あらすじ
第21話は、慕灼華(ぼしゃくか)の仕事と恋愛における進展を描いています。彼女は亡き母の形見である梅の花模様の手拭いを見つけ、喜びに浸ります。そして劉衍(りゅうえん)と共に、庄文峰(しょうぶんぽう)と荘自賢の死について語り合い、二人の死が自殺ではないという疑念を抱きます。
新しい官服に身を包んだ慕灼華(ぼしゃくか)は、戸部での仕事に取り掛かり、李(リー)大人からの信頼を得て、方観政(ほうかんせい)とも和解します。一方、太后(たいこう)は慕灼華と劉衍の関係に興味を持ち、密かに介入を企て始めます。
慕灼華は刘皎 (りゅうきょう)の招待を受け、同心節に参加することに。街で劉衍への贈り物として笛を選びます。同心節当日、周囲の視線や噂をものともせず、慕灼華は劉衍に笛を贈ります。劉衍もまた、その贈り物を喜んで受け取ります。
これらの出来事は、慕灼華が官吏として成長し、知恵を深めていることを示すだけでなく、劉衍との関係が温まりつつあることも暗示しています。
ネタバレ
慕家老八(むけろうはち)は慕灼華(ぼしゃくか)への感謝を伝え、慕灼華(ぼしゃくか)は自身のために行動したまでだと返答します。慕家老八(むけろうはち)から梅の花の刺繍が施されたハンカチを受け取った慕灼華(ぼしゃくか)は、それが亡き母の遺品だと気づき、胸に抱きしめました。執墨(しゅうぼく)から庄文峰(しょうぶんぽう)と庄自賢(しょうじけん)が畏罪自殺したと報告を受けますが、劉琛(りゅうしん)は沈驚鴻(しんきょうこう)と共に酒を酌み交わしながら、この一件に不審を抱きます。
慕灼華(ぼしゃくか)もまた、二人の死は自殺ではないと劉衍(りゅうえん)に告げます。会話中、慕灼華(ぼしゃくか)の首元に花びらが落ち、劉衍(りゅうえん)がそれを取ってあげます。劉衍(りゅうえん)は庄文峰(しょうぶんぽう)について、江南に人を送り調査させます。新しい官服に身を包んだ慕灼華(ぼしゃくか)は、鏡に映る自分に満足げです。
新しい職場では李(リー)大人に出会い、戸部は良い部署だと聞かされます。李(リー)大人に案内された席に著くと、方観政(ほうかんせい)が慕灼華(ぼしゃくか)に謝罪に訪れます。北涼での舌戦や汚職事件の捜査に関して、自身の見識の狭さを詫びる方観政(ほうかんせい)に対し、慕灼華(ぼしゃくか)は意見の相違だと受け流します。
太后(たいこう)は慕灼華(ぼしゃくか)が劉衍(りゅうえん)のために弁護したことを知り、二人の関係が逢瀬ではなく本気だと気づきます。劉衍(りゅうえん)には手を出さないものの、彼の順風満帆な様子には黙っていられない様子です。慕灼華(ぼしゃくか)は刘皎 (りゅうきょう)から同心節の招待状を受け取ります。郭巨力(かくきょりき)に同心節とは男女が贈り物をする行事だと説明すると、郭巨力(かくきょりき)は劉衍(りゅうえん)への贈り物を勧めます。慕灼華(ぼしゃくか)は劉衍に命を救われた恩義を感じ、贈り物をすることにします。
沈驚鴻(しんきょうこう)は刘皎 (りゅうきょう)が薛笑棠(せつしょうとう)の肖像画を愛おしそうに眺めているのを目撃し、その場を立ち去ります。怪我を負いますが、それよりも心の痛みの方が大きいのでした。慕灼華(ぼしゃくか)は劉衍への贈り物として笛を探しに街へ出ます。郭巨力(かくきょりき)は執墨(しゅうぼく)から劉衍が笛を吹くのが好きだと聞き出していました。
笛屋の前で、慕灼華と郭巨力(かくきょりき)は孫紜紜(そんうんうん)と遭遇します。店内で同じ笛を気に入った三人は、互いに譲りません。孫紜紜(そんうんうん)は高値を提示しますが、店主は慕灼華に詩を詠めば笛を譲ると言います。
同心節当日、多くの女性たちは慕灼華の噂話に花を咲かせます。太后(たいこう)、刘皎 (りゅうきょう)、劉琛(りゅうしん)、劉衍が登場し、慕灼華は太后(たいこう)の姿に緊張します。劉琛(りゅうしん)に挨拶を無視された理由を劉衍に尋ねると、他の女性たちの敵になるのを避けるためだと教わります。孫紜紜(そんうんうん)は劉衍に「霊犀」という笛を贈ろうとしますが、断られます。慕灼華が贈った「独幽」という笛は、劉衍に喜んで受け取られました。
第21話の感想
第21話は、慕灼華と劉衍の絆が深まる一方で、周囲の陰謀や嫉妬が渦巻く、波乱の幕開けを感じさせる回でした。
まず、慕灼華と劉衍のさりげない愛情表現が印象的です。花びらを拾ってあげる仕草や、贈り物の笛を通して、互いを思いやる気持ちが繊細に描かれていました。特に、慕灼華が劉衍のために笛を探し、詩を詠んで手に入れるシーンは、彼女の聡明さと一途な想いが伝わってきて、胸を打たれました。二人の関係は、もはや逢瀬ではなく、確かな愛情へと発展していることが感じられます。
一方で、太后(たいこう)の存在が不穏な影を落とします。劉衍への執著を捨てきれない彼女は、二人の幸せを邪魔しようと企んでいるようです。今後の展開において、太后(たいこう)がどのような策略を仕掛けてくるのか、目が離せません。
また、沈驚鴻(しんきょうこう)の片思いの苦悩も切なく描かれています。刘皎 (りゅうきょう)が想いを寄せるのは薛笑棠(せつしょうとう)であり、沈驚鴻(しんきょうこう)の気持ちは届かないままです。彼の胸の痛みは、手に負った傷よりも深く、見ているこちらも胸が締め付けられるようでした。
つづく