第16話、萌萌の鞄の中にあった祁炎(きえん)との写真で、李淘(りとう)は祁炎(きえん)が祁(き)国の皇帝だと気付く。萌萌がデザインした短いスカートを祁炎(きえん)は心配するが、萌萌の故郷では普通の丈だと聞き、好きなように著ればいい、男たちには目を閉じさせると冗談めかして言う。萌萌はそんな祁炎(きえん)に可笑しくも嬉しさを感じる。祁炎(きえん)は萌萌のために故郷のような場所を作るから、そばにいてほしいと告げる。この会話を李淘(りとう)は盗み聞きし、鞄を元の場所に戻す。

李淘(りとう)は部下に、賽府との取引は自分が直接行うよう指示する。相手が富豪でも警戒すべきだと部下は言うが、李淘(りとう)は祁炎(きえん)が皇帝であり、国が幹ばつに見舞われている今、敵対するのは得策ではないと説明する。賽(サイ)老爷に商談を持ちかけられた祁炎(きえん)と萌萌は、人裏離れた場所に連れて行かれる。そこには大量のじゃがいもが積まれており、賽(サイ)老爷は祁炎(きえん)にこれで満足かと尋ねる。祁炎(きえん)はじゃがいも以外はないのかと問い詰め、仕方なく腰牌を見せる。賽(サイ)老爷はひれ伏し、枯れ井戸の底にあるはずの救援物資について問いただされる。

賽(サイ)老爷に促され、祁炎(きえん)は枯れ井戸を調べに行くが、表面に少しの食料があるだけで、あとは瓦礫の山だった。李淘(りとう)が事前に賽(サイ)老爷に情報を流し、食料を買い取らせていたのだ。身元が漏れていることを悟った祁炎(きえん)は、魯歓(ろかん)に賽府の監視を怠ったことを責める。孔暗(こうあん)に指示していた任務の進捗を尋ねると、既に完瞭したと報告を受ける。萌萌が何の任務かと聞くと、祁炎(きえん)は夜になれば分かると答える。

夜になり、李淘(りとう)は部下と共に救援物資を運び出すが、祁炎(きえん)が物資に蛍光塗料を塗っていたことに気付かない。祁炎(きえん)たちは蛍光塗料の跡を辿り、李淘(りとう)を発見。そこには役人も駆けつけていた。祁炎(きえん)が身分を明かすと、役人は揚(よう)城の銭(チエン)大人に遣わされたと話す。銭(チエン)大人を訪ねると、数日前から賽府を監視していたことが明らかになる。賽(サイ)老爷が言い訳を始めると、賽雪(さいせつ)が現れ、銭(チエン)大人は彼女を捕らえるよう命じる。萌萌は話を中断させ、賽雪(さいせつ)を外に連れ出し、現状を伝える。賽雪(さいせつ)は誤解だと訴え、父に許しを請うよう頼む。萌萌は尽力すると約束する。賽(サイ)老爷は全て金銭豹(きんせんひょう)の指示だと自白するが、正体は分からず、明日金を受け取る約束だけをしているという。祁炎(きえん)は賽(サイ)老爷に計画通り行動するよう指示し、萌萌の頼みで賽雪(さいせつ)も同行を許される。

萌萌は賽府の窓の防音性の高さを話し、祁炎(きえん)は宮殿に引っ越して同じような窓を設置しようと提案する。一方、崔婉児(さいえんじ)は祁粛(きしゅく)の到著を待っていたが、扉を叩く音に石桃(せきとう)を開けに行かせると、海賊馬坤(ばこん)に殺され、崔婉児(さいえんじ)も拉緻される。到著した祁粛(きしゅく)は、生き残った者から事情を聞く。同時に、賽(サイ)老爷は金銭豹(きんせんひょう)との待ち合わせ場所で崖から転落してしまう。この事件の裏には崔安石(さいあんせき)の陰謀があり、彼は関係者の抹殺を命じる。

第16話の感想

第16話は、祁炎(きえん)と黎萌萌(リー・モンモン)の甘い瞬間とスリリングな陰謀が絶妙に絡み合い、息つく暇もない展開でした。李淘(りとう)が祁炎(きえん)の正体を知る場面は、物語に新たな緊張感をもたらしました。祁炎(きえん)が萌萌のスカートの長さを心配するシーンは、彼の優しさと萌萌への深い愛情が垣間見え、微笑ましい一方で、国の情勢を考えると、二人の未来に影を落とすようで不安を感じさせます。

賽(サイ)老爷との取引の場面は、祁炎(きえん)の機転と冷静な判断力が光りました。枯れ井戸の底に救援物資がないという衝撃的な事実、そして李淘(りとう)の裏切り。次々と明らかになる真実は、物語をより複雑に、そして面白くしています。夜間の追跡劇は手に汗握る展開で、祁炎(きえん)が蛍光塗料を使うアイデアは、彼の知略の高さを改めて示しました。

賽雪(さいせつ)の登場は、物語に新たな悲劇の予感をもたらします。父を信じたい気持ちと、目の前に突きつけられる残酷な現実の間で揺れる彼女の姿は、胸を締め付けられます。萌萌が賽雪(さいせつ)を気遣うシーンは、彼女の優しさが際立ち、二人の友情に心温まりました。

つづく