けます。そして、慕灼華は戸部郎中に、沈驚鴻(しんきょうこう)は吏部郎中に任命されます。さらに、刘皎 (りゅうきょう)は褒美を慈善事業に寄付します。最後に、慕灼華は八妹(はちまい)を訪ね、自立した生活を送るよう励ましました。

ネタバレ

商先生(しょうせんせい)は慕灼華(ぼしゃくか)に劉衍(りゅうえん)への想いを尋ねる。慕灼華(ぼしゃくか)は想いを認めるも、これまでの苦労が水の泡となることを恐れ、心に秘めておくべきだと葛藤する。商先生(しょうせんせい)は、女性が愛のために自分を犠牲にするのは世の常であり、彼女のせいではないと慰める。慕灼華(ぼしゃくか)は現状を変えることはできないと悟り、劉衍(りゅうえん)への想いを胸に秘める決意を固める。別れ際、慕灼華(ぼしゃくか)は商先生(しょうせんせい)に定京へ来るよう誘い、商先生(しょうせんせい)は役人として立派に務めることが孝行だと諭す。

劉衍(りゅうえん)は商先生(しょうせんせい)と二人きりになり、慕灼華(ぼしゃくか)への想いを語る。商先生(しょうせんせい)は、慕灼華(ぼしゃくか)にとって劉衍(りゅうえん)への想いは幸運であると同時に、足枷となる可能性もあると指摘する。劉衍(りゅうえん)は慕灼華(ぼしゃくか)の心に既に想う人がいることを理解しつつも、彼女のために道を切り開くと誓う。そして、慕灼華(ぼしゃくか)に出会えたこと自体が幸運であり、多くは望まないと語る。劉衍(りゅうえん)の誠実な言葉に、商先生(しょうせんせい)は感銘を受ける。慕灼華(ぼしゃくか)は二人の影を見ながら、密かに喜びを噛み締める。劉衍(りゅうえん)が慕灼華(ぼしゃくか)の手を取ろうとした瞬間、執剣(しゅうけん)が現れ、慕灼華(ぼしゃくか)は恥ずかしそうに走り去る。

庄文峰(しょうぶんぽう)は定京へ護送される途中、民衆から激しい罵声を浴びせられる。一方、刘皎 (りゅうきょう)には民衆から感謝の贈り物が贈られ、劉琛(りゅうしん)はそれを受け取るよう促す。慕灼華(ぼしゃくか)は庄文峰(しょうぶんぽう)の逮捕に安堵するも、沈驚鴻(しんきょうこう)は、これは始まりに過ぎないと意味深な言葉を告げる。庄老夫人(しょうろうふじん)は息子の逮捕に激怒し、慕家老八(むけろうはち)に八つ当たりをする。老八は全てを慕灼華(ぼしゃくか)のせいにし、彼女の過去を暴こうと定京へ向かう。

慕灼華(ぼしゃくか)は母の遺骨と共に実家へ戻り、かつて母と暮らした家が今は劉衍(りゅうえん)の屋敷となっていることに感慨深く涙を流す。執墨(しゅうぼく)は郭巨力(かくきょりき)を訪ね、菓子を差し入れる。二人は久しぶりの再会を喜び、楽しそうに菓子を食べる。執剣(しゅうけん)は、甘いものが苦手なはずの執墨(しゅうぼく)の様子に驚く。慕灼華(ぼしゃくか)は郭巨力(かくきょりき)から、劉衍(りゅうえん)が江南行きで弾劾されたことを知る。彼女は劉俱(りゅうく)に謁見し、劉衍(りゅうえん)を弁護する。劉俱(りゅうく)は既に弾劾の奏上を退けており、劉衍(りゅうえん)の人柄を信頼していると明かす。

慕家老八(むけろうはち)は登聞鼓を鳴らし、冤罪を訴える。彼女は庄文峰(しょうぶんぽう)と庄自賢(しょうじけん)の罪を証拠と共に告発し、その場で倒れる。庄自賢(しょうじけん)は冤罪を主張するも、聞き入れられず、庄文峰(しょうぶんぽう)と共に死刑を宣告される。慕家老八(むけろうはち)は褒賞され、慕灼華(ぼしゃくか)は戸部郎中、沈驚鴻(しんきょうこう)は吏部郎中に昇進する。刘皎 (りゅうきょう)も褒賞を受け、それを米糧に換えて済善堂(せいぜんどう)へ寄付する。慕灼華(ぼしゃくか)は自らの功績を劉衍(りゅうえん)のおかげだと感謝するが、劉衍は彼女の努力の成果だと返す。劉衍は慕灼華(ぼしゃくか)と老八の策略を見抜いていたが、咎めることなく、慕灼華(ぼしゃくか)の自主性を尊重する。慕灼華(ぼしゃくか)は老八を見舞い、これからは自分の力で生きていくよう励ます。

第20話の感想

第20話は、慕灼華(ぼしゃくか)の覚悟と劉衍の深い愛情、そして正義が貫かれるカタルシスが印象的な回でした。様々な感情が交錯する中、それぞれのキャラクターの成長と変化が丁寧に描かれており、見応えのあるストーリー展開でした。

慕灼華(ぼしゃくか)は、劉衍への想いを自覚しながらも、自らの立場と使命感の狭間で葛藤します。彼女の揺れる心情は、身分差や周囲の状況を考えると当然のことでしょう。それでも、民のために、そして自らの信念のために、困難に立ち向かう彼女の強さに心を打たれました。

劉衍の慕灼華(ぼしゃくか)への想いは、まさに「見守る愛」と言えるでしょう。彼女の意誌を尊重し、陰ながら支える姿は、真の愛情を感じさせます。慕灼華(ぼしゃくか)の影に寄り添うシーンは、二人の心の距離が縮まっていることを象徴しているようで、胸が締め付けられるような感動を覚えました。

つづく