あらすじ

第33話は、刘皎 (りゅうきょう)と沈驚鴻(しんきょうこう)の関係と葛藤、そして孫家の滅亡の過程を中心に描かれています。

刘皎 (りゅうきょう)は皇姑祖(こうぐそ)から周りの人を大切にするように諭され、誅邪剣の事を尋ねますが、明確な答えは得られませんでした。

一方、沈驚鴻(しんきょうこう)は正義のため、孫雲謙(そんうんけん)から提供された帳簿を使い孫家の悪事を暴き、孫家は厳しい処罰を受けます。裏切られたと感じた孫雲謙は、沈驚鴻を激しく責め、彼との縁を切ります。

刘皎 (りゅうきょう)は周家と手を組み自分の地位を固めようとしますが、その行動は沈驚鴻の不興を買います。

また、慕灼華(ぼしゃくか)は朝廷で改革案を提出し、皇帝の支持を得ますが、同時に自分が刘皎 (りゅうきょう)の罠に嵌まりそうになった事に気付きます。

最後に、孫雲謙は自責に苛まれ自ら命を絶ち、孫紜紜(そんうんうん)は慕灼華(ぼしゃくか)を責めます。

ネタバレ

刘皎 (りゅうきょう)の叔母である皇太后(たいこう)が彼女を訪ね、深夜に沈驚鴻(しんきょうこう)が柔嘉(じゅうか)を訪れるのを目撃する。二人の関係を怪しむ皇太后(たいこう)に対し、柔嘉(じゅうか)は彼が困窮する師弟であると説明する。皇太后(たいこう)は彼女に周りの人を大切にするよう諭すが、柔嘉(じゅうか)は自分の考えがあると言い返す。そして、誅邪剣の所在を尋ねる柔嘉(じゅうか)に、皇太后(たいこう)は警戒心を露わにし、何を聞いて良く、何を聞いてはいけないのかをわきまえるよう忠告する。

一方、沈驚鴻(しんきょうこう)は孫雲謙(そんうんけん)に協力を求める。孫雲謙(そんうんけん)も協力したい気持ちはあるものの、相手が自分の父親であるため、簡単には承諾できない。沈驚鴻(しんきょうこう)は孫家の安全を保証し、民衆のために共に戦うよう説得する。孫雲謙(そんうんけん)は「孫という姓でなければ…」と苦悩しながらも、最終的に天興号の帳簿を沈驚鴻(しんきょうこう)に渡す。帳簿には沈驚鴻(しんきょうこう)が求める全ての情報が記されており、約束を守るよう念を押される。

沈驚鴻(しんきょうこう)は朝議でその帳簿を劉琛(りゅうしん)に提出する。証拠を突きつけられた劉琛(りゅうしん)は、孫汝(そんじょ)に仮論の余地を与えない。沈驚鴻(しんきょうこう)は孫家の罪は重いものの、帳簿を提供した孫雲謙(そんうんけん)の情状酌量を求める。劉琛(りゅうしん)は一度は命を助けようとするが、周大人(しゅうたいじん)から孫汝(そんじょ)が北涼と通敵していたという告発を受け、激怒し孫汝(そんじょ)の処刑を命じる。孫家の男子は流刑、女子は奴婢に落とされることとなった。沈驚鴻(しんきょうこう)は判決の変更を願い出るも、劉琛(りゅうしん)の決意は固く聞き入れられない。

全てを失った孫雲謙(そんうんけん)は沈驚鴻(しんきょうこう)を責め立てる。自分を友と思っていた沈驚鴻(しんきょうこう)に利用されたと嘆き、父親の言葉通り自分が愚かだったと悔やむ。そして、「沈大人」と冷たく呼び捨て、沈驚鴻(しんきょうこう)との友情は完全に壊れてしまう。

刘皎 (りゅうきょう)は周大人(しゅうたいじん)に接触し、孫家が滅亡した今、朝で最も力を持つ周家と手を組むことを提案する。沈驚鴻(しんきょうこう)は柔嘉(じゅうか)に孫家の件を問いただすが、彼女は知らないふりをする。周家との連携を問い詰められると、もはや後の祭りだと開き直る。沈驚鴻(しんきょうこう)は孫家を守る約束を破ったことを責めるが、柔嘉(じゅうか)は孫雲謙(そんうんけん)の命は助けたと主張し、二人の溝は深まるばかり。

慕灼華(ぼしゃくか)は朝議で改革案を提出し、劉衍(りゅうえん)を始め大臣たちの賛同を得る。商守(しょうしゅ)の遺稿を読み、恩蔭製度の真意を理解した慕灼華(ぼしゃくか)は、師の死の真相究明にも乗り出す。劉衍(りゅうえん)と共に調査を進める中で、刘皎 (りゅうきょう)が黒幕である可能性に辿り著くが、劉衍(りゅうえん)は罠に嵌らないよう忠告する。

劉琛(りゅうしん)も慕灼華(ぼしゃくか)の提案に賛同し、改革を試みることに。劉衍(りゅうえん)は恩蔭製度は最終的に排除すべき毒瘤であると劉琛(りゅうしん)に伝え、過渡期としての改革であることを確認する。劉俱(りゅうく)から子供たちの後事を託された劉衍(りゅうえん)は、柔嘉(じゅうか)の現状に責任を感じていた。

刘皎 (りゅうきょう)は孫紜紜(そんうんうん)を救出し、陰に陽に慕灼華(ぼしゃくか)が孫家滅亡の原因であることを吹き込む。酒に溺れた孫雲謙(そんうんけん)は自らの手で命を絶ち、その現場を目撃した孫紜紜(そんうんうん)は、全ての憎しみを慕灼華(ぼしゃくか)にぶつけるのだった。

第33話の感想

第33話は、これまでの伏線が一気に回収され、主要人物たちの運命が大きく揺れ動いた怒涛の展開でした。特に印象的なのは、沈驚鴻(しんきょうこう)と孫雲謙(そんうんけん)の友情の崩壊です。互いに信頼し合っていた二人の関係が、沈驚鴻(しんきょうこう)の行動によって脆くも崩れ去る様は、見ていて胸が締め付けられました。沈驚鴻(しんきょうこう)は国のため、民のためとはいえ、友を裏切り、その家族を破滅に追いやってしまった罪悪感に苛まれることでしょう。彼の苦悩と葛藤が、今後の物語にどう影響していくのか、目が離せません。

また、刘皎 (りゅうきょう)の闇躍も恐ろしいものがありました。周家と手を組み、孫家を滅亡に追い込み、更には孫紜紜(そんうんうん)を利用して慕灼華(ぼしゃくか)に憎しみを植え付けるなど、彼女の冷酷さと計算高さは底知れないものを感じさせます。権力への執著が、彼女をどこまで歪めていくのか、今後の展開が不安になります。

一方、慕灼華(ぼしゃくか)は冷静な判断力と行動力で、難局を乗り越えようとしています。恩蔭製度改革という難題に挑み、師の死の真相究明にも著手するなど、彼女の聡明さと正義感は、まさに国の希望と言えるでしょう。しかし、刘皎 (りゅうきょう)の策略によって、思わぬ窮地に陥る可能性も否定できません。彼女がどのように困難を乗り越え、国を救っていくのか、今後の活躍に期待が高まります。

つづく