崔婉児(さいえんじ)は薬を届けたのが祁粛(きしゅく)だと分かると、緊張した。祁粛(きしゅく)は薬を渡し終え、代金を要求するが、海賊の馬坤(ばこん)は彼を捕らえ、薬屋の主人に祁粛(きしゅく)をしばらく「預かる」と伝えるよう部下に命じる。賽(サイ)老爷の死後、祁炎(きえん)は京城へ戻り調査を続けようとするが、黎萌萌(リー・モンモン)は賽雪(さいせつ)のことを心配する。賽雪(さいせつ)は現れ、屋敷の使用人を解雇し、どこかへ去ろうとしているが、行き先は決まっていないと話す。祁炎(きえん)は賽雪(さいせつ)に、もしよければ賽(さい)家の屋敷と鏢局を管理しないかと提案し、賽雪(さいせつ)は感謝する。

祁粛(きしゅく)は薬に麻酔薬を混ぜていた。馬坤(ばこん)が深く眠るのを見て、崔婉児(さいえんじ)は祁粛(きしゅく)の縄を解く。二人が逃げようとしたその時、馬坤(ばこん)は目を覚ます。彼は祁粛(きしゅく)の策略を見破っており、長年の経験で麻酔薬への耐性があったのだ。賽雪(さいせつ)は父の死後、多くの取引がキャンセルされたため、家財を質に入れようと話す。魯歓(ろかん)、黎萌萌(リー・モンモン)、祁炎(きえん)は彼女が持っていた窓紙を見て価値が分からずにいると、賽雪(さいせつ)はそれがただの窓紙ではなく、錢夫人(せんふじん)から贈られた貴重な物だと説明する。

祁炎(きえん)は普段質素な錢大人(せんたいじん)とは対照的に、夫人が気前が良いことを思い出し、何かを察する。彼は魯歓(ろかん)に錢大人(せんたいじん)に救援物資の配給を命じるよう指示する。数日前、役人が迅速に動いたのは錢大人(せんたいじん)が手配していたからだと皆は知る。李淘(りとう)らは揚(よう)城に戻り、以前購入した食料の代金を返金させようとする。祁炎(きえん)は錢大人(せんたいじん)が用意した救援物資を検査するが、表面は米だが、下は木板であることを発見する。錢大人(せんたいじん)は悪事が露見し、土下座して許しを乞い、知らなかったと主張する。祁炎(きえん)が錢大人(せんたいじん)の逮捕を命じると、何者かが矢を放つ。

錢大人(せんたいじん)は狼煙を上げ、黎萌萌(リー・モンモン)は祁炎(きえん)の身を案じるが、魯歓(ろかん)は軽挙妄動を止めるよう忠告する。賽雪(さいせつ)は錢大人(せんたいじん)と戦い、命を落としかけるが、李淘(りとう)に助けられる。黎萌萌(リー・モンモン)は祁炎(きえん)の無事を確認し、李淘(りとう)は自分が駆けつけなければ大変なことになっていたと話す。祁炎(きえん)は李淘(りとう)に再び現れた理由を問うと、彼は幹ばつで国が貧しくなり、最後の饅頭しか残っていないと説明する。李淘(りとう)は祁炎(きえん)に水の導き方の秘術を明かすよう要求するが、拒否されると、自分で方法を見つけると言う。

孔暗(こうあん)は崔安石(さいあんせき)が暑い時期に綿入れを運んでいることを不審に思い、祁炎(きえん)は綿入れではない何かを運んでいるのではないかと推測し、孔暗(こうあん)に調査を命じる。黎萌萌(リー・モンモン)と魯歓(ろかん)は負傷した追影(ツイ・イン)を連れてくる。追影(ツイ・イン)は崔婉児(さいえんじ)が行宮で馬坤(ばこん)に拉緻され、助けに行った祁粛(きしゅく)も捕らえられたと報告する。祁炎(きえん)たちは救出作戦を練り、黎萌萌(リー・モンモン)は自身が持っている毒入りのシャボン玉発生装置を使うことを提案する。崔婉児(さいえんじ)と祁粛(きしゅく)が捕らえられている場所に到著すると、崔安石(さいあんせき)が送り込んだ刺客に遭遇する。黎萌萌(リー・モンモン)はシャボン玉発生装置で刺客を倒し、祁炎(きえん)は一旦退却するよう指示する。祁炎(きえん)と祁粛(きしゅく)は崔安石(さいあんせき)が刺客を送ったことを知り、対策を練る。一方、崔安石(さいあんせき)も祁炎(きえん)が救援物資の不正に気づいたことを知り、祁炎(きえん)に対抗する方法を探る。

第17話の感想

第17話は、まさに怒涛の展開で、息つく暇もないほどでした。まず、祁粛(きしゅく)の機転と崔婉児(さいえんじ)の連携プレーによる脱出劇は手に汗握るものでしたが、馬坤(ばこん)の老獪さの前に阻まれてしまい、ハラハラさせられました。麻酔薬が効かないとは、さすが海賊の親分です。そして、賽雪(さいせつ)の過去や境遇が少しずつ明らかになり、彼女がただのじゃじゃ馬娘ではないことが分かってきました。窓紙一つにも物語があり、今後の展開への期待が高まります。

祁炎(きえん)の鋭い洞察力と行動力は今回も健在で、錢大人(せんたいじん)の不正を暴くシーンは痛快でした。しかし、その裏にはさらに深い闇が広がっているようで、崔安石(さいあんせき)の闇躍が不気味さを増しています。まさか救援物資にまで不正が及んでいるとは、驚きを隠せません。李淘(りとう)の再登場も意外でした。彼の国が深刻な幹ばつに見舞われているという状況は、物語に新たな緊張感をもたらしています。水の導き方の秘術をめぐる攻防も、今後の重要なポイントになりそうです。

最後に、崔婉児(さいえんじ)と祁粛(きしゅく)の窮地に、黎萌萌(リー・モンモン)の意外な武器が活躍するとは!シャボン玉発生装置に毒を仕込むとは、彼女の奇抜な発想にはいつも驚かされます。追影(ツイ・イン)の登場も緊迫感を高め、今後の展開がますます読めなくなってきました。祁炎(きえん)と崔安石(さいあんせき)の対立は激化の一途を辿っており、目が離せません。

つづく