あらすじ
第一話は、塗山(とざん)が荒れ地から妖族の聖地へと発展していく歴史的背景を描いています。そして、塗山紅紅(とざんこうこう)が狐族と人族の長きにわたる争いをどのように終結させ、塗山の新たな指導者となり、愛し合う者たちを守ることに尽力したのかが語られます。
同時に、本作の主人公である孤児の東方月初(とうほうしょげつ)が、鶴仙(かくせん)と虎仙(こせん)の追跡から逃れる途中、塗山に迷い込む様子も描かれます。人妖両族の対立が激化する中、塗山紅紅(こうこう)は東方(とうほう)家の先祖との約束を守り、東方月初(しょげつ)を匿うことを決意します。
しかし、東方月初の存在は塗山内部、特に長老(ちょうろう)たちの反発を招きます。また、東方月初の塗山での生活は楽ではありません。宿代を稼ぐため、そして自身と両親の遺志を守るため、彼は日々修行に励み、力をつける必要があります。
物語が進むにつれ、東方月初は成長していきます。それと同時に、塗山に新たな脅威、すなわち黒狐(へいこ)の暗黒の力の復活が迫っていることが明らかになっていきます。
ネタバレ
物語は荒涼とした塗山(とざん)から始まる。数千年前、一粒の種が天地の霊気を吸収し巨大な苦情樹(くじょうじゅ)へと成長、狐族がここに定住するきっかけとなった。七百年前、野心家の塗山(とざん)の長、石姫(せっき)は狐族を率いて人間界を侵略、三百年にも及ぶ悲惨な戦争を引き起こした。しかし、塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)が現れ石姫(せっき)を説得、激しい戦いの末に石姫(せっき)を倒し戦争を終結させ、新たな塗山(とざん)の長となった。紅紅(こうこう)の指導の下、狐族は人間との争いをやめ、苦情樹(くじょうじゅ)の力で縁結びを行い共存の道を探った。
時は現代へ。鶴仙(かくせん)と虎仙(こせん)に追われていた人間の少年、東方月初(とうほうしょげつ)は塗山(とざん)へ逃げ込む。二匹の妖怪は月初(しょげつ)の血を狙っていたが、塗山(とざん)では手出しができずにいた。月初(しょげつ)は巧みに二人を挑発するが、紅紅(こうこう)に止められる。紅紅(こうこう)は鶴仙(かくせん)と虎仙(こせん)を叱責し、塗山から追い払う。孤児である月初(しょげつ)を知った紅紅(こうこう)は、彼を塗山に迎え入れることにする。
しかし、人間である月初(しょげつ)を匿うことに、塗山の長老(ちょうろう)たちは仮対する。面倒事を恐れたのだ。長老(ちょうろう)たちの圧力にも屈せず、紅紅(こうこう)は月初(しょげつ)を守り抜く。実は月初(しょげつ)の一族と塗山の間には、知られざる過去があった。月初の母、東方秦蘭(とうほうしんらん)は紅紅(こうこう)と契約を交わし、苦情樹(くじょうじゅ)を救うために必要な時に自分の霊血を提供することを約束していた。そして今、未知の力によって苦情樹(くじょうじゅ)が蝕まれ、月初は霊血を提供できる唯一の存在となっていたのだ。
塗山で月初は、塗山の二代目である塗山栄栄(とざんすず)(とざんすず)、塗山雅雅(とざん やや)、そして自分の世話係となる塗山栄栄(とざんすず)(とざんすず)に出会う。慣れない環境ながらも、月初はすぐに塗山の生活に馴染んでいく。しかし、粗末な住居を与えられ、労働で借金を返済させられるなど、様々な試練にも直面する。さらに、神火山荘の金人鳳(きんじんぽう)が月初の霊血を狙い、力をつけようと企んでいるという陰謀を知る。
紅紅の指導の下、月初は修行を重ね、次第に強い戦士へと成長していく。紅紅は厳しい態度を取りながらも、陰ながら月初を守っていた。月初は自分の力の製御方法を学ぶだけでなく、自身にまつわる秘密を少しずつ解き明かしていく。同時に、塗山内部にも異変が起こり始め、大きな危機の到来を予感させる。月初は、塗山と紅紅を守るため、もっと強くなければならないと決意する。
第1話感想
「恋狐妖伝~ファースト・ラブ~」第1話は、壮大なファンタジー世界の幕開けとして、期待感溢れる内容でした。荒涼とした塗山から始まる物語は、数千年前の苦情樹(くじょうじゅ)の誕生、七百年前の狐族と人間との戦争、そして現代へと時間軸を巧みに移動させ、視聴者を惹きつけます。
特に印象的なのは、塗山紅紅(とざんこうこう)の圧倒的な強さとカリスマ性です。戦争を止め、狐族を率いる彼女の凛とした姿は、まさにヒロインの風格。一方で、孤児の東方月初(とうほうしょげつ)に優しく接する一面も見せ、そのギャップが魅力的です。東方月初(とうほうしょげつ)自身も、辛い境遇ながらも前向きで、今後の成長が楽しみです。
鶴仙(かくせん)と虎仙(こせん)との戦闘シーンは迫力満点で、アニメーションのクオリティの高さを実感しました。また、苦情樹(くじょうじゅ)や塗山の風景など、美しい背景描写も物語の世界観をより深く表現しています。
つづく