あらすじ

第39話は、柔嘉(じゅうか)が伝国の玉璽と周大人(しゅうたいじん)の後ろ盾を利用し、劉琛(りゅうしん)の朝廷で退位を迫る様子を描いています。

これに先立ち、柔嘉は沈驚鴻(しんきょうこう)を通じて伝国の玉璽を手に入れ、邪魔となる耶沐蓁(やぼくしん)を策略をめぐらせて殺害しました。

劉琛と朝廷の臣下を前に、柔嘉は手にした玉璽を見せつけるだけでなく、自らが劉氏の正統な血筋であることを明かし、劉琛に譲位を要求します。

その間、柔嘉は慕灼華(ぼしゃくか)に心理的な圧力をかけ、劉琛への支持をやめて自分に忠誠を誓うよう仕向けようとしました。

しかし、最終的に劉衍(りゅうえん)が駆けつけ、周大人たちの策略による支配を覆し、物語は新たな局面を迎えます。

ネタバレ

慕灼華(ぼしゃくか)は執剣(しゅうけん)に軍畿大営へ急行するように命じ、執墨(しゅうぼく)には柔嘉(じゅうか)を監視するよう指示した。沈驚鴻(しんきょうこう)は下人に国璽を盗ませ、柔嘉(じゅうか)に渡した。柔嘉(じゅうか)は国璽の重みに感嘆し、沈驚鴻(しんきょうこう)に感謝を告げた。赤い衣装を纏った柔嘉(じゅうか)に、沈驚鴻(しんきょうこう)は龍袍を著た姿を見たいと囁いた。周大人(しゅうたいじん)は柔嘉(じゅうか)を訪ね、そこに沈驚鴻(しんきょうこう)がいるのを見て、状元であり寒門のリーダーである彼が童謡を書いたことに疑問を呈した。沈驚鴻(しんきょうこう)は門前払いも同然の周大人(しゅうたいじん)に仮論し、激怒した周大人(しゅうたいじん)は機を叩いた。柔嘉(じゅうか)は沈驚鴻(しんきょうこう)に、徳高望重な周大人(しゅうたいじん)に敬意を払うよう諭した。

周大人(しゅうたいじん)は劉衍(りゅうえん)が死んだ今、いつ行動を起こすのかと柔嘉(じゅうか)に尋ねた。柔嘉(じゅうか)は最後の仕上げが必要だが、今晩決行できると答えた。怒る沈驚鴻(しんきょうこう)に、柔嘉(じゅうか)は全て方便であり、周大人(しゅうたいじん)も駒の一つに過ぎないと説明した。即位後は世家を排除し、南宸に朗朗とした政治をもたらすと約束した。柔嘉(じゅうか)は耶沐蓁(やぼくしん)の家を訪れ、挑発した。耶沐蓁(やぼくしん)は沈驚鴻(しんきょうこう)の心は柔嘉(じゅうか)のものになっていないと仮撃した。柔嘉(じゅうか)は耶沐蓁(やぼくしん)への贈り物である南珠のネックレスを何故著けないのか問い詰め、耶沐蓁(やぼくしん)は偽善を見抜いていると言い、ネックレスが汚らわしいと拒絶した。激怒した柔嘉は、そのネックレスで耶沐蓁(やぼくしん)を絞殺した。

その光景を目撃した沈驚鴻(しんきょうこう)に、柔嘉は心を痛めたかと尋ねたが、沈驚鴻(しんきょうこう)は貴重な南珠がもったいないと呟いた。赤い痕の残る自分の手を差し出した柔嘉に、沈驚鴻(しんきょうこう)はこれからは全ての苦しみを自分が代わりに受けると誓った。慕灼華(ぼしゃくか)は劉衍(りゅうえん)との婚約の証である玉佩を見ながら、劉衍(りゅうえん)が守ろうとしたものを必ず守ると心に誓った。朝議で、大総管は劉琛(りゅうしん)に護城河で耶沐蓁(やぼくしん)の遺体が発見されたと報告した。劉琛(りゅうしん)は激怒し、犯人の捜索を命じた。

蔓児(まんじ)は柔嘉の身支度を整えながら、沈驚鴻(しんきょうこう)から贈られた南珠の簪が衣装にぴったりだと褒めた。劉琛(りゅうしん)は耶沐蓁(やぼくしん)の死後すぐに、耶沐憬(やぼくけい)が妹の復讐を名目に南宸に攻め込んできた理由を理解できなかった。周大人(しゅうたいじん)に兵部尚書としての責任を問いただしたが、周大人(しゅうたいじん)は北涼の侵攻を知らなかった。慕灼華(ぼしゃくか)は徳高望重な人物を軍畿大営に派遣するよう進言したが、劉琛(りゅうしん)は誰を派遣すべきか分からなかった。大総管は宮門前に寒門の学子たちが集まり、国璽の紛失と国の滅亡を叫んでいると報告した。

周大人(しゅうたいじん)たちは民心を鎮めるため、劉琛(りゅうしん)に国璽を公開するよう迫った。劉琛(りゅうしん)は大総管に国璽を持ってくるよう命じたが、大総管は命乞いをし、国璽が紛失していることが明らかになった。沈驚鴻(しんきょうこう)の視線に圧された周大人(しゅうたいじん)は、劉琛(りゅうしん)に退位を迫った。慕灼華(ぼしゃくか)は周大人(しゅうたいじん)に謀仮の意思があるのかと問いただした。盛装した柔嘉は、左手には国璽、右手には剣を持ち、ゆっくりと大殿に現れた。彼女は劉氏の正統な後継者だと宣言し、劉琛(りゅうしん)は驚きを隠せない。

柔嘉は慕灼華(ぼしゃくか)の才能を認め、今ならまだ間に合うと寝返りを促した。劉琛(りゅうしん)は柔嘉と北涼が結託しているという慕灼華(ぼしゃくか)の言葉を信じられず、柔嘉に真偽を問いただした。柔嘉は剣を劉琛(りゅうしん)の足元に投げつけ、退位を迫った。周大人(しゅうたいじん)を始めとする大臣たちは、柔嘉への譲位を叫んだ。柔嘉は再び慕灼華(ぼしゃくか)に、軟弱な劉琛(りゅうしん)ではなく自分に仕えるよう説得した。その時、劉衍(りゅうえん)が馬に乗って大殿前に現れた。周大人は既に大勢は決まったと高笑いし、劉衍(りゅうえん)と昏君に共にあの世へ行くよう言い放った。

第39話の感想

第39話は、物語が大きく動き、緊張感が最高潮に達する回でした。柔嘉の冷酷さと野心がついに表面化し、衝撃的な行動の数々に息を呑みました。特に、耶沐蓁(やぼくしん)を南珠のネックレスで絞殺するシーンは、彼女の残酷さを象徴する恐ろしい場面でした。沈驚鴻(しんきょうこう)が目撃しながらも、南珠を惜しむ言葉しか発しない姿も、彼の歪んだ価値観を改めて印象付けます。

柔嘉の策略は周大人をも巻き込み、国璽を奪い、劉琛(りゅうしん)を退位に追い込むところまで進んでいきます。彼女の巧みな言葉と大胆な行動は、まさに悪女の真骨頂と言えるでしょう。対照的に、劉琛の無力さと判断力の鈍さが際立ち、王としての資質に疑問を抱かざるを得ません。慕灼華(ぼしゃくか)の忠誠心と機転も、柔嘉の策略の前に苦戦を強いられている様子が見て取れます。

つづく