あらすじとネタバレ

劉衍(りゅうえん)、兄弟の争いに終止符を打つ

劉衍(りゅうえん)が、まだ揉めてる皇子たちの前に現れた。

兄の劉瑜(りゅうゆ)は、自分を罪人として裁きに来たのかって食ってかかる。

でも劉衍(りゅうえん)は静かに諭すんだ。

今まで牢に入れなかったのは、私刑で殺されるのを防ぐためだったって。

それに、親父さん(先帝)がお前を本気で気に入ってなかったことくらい、本当は分かってるだろってね。

じゃあなんで弟の劉琛(りゅうしん)をすぐに皇帝にしなかったのか。

それは、劉琛(りゅうしん)を鍛えるための試練だったんだよ。

劉衍は、自分が叔父として兄弟の仲を取り持てなかったことを悔やんでいた。

もう争いはやめて、それぞれ自分の領地に帰って静かに暮らせと、二人を諭したんだ。

迫りくる死と、ついた嘘

話の途中で、劉衍がガクッと倒れちゃった。側近の執剣(しゅうけん)が慌てて支える。医者の診断は、もう手の施しようがないっていう非情なものだった。執剣(しゅうけん)は信じられずに医者に詰め寄るけど、現実は変わらない。

そこへ、慕灼華(ぼしゃくか)が心配してやって来た。

執剣(しゅうけん)は、彼女の医術なら奇跡を起こせるかもしれないって期待する。

でも劉衍は、自分の病気のことを絶対に言うなと口止めするんだ。

心配そうな顔の慕灼華(ぼしゃくか)に、劉衍は無理して笑ってみせる。

大丈夫だから、明日の朝議の準備をしなさいって彼女を帰そうとするんだよ。

慕灼華(ぼしゃくか)はそばにいたいって言うけど、劉衍は休みたいからと断った。

彼女が布団をかけ直して部屋を出ていくのを、どんな気持ちで見送ったんだろうな。

劉衍は心の中でつぶやくんだ。今、お前が去ることが、お互いにとって一番いいことなんだって。

慕灼華への最後の贈り物

劉衍は残りの時間を使って、新皇帝になった劉琛(りゅうしん)の仕事を手伝い始めた。同時に、自分の死後の準備も進めていく。長年仕えてくれた張(ちょう)執事に、この屋敷を譲ると告げた。本当はずっと一緒にいたかったって、本音を漏らしながらね。

執剣は、慕灼華に本当のことを話すべきだって言う。

二人は苦楽を共にしてきた仲じゃないか。

彼女ならきっと受け止めて、最後の時間を一緒に過ごしてくれるはずだって。

でも劉衍は聞かない。

みじめな姿を見せたくない。一番輝いていた自分だけを覚えていてほしいんだってさ。

それに、自分の死が都の混乱を招くことも恐れていた。

新皇帝の地盤が固まるまでは、自分の死は隠しておきたい。

そのために、彼は慕灼華に黙って姿を消すことを選んだんだ。

自分の全財産を彼女の名義に移したことも、今はまだ秘密にして。

突然の別れ

慕灼華は、書斎で劉衍を待っていた。でも彼は、窓の隙間から眠っている彼女の顔をそっと見るだけで、声もかけずに去っていく。切なすぎるよな。

数日後、慕灼華は劉衍が朝議に出てこないことを不思議に思っていた。そんな時、定王(劉衍)が各国を巡察するために都を出るっていう噂を耳にする。そして家に帰ると、侍女の郭巨力(かくきょりき)から一通の手紙を渡された。それが、劉衍からの別れの手紙だった。慕灼華は、二人で過ごした庭を一人で歩きながら、思い出に浸るしかなかった。劉衍はもう、彼女の重荷にはなりたくない。そう決めて、一人で逝くことを選んだんだ。

第28話の感想

今回の話は、もう胸が締め付けられるよな。劉衍の行動が、あまりにも切なくてやるせない。愛する人のために、自分の死を隠して一人で去っていくなんて、どれだけ強い男なんだって思う。でも、それが本当に慕灼華のためになるのかって言われると、正直、俺は疑問だ。

何も知らない慕灼華が可哀想すぎるだろ。ある日突然、理由もわからずに別れの手紙を突きつけられるんだぞ。彼女の気持ちを考えると、本当にやりきれない。劉衍は、自分が一番輝いていた姿だけを覚えていてほしいって言ってたけど、愛する人なら、どんな姿になっても最後まで一緒にいたいって思うんじゃないかな。彼の優しさは、ある意味で残酷な自己満足にも見えちゃうんだよ。

もちろん、新皇帝や国のことを考えての決断っていうのは理解できる。さすがは国のことを第一に考える定王だ。でも、一人の男としては、もっとわがままになってほしかった。慕灼華と最後まで一緒にいて、彼女の腕の中で最期を迎えるっていう選択肢はなかったのかって、どうしても考えちゃうよな。

一方で、劉皎(りゅうきょう)のほうもヤバいことになってる。叔父さんが自分のために自害して、彼女も後戻りできないところまで来ちゃった感じだ。こっちの物語も、どんどんきな臭くなってきて目が離せない。

つづく