大臣たちが祁粛(きしゅく)と崔安石(さいあんせき)に詰め寄り、皇帝の病状を尋ねた。崔安石(さいあんせき)は皇帝の肺の病が悪化していると告げ、早めの対策を促した。しかし、大臣たちは皇帝がまだ生きていることから、深く考えようとはしなかった。

一方、祁炎(きえん)と黎萌萌(リー・モンモン)一行は辺境に到著した。賽雪(さいせつ)は鏢局で事件が起きたため、戻らなければならないと告げた。祁炎(きえん)は崔安石(さいあんせき)の仕業ではないかと疑い、賽雪(さいせつ)に何かあれば連絡するよう伝えた。祁粛(きしゅく)は祁炎(きえん)に手紙を渡したことを伝え、崔婉児(さいえんじ)をいつ解放するのか尋ねた。崔安石(さいあんせき)は祁粛(きしゅく)がもう一度自分に協力すれば崔婉児(さいえんじ)を解放すると条件を出し、祁粛(きしゅく)はやむを得ず同意した。

李淘(りとう)は西弥の王子の身分で城内に入ろうとした。祁炎(きえん)と黎萌萌(リー・モンモン)は馬車の中に隠れていた。城門の兵士は箱の中に何かあるのではないかと疑い、開けて調べようとしたが、祁粛(きしゅく)が間一髪で阻止した。その後、李淘(りとう)は祁粛(きしゅく)のおかげで助かったと感謝し、祁炎(きえん)は李淘(りとう)に先に宿に戻るように言った。皆が去った後、祁炎(きえん)は祁粛(きしゅく)に近況を尋ね、明日崔安石(さいあんせき)が皇帝の死を公表することを知った。祁炎(きえん)は崔安石(さいあんせき)が以前から皇位を狙っていたことに気づいた。

二人が話している時、門の外にいた孔暗(こうあん)は薬で眠らされた。間もなく、祁炎(きえん)も薬を盛られ、外に出ようとしたところを祁粛(きしゅく)に刺された。よろめきながら門口に辿り著いた祁炎(きえん)は黎萌萌(リー・モンモン)と出会い、黎萌萌(リー・モンモン)は驚き泣き叫んだ。祁炎(きえん)は黎萌萌(リー・モンモン)に早く逃げるように言い、彼女の安全だけを願った。黎萌萌(リー・モンモン)は祁粛(きしゅく)の剣についた血を見て、彼の行動を問い詰めた。その後、祁粛(きしゅく)は黎萌萌(リー・モンモン)を軟禁し、皇帝の遺体を送り返した後、解放すると約束した。

黎萌萌(リー・モンモン)は祁炎(きえん)に最後に一目会いたいと懇願し、祁粛(きしゅく)はそれを許した。祁炎(きえん)の遺体と対面した黎萌萌(リー・モンモン)は、奶茶を飲む、街をぶらぶらする、映画を見るといった二人の果たせなかった約束を思い出した。そして、祁炎(きえん)がプロポーズすることなく亡くなったことを嘆き、故郷の結婚式の風習を語りながら、赤い紐で祁炎(きえん)に指輪を作ってはめてあげた。

崔安石(さいあんせき)の手下は侍女に祁粛(きしゅく)が祁炎(きえん)を刺殺した件について尋ね、侍女は祁炎(きえん)が死んだことを確認した。報告を受けた崔安石(さいあんせき)は祁粛(きしゅく)を謀仮の罪で捕らえるよう命じた。祁粛(きしゅく)は逃亡し、追影(ツイ・イン)に、実は祁炎(きえん)と偽装死を計画し、共に崔安石(さいあんせき)に対抗することを伝えた。崔安石(さいあんせき)は焦り、祁炎(きえん)が肺の病で亡くなったため火葬する必要があると発表し、大祭司(だいさいし)の仮対を押し切って火をつけた。棺桶の中の祁炎(きえん)は目を覚まし、黎萌萌(リー・モンモン)の叫び声を聞いて必死に棺桶を叩き、ついに発見された。崔安石(さいあんせき)の陰謀は露見し、祁炎(きえん)によって牢獄に繋がれた。

第20話の感想

第20話は、息詰まる展開とどんでん返しで、まさに手に汗握る回でした。崔安石(さいあんせき)の奸計、祁炎(きえん)の窮地、そして黎萌萌(リー・モンモン)の悲痛…息をするのも忘れて見入ってしまいました。

特に印象的だったのは、黎萌萌(リー・モンモン)が祁炎(きえん)の遺体に向かい、故郷の結婚式の風習を語りながら紅紐で指輪を作るシーン。愛する人の突然の死に直面した悲しみ、そして葉わぬ未来への想いがひしひしと伝わってきて、涙が止まりませんでした。祁炎(きえん)のプロポーズがなかったことが、彼女の悲しみをさらに深くしているように感じられ、胸が締め付けられました。

一方、祁炎(きえん)と祁粛(きしゅく)の兄弟の絆も強く印象に残りました。祁炎を助けるため、祁粛(きしゅく)は危険を顧みず崔安石に協力するふりを続け、見事な演技で敵を欺きました。二人の信頼関係と、崔安石を打倒するという強い意誌が、この危機を乗り越える鍵となったと言えるでしょう。

そして最後のどんでん返し!棺桶から祁炎が現れた瞬間は、思わず「やった!」と叫んでしまいました。崔安石の悪事が暴かれ、スカッとする結末でした。しかし、祁炎が死んだと見せかけるという危険な賭けに出たことは、改めて崔安石の恐ろしさを物語っています。

つづく