あらすじ

第30話は、劉琛(りゅうしん)と沈驚鴻(しんきょうこう)が恩蔭制度の庶民への影響や、名門貴族が婚姻を通じて築き上げる利権構造について議論する場面から始まります。劉琛は、将来の禍根を断つため、名門貴族の排除を決意します。

一方、慕灼華(ぼしゃくか)は負傷した劉衍(りゅうえん)を看病し、共に未来の生活に思いを馳せます。劉衍は宮廷での変事の日の出来事を思い返し、拒馬河(きょばがわ)の戦いには何か隠された秘密、特に遺詔のすり替えについて、疑念を抱きます。

真相を探るべく定京へ戻った劉衍は、劉琛が性急に名門貴族の削減を進めようとしていることに対し、今は動くべきではないと進言します。

劉衍は皇太后(たいこう)を見舞い、真犯人の手がかりを得ようとしますが、皇太后は言葉を話すことができず、噛むことでしか意思表示ができません。

最後に、慕灼華(ぼしゃくか)は皇太后が残した手がかりから、刘皎 (りゅうきょう)が黒幕の一人である可能性に思い至り、沈驚鴻(しんきょうこう)も巻き込まれているのではないかと心配します。

ネタバレ

劉琛(りゅうしん)と沈驚鴻(しんきょうこう)は会談し、沈驚鴻(しんきょうこう)は恩蔭製度の弊害、つまり平民が一生出世できない現状と、名門貴族が姻戚関係で朝廷の利権を独占している現状を指摘しました。劉琛(りゅうしん)は名門貴族の排除を決意します。

一方、慕灼華(ぼしゃくか)は劉衍(りゅうえん)の傷だらけの背中を目にし、彼が幾度も生死の境を彷徨ったことを悟ります。劉衍(りゅうえん)は優しく彼女を慰め、二人は将来の幸せな生活を夢見て語り合います。

慕灼華(ぼしゃくか)と劉衍(りゅうえん)は一緒に食事に出かけ、灼華は衍の碗に料理を次々と盛り付けます。宿屋の女将は二人の仲睦まじい様子を見て、新婚夫婦だろうと推測します。食事中、宿屋の語り部が定王の英雄譚を語り、灼華は衍にその真相を尋ねます。衍は当時の戦の様子を語り、灼華は衍の武勇に感嘆します。灼華は衍に、この武力を自分に向けることはないと確認し、衍は冗談めかして否定します。執墨(しゅうぼく)は郭巨力(かくきょりき)に木瓜のデザートを渡して告白しようとしますが、巨力は食べることに夢中で気づきません。

劉衍(りゅうえん)は就寝中に太后(たいこう)の言葉を夢に見、宮廷クーデターの日の出来事を思い出します。彼は当時、悲しみに暮れて深く考える余裕がありませんでしたが、今になって様々な矛盾点に気づきます。彼は灼華に、拒馬河(きょばがわ)の戦いでの敗北と遺詔のすり替えは同一人物の仕業ではないかと疑念を抱き、劉俱(りゅうく)に仕えていた宦官が劉俱(りゅうく)の死後、自害したことから、彼が何かを知っていたのではないかと推測します。灼華は衍が都に戻りたがっていることを察します。

劉衍(りゅうえん)は都の不安定な情勢を憂慮し、真相を究明するために都へ戻る決意を固めます。一方、沈驚鴻(しんきょうこう)に唆された劉琛(りゅうしん)は、名門貴族の排除を急ぎます。朝廷では多くの者が仮対しますが、沈驚鴻(しんきょうこう)は巧みな弁舌で彼らを黙らせます。劉琛(りゅうしん)も沈驚鴻(しんきょうこう)の意見に賛同し、仮対する大臣たちを叱責します。議論が紛糾する中、劉衍(りゅうえん)が帰還します。劉琛(りゅうしん)は、自分が眠れないほど悩んでいる問題について衍に相談します。劉衍(りゅうえん)は短い言葉で大臣たちの偽善を暴き、劉琛(りゅうしん)も彼らの本心を見抜きます。

劉琛(りゅうしん)は問題の根源が恩蔭製度にあると指摘しようとしますが、劉衍(りゅうえん)はそれを製止します。退朝後、劉衍(りゅうえん)は時期尚早だと劉琛(りゅうしん)に告げ、劉琛(りゅうしん)は沈驚鴻(しんきょうこう)から聞いた名門貴族の悪行を語り、彼らの排除を急ぐべきだと主張します。劉衍(りゅうえん)は沈驚鴻(しんきょうこう)の名前を聞き、疑念を抱きます。

劉衍(りゅうえん)は太后(たいこう)を訪ね、拒馬河(きょばがわ)の戦いの黒幕は一人ではないと考え、もう一人の黒幕を明かすよう求めます。しかし太后(たいこう)は言葉を失っており、劉衍(りゅうえん)が紙筆を渡すと、太后(たいこう)は彼の腕に噛みつきます。

帰宅後、劉衍は太后(たいこう)の様子を灼華に話します。灼華は衍の腕の噛み跡を見て、刘皎 (りゅうきょう)の腕にも同じような跡があったことを思い出します。彼女は太后(たいこう)が真犯人の手がかりを示そうとしているのだと気づき、刘皎 (りゅうきょう)の腕の噛み跡について衍に話します。二人は刘皎 (りゅうきょう)の関与を疑い始めます。そこへ何新(かしん)が、劉俱(りゅうく)の側近の宦官と刘皎 (りゅうきょう)が繋がっていたという報告をもたらします。遺詔のすり替えについても説明がつきます。灼華は、刘皎 (りゅうきょう)を慕う沈驚鴻(しんきょうこう)が利用されているのではないかと心配し、薛笑棠(せつしょうとう)と同じ運命を辿らないことを祈ります。

第30話の感想

第30話は、宮廷内の陰謀が徐々に明らかになり、緊張感が高まる展開でした。特に、劉衍が太后(たいこう)を訪ねるシーンは印象的です。言葉を発せない太后(たいこう)が劉衍の腕に噛みつくという行動は、彼女の無念さと真犯人への強い憎しみを感じさせ、視聴者の心を掴みます。これまで穏やかな愛情劇が中心でしたが、ここに来てサスペンス要素が強まり、今後の展開がますます気になります。

慕灼華(ぼしゃくか)と劉衍の仲睦まじい様子は、物語の癒しとなっています。灼華が衍の碗に料理をたくさん盛るシーンは、彼女の愛情深さが伝わってきて微笑ましいです。しかし、そんな二人の幸せな時間も、宮廷の陰謀によって脅かされようとしています。二人の愛が試練に立ち向かうことができるのか、注目です。

沈驚鴻(しんきょうこう)の闇躍も不穏な影を落とします。劉琛(りゅうしん)を唆し、名門貴族の排除を急がせる彼の真意は何なのか?刘皎 (りゅうきょう)への想いが彼を突き動かしているようですが、その想いが利用されている可能性も示唆され、今後の彼の動向が鍵を握りそうです。

つづく