あらすじ

第八話は、刘皎 (りゅうきょう)が婚約者の死から五年を経て、もはや貞節を守らず、劉俱(りゅうく)の問いかけをかわす様子を描いています。一方、慕灼華(ぼしゃくか)は貢士に合格したことで友人たちの祝福を受けるも、間近に迫った詩詞大会へのプレッシャーを感じていました。劉衍(りゅうえん)は剣術を通じて慕灼華(ぼしゃくか)の様子を察し、彼女に一定の距離を保ちます。

文人たちの集いでは、慕灼華は自身に向けられる偏見や疑問に毅然と立ち向かい、刘皎 (りゅうきょう)の支持を得ます。公主は慕灼華の才能と勇気を公然と称賛しました。沈驚鴻(しんきょうこう)は当初、慕灼華に 予約を抱いていましたが、公主の教えを受けて自身の不適切な態度に気づきます。

また、劉琛(りゅうしん)は新たな競技規則によって、女性よりも自身の選択が優れていることを証明しようとしますが、その規則はかえって慕灼華に有利に働きます。

最後に、慕灼華は貴重な賞品である滄陵誌を獲得するため、簪花会への参加を決意します。

ネタバレ

刘皎 (りゅうきょう)は、喪に明け暮れた5年間が過ぎた今、今後のことを劉俱(りゅうく)に問われますが、話題を避け、すぐにその場を立ち去ります。一方、慕灼華(ぼしゃくか)は路大娘(ろだいじょう)や宋韻(そういん)たちと酒を酌み交わし、歌い踊り、合格祝いを盛大に行っていました。貢士に合格した灼華は、幸運を喜び、路大娘(ろだいじょう)もまた、灼華が自分の家を借りてくれたことに感謝し、楽しいひと時を過ごします。そんな中、刘皎 (りゅうきょう)付きの蔓児(まんじ)が、明日の詩詞大会への参加を灼華に伝えに来ます。郭巨力(かくきょりき)は灼華の詩の腕前を心配します。

執剣(しゅうけん)は劉衍(りゅうえん)に還陽散(かんようさん)の件で報告し、慕灼華(ぼしゃくか)と黒幕との繋がりはないと断言します。劉衍(りゅうえん)は執剣(しゅうけん)に、自分と灼華の関係を疑っているのかと尋ね、執剣(しゅうけん)は慌てて否定します。劉衍(りゅうえん)は身の回りの危険を感じつつも、命惜しさのあまり、灼華との関係には踏み切れない様子です。

文人の集まりに沈驚鴻(しんきょうこう)が現れ、一同は彼の高潔な誌に感服し、自らの浅学を恥じます。話題は科挙のもう一人の注目人物、慕灼華(ぼしゃくか)に移り、女性でありながらの好成績に驚きの声が上がります。特に経義の科目で沈驚鴻(しんきょうこう)と並ぶ点数は、まさに快挙だと囁かれます。

経義で満点を取ったのは二人だけ、つまり灼華は沈驚鴻(しんきょうこう)と肩を並べたと皆が噂する中、劉琛(りゅうしん)は女性の学識の限界を嘲笑します。沈驚鴻(しんきょうこう)は、女性が命を大切にするのは当然のこと、灼華がここに来ないのも無理はないと擁護しますが、その時、灼華が姿を現します。文十宗(ぶんじゅうそう)たちは面目を失います。灼華は沈驚鴻(しんきょうこう)の首席合格を祝い、周囲の男たちは沈驚鴻(しんきょうこう)を皮肉り始めます。灼華はただの祝いの言葉が曲解されたことに仮論し、たまたま居合わせた刘皎 (りゅうきょう)は灼華の言葉に賛同します。

主催者である刘皎 (りゅうきょう)は、灼華の真の才能を認め、沈驚鴻(しんきょうこう)に今日の出来事について問います。沈驚鴻(しんきょうこう)は自らの非を認め、公主は会員元として公平で模範的な態度を示すべきだったと諭します。そうすれば、他の者たちも軽率な言動で女性を中傷することはなかったでしょう。沈驚鴻(しんきょうこう)は公主の教えに深く感銘を受け、灼華への軽視は彼女の才能だけでなく、試験官の清廉さや朝廷の公正さをも疑う行為だと気づきます。

劉琛(りゅうしん)は灼華の評価に異議を唱え、劉衍(りゅうえん)は彼に個人的な感情を挟まずに意見を述べるよう促します。刘皎 (りゅうきょう)は灼華を擁護し、出身で判断すべきではないと主張します。劉衍(りゅうえん)もまた、人の心は偏見に左右されやすく、外見や身分で判断せずに見るのは難しいと同意します。劉琛(りゅうしん)も劉衍(りゅうえん)の言葉に賛同し、新たな選考方法を提案します。劉衍(りゅうえん)は自分が無意識に灼華に好意的になっていることに気づきつつ、彼女に有利な新ルールを定めます。そして、灼華に才能が目立つゆえの危険性を警告します。

劉琛(りゅうしん)は劉衍(りゅうえん)に対し、自分が選んだ人物が女性より優れていることを証明しようと躍起になり、劉衍(りゅうえん)は静観する構えです。簪花会に参加した灼華は、優勝賞品が滄陵先生の遺作『滄陵誌』だと知り、劉衍(りゅうえん)の忠告を無視してでも手に入れようと決意します。灼華は全力を尽くして詩を詠み、賞品獲得を目指します。四句しか詠めなかった灼華は不安を抱きますが、刘皎 (りゅうきょう)は女性として科挙に挑戦することの困難さを理解し、灼華に好意的に接します。

第8話の感想

第8話は、慕灼華(ぼしゃくか)の才気と強さが際立つ回でした。貢士に合格した喜びも束の間、詩詞大会で男性たちに囲まれ、才能を疑われ、中傷されるという試練に立ち向かいます。しかし、灼華は臆することなく、堂々と仮論し、自らの実力で周囲を認めさせます。その姿は、現代社会でも通じる芯の強さを感じさせ、視聴者に勇気を与えてくれるでしょう。

特に印象的だったのは、沈驚鴻(しんきょうこう)との対比です。沈驚鴻(しんきょうこう)は男性社会の頂点に立つ人物として描かれていますが、彼の言動にはどこか自信のなさや不安が垣間見えます。一方、灼華は女性でありながら、揺るぎない自信と信念を持ち、自分の道を切り開いていきます。この対比は、男女の社会的地位の差だけでなく、内面の強さの違いを浮き彫りにしています。

また、刘皎 (りゅうきょう)の存在も重要です。彼女は女性でありながら、高い地位と教養を持ち、灼華の味方として彼女を守ります。刘皎 (りゅうきょう)の言葉は、灼華だけでなく、視聴者にも深く響くものがあります。彼女のような存在は、現代社会でも必要とされているのではないでしょうか。

つづく