黎萌萌(リー・モンモン)は祁(き)国にも臨州橋があることに気づき、元の世界に戻る鍵は水缸ではなく橋ではないかと推測する。太后が祁炎(きえん)に会いに来るが、孔暗(こうあん)は邪魔をしてはいけないと止める。太后は孔暗(こうあん)を疑い、無理やり入ろうとするが、魯歓(ろかん)に阻まれる。祁炎(きえん)は魯歓(ろかん)に下がらせ、太后は祁炎(きえん)の姿を見て安心し、言葉を交わした後去っていく。

祁炎(きえん)は魯歓(ろかん)、黎萌萌(リー・モンモン)、孔暗(こうあん)に盧(ろ)県の用水路工事の協力への感謝として、食事と酒を振る舞う。黎萌萌(リー・モンモン)は魯歓(ろかん)を席に座らせ、魯歓(ろかん)は照れる。魯歓(ろかん)は黎萌萌(リー・モンモン)の携帯電話が壊れたと渡すが、黎萌萌(リー・モンモン)は電源が切れただけだと指摘する。皆で飲みながら語り合う中、黎萌萌(リー・モンモン)は詩を詠み、酔って祁炎(きえん)の側に倒れこむ。

閉関が終わり、盧(ろ)県の田畑に青々とした芽が出る。大臣たちは用水路のおかげだと喜ぶ。祁炎(きえん)はこの工事を全国に広げる計画を立てる。黎萌萌(リー・モンモン)は祁炎(きえん)が良い皇帝になると信じている。崔安石(さいあんせき)と太后も黎萌萌(リー・モンモン)の功績を認める。太后は黎萌萌(リー・モンモン)に褒美は何が欲しいか尋ね、黎萌萌(リー・モンモン)はカメラを取り出し、宦官(かんがん)に記念写真を撮ってもらう。

黎萌萌(リー・モンモン)は周泉(しゅうせん)たちに贈り物をする。周泉(しゅうせん)が理由を尋ねると、黎萌萌(リー・モンモン)は自分がもうすぐ出発し、いつ戻れるか分からないと告げる。黎萌萌は周泉(しゅうせん)に孔暗(こうあん)の写真を渡す。周泉(しゅうせん)は誰が描いたのかと尋ね、黎萌萌は写真だと説明する。さらに周泉(しゅうせん)がなぜ孔暗(こうあん)の写真なのか尋ねると、黎萌萌は冗談めかして、もし気に入らなければ売っていいと言う。周泉(しゅうせん)はこんな顔では売れないと言い、自分で持っておくと答える。黎萌萌は周泉(しゅうせん)が孔暗(こうあん)に気があることを見抜いて笑う。

孔暗(こうあん)は屋根の上から周泉(しゅうせん)の様子を伺っている。祁炎(きえん)は孔暗(こうあん)に何をしているのか尋ねる。孔暗(こうあん)は周泉(しゅうせん)に好意を持っていることを認め、しかし周泉(しゅうせん)は気づいていない様子だと話す。祁炎(きえん)は孔暗(こうあん)に直接気持ちを伝えるように勧め、孔暗(こうあん)に黎萌萌にも気持ちを伝えるべきではないかと問う。孔暗(こうあん)は祁炎(きえん)が黎萌萌に気持ちを伝えたのかと聞き返し、祁炎(きえん)は伝えていないと答える。翌日、孔暗は周泉(しゅうせん)にたくさんの贈り物をし、自分の気持ちを伝える。周泉(しゅうせん)は好きという気持ちがまだよく分からないと答え、孔暗は彼女が理解するまで待つと伝える。

黎萌萌は贈り物を持って内研閣(ないけんかく)を訪れる。魯歓(ろかん)は彼女に引っ越しをするのかと尋ねる。黎萌萌はこの間の皆の世話に感謝し、一人一人に贈り物を用意した。魯歓(ろかん)は孔暗と甄詡への贈り物が適切だと感じる。黎萌萌は魯歓(ろかん)にダンベルを2つ贈り、もっと体を鍛えるように勧める。魯歓(ろかん)がその意味を尋ねると、黎萌萌は贈り物を使う時に自分のことを思い出してほしいと言う。魯歓(ろかん)たちは毎日顔を合わせているのに、なぜそんなことを言うのか不思議がる。

物音を聞いた祁炎(きえん)がやってきて、自分の贈り物はどこかと尋ねる。黎萌萌はまだ何を贈るか決めていないと答え、祁炎(きえん)は少し不機嫌になる。魯歓(ろかん)は祁炎(きえん)を慰め、黎萌萌はきっと特別な贈り物を用意していると話す。祁炎(きえん)の機嫌は少し良くなる。魯歓は黎萌萌が崔婉児(さいえんじ)の部屋に何かを持って入るのを見たと言う。祁炎(きえん)はそれを聞いて落胆する。祁炎(きえん)は黎萌萌が去ろうとしていることを知り、行かせたくないと言う。黎萌萌は家と母親が恋しく、母親が心配だと話す。祁炎(きえん)は黎萌萌がいなくなると自分も寂しいと言い、彼女への想いを伝える。

第12話の感想

第12話は、様々な感情が交錯する、切なくも心温まるエピソードでした。物語もいよいよ佳境に入り、黎萌萌の帰還が現実味を帯びてきました。これまで祁(き)国で築いてきた人間関係、特に祁炎(きえん)との関係に大きな変化が訪れます。

用水路工事の成功を祝う宴の席で、黎萌萌は酔って祁炎(きえん)に寄りかかるシーンは、二人の距離が縮まっていることを感じさせます。しかし、それと同時に、黎萌萌の贈り物や別れの準備は、彼女が祁(き)国を去る決意を固めていることも示唆しており、見ている側としては複雑な心境になります。

周泉と孔暗の関係にも進展がありました。孔暗の不器用ながらも誠実な告白は、微笑ましく、応援したくなります。周泉はまだ自分の気持ちに戸惑っているようですが、二人の今後の展開に期待が持てます。

そして、物語のクライマックスは、祁炎(きえん)の告白。黎萌萌への想いを抑えきれなくなった祁炎(きえん)の言葉は、切実で胸を打ちます。しかし、黎萌萌の胸中は複雑です。母親への想い、故郷への想い、そして祁炎(きえん)への想い。彼女の決断がどういったものになるのか、最終話が待ちきれません。

つづく