あらすじとネタバレ

まさかの王爺自ら送り届ける

いよいよ科挙の試験当日。慕灼華(ぼしゃくか)の馬に乗せられて試験会場へ向かう。時間ギリギリで、もう間に合わないかと思った。劉衍(りゅうえん)は部下の執墨(しゅうぼく)に先回りさせて、郭巨力(かくきょりき)に準備を整えさせておく。そして自分は、慕灼華(ぼしゃくか)を乗せて会場の門まで猛スピードで駆けつけた。

その光景を、沈驚鴻(しんきょうこう)をはじめとする受験生たちがみんな見ていた。あの定王が直々に女官を送ってくるなんて、何か裏があるんじゃないか。みんなザワザワする。でもすぐに、もし不正があるなら、あんなに堂々と来るわけないかと思い直す。まあ、確かにそうだよね。

慕灼華(ぼしゃくか)、痛恨の失言

慕灼華は、送ってくれた劉衍(りゅうえん)にお礼が言いたい。彼をこっそり隅に呼び出した。そして、自分の医学の腕はなかなかのものだとアピールする。王爺もいいお年ですよね私の父くらいの歳なら、もう子供が何人もいますよ彼女は、劉衍が不能なのではないかと心配したらしい。私が安く治療してあげますよそう申し出た。

これには劉衍もブチ切れた。めちゃくちゃ怒ってその場を去ってしまう。慕灼華は、彼がなぜ怒ったのか全く分かっていない。郭巨力(かくきょりき)は安く治療するって言ったからじゃないですか?なんて言ってる。いや、論点はそこじゃない。

科挙試験、いよいよ本番

気を取り直して、いよいよ試験が始まる。慕灼華は得意な問題には自信満々で、落ち着いて筆を進めていく。すると、試験監督として劉衍が会場に現れた。二人の視線が、一瞬だけ交差する。お互い、ちょっとだけ意識した瞬間だった。

皇帝の弟である劉琛(りゅうしん)も視察に来ていた。彼は劉衍の腰についた見事な玉佩をずっと欲しがっている。いつになったらそれをくれるんだ?としつこい。劉衍はこれは慕灼華が合格したら贈る約束の品だと答える。もうすっかり慕灼華びいきだ。

採点の時、一字一句の間違いもない完璧な答案が見つかる。役人たちも驚くほどの出来栄えだった。劉琛(りゅうしん)は、それは沈驚鴻(しんきょうこう)の答案に違いないと賭けをする。賭けの対象はもちろん、あの玉佩だ。結果は劉琛(りゅうしん)の負け。まあ、この完璧な答案の主は、十中八九、慕灼華だろうね。

裏でうごめく陰謀

試験が進む一方、宮中では不穏な空気が流れる。劉俱(りゅうきょ)は劉衍に、彼を殺そうとした黒幕を必ず捕らえると誓う。この件はまだ太后(たいこう)には知らせていないらしい。劉衍は、この暗殺未遂に太后(たいこう)が関わっていると疑っていた。彼は部下の執剣(しゅうけん)に、殺された袁副将(えんふくしょう)の遺品をもう一度詳しく調べるよう命じる。

その頃、太后の耳にも劉衍が慕灼華を試験に送った一件が入っていた。劉衍に自分への疑いが及ぶのを恐れている。彼女は先手を打つことにした。侍女に命じて、慕灼華の素性を徹底的に洗わせる。すべては息子である劉琛と、夫である劉俱(りゅうきょ)のため。そう自分に言い聞かせているけど、保身のためなのは明らかだ。

運命の放榜日

数日間にわたる過酷な試験が終わった。慕灼華は疲れ果てている。郭巨力(かくきょりき)にどうでした?と聞かれても、全力を尽くしたとしか言えない。今はただ、美味しいものが食べたい気分だった。

そして、ついに合格発表の日がやってくる。慕灼華は、興味ないふりをしている。でも内心は、めちゃくちゃ緊張しているのが伝わってくる。郭巨力が早く見に行きましょうよ!と腕を引っ張る。それでも慕灼華は、なかなか掲示板へ向かおうとしない。

感想

今回は、慕灼華の人生をかけた科挙の試験がメインだったね。劉衍が甲斐甲斐しく彼女を送り届けるシーンは、もう王としての威厳とかじゃなくて、一人の男としての気持ちがダダ漏れだった。合格祝いに自分の大事な玉佩をあげるとか、完全に恋する男の行動だよ。

それなのに、当の慕灼華は彼のデリケートな部分(?)をえぐる爆弾発言。この二人の絶妙に噛み合わないやり取りが、本当に面白い。シリアスな宮中の権力争いとのバランスが絶妙だ。

その権力争いも、ついに太后が動き出した。劉衍と慕灼華の関係が、政争の具にされそうな嫌な予感がひしひしと伝わってくる。慕灼華がただ試験に合格したいだけなのに、どんどん面倒なことに巻き込まれていく。

沈驚鴻(しんきょうこう)も慕灼華をはっきりライバルとして、そして一人の女性として意識し始めた感じ。劉衍、劉琛、沈驚鴻。慕灼華をめぐる恋模様も、これから複雑になっていきそうだ。試験の緊張感と、裏で進む陰謀、そして少しずつ育つ恋心。いろんな要素が絡み合って、一気に物語が動き出した回だった。

つづく