あらすじ

第12話は、石姫(せっき)が金人鳳(きんじんぽう)と結託して塗山(とざん)城を攻める様子を描いています。塗山紅紅(とざんこうこう)は石寛(せきかん)の信頼を利用し、巧妙な罠を仕掛けます。一方、東方月初(とうほうしょげつ)と布泰(ふたい)は宗祠にて妖族に対抗する極陰の石を発見しますが、取り出すのに難航します。布泰を守るため、石寛(せきかん)は自らを犠牲にします。そして布泰は、一人で城門へ向かい事態を収拾しようと決意します。塗山紅紅(こうこう)の助力もあり、布泰は妖奴を操る子母符を破壊することに成功し、妖奴たちを解放します。数々の困難を乗り越え、石寛と布泰は結ばれますが、幸せも束の間、布泰は刺客に襲われ命を落としてしまいます。石寛は深い悲しみに暮れます。同時に、金人鳳は毒に侵され石姫に助けを求めますが、拒絶され、一人去っていきます。この物語は、愛と犠牲、そして正義が最後に悪を打ち負かすというテーマを描いています。

ネタバレ

石姫(せっき)と金人鳳(きんじんぽう)は都城に攻め寄せた。塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)は冷静に石寛(せきかん)に二人を罠へと誘い込むよう指示する。石寛(せきかん)は石姫(せっき)の前に現れ城門を開くが、石姫(せっき)は石寛(せきかん)を疑い警戒心を露わにする。

一方、東方月初(とうほうしょげつ)と布泰(ふたい)は宗祠で手がかりを探していた。ついに霊台を発見し、力を合わせて極陰の石を手に入れる。これは妖に対抗できる法宝で、破壊すれば子母符を解くことができる。しかし、布泰(ふたい)が石に近づくと強い力で弾き飛ばされ、無理に取れば命の危険があるとわかる。時間は刻一刻と迫っていた。

石姫(せっき)は石寛(せきかん)の裏切りに気づき、同時に東方月初(とうほうしょげつ)は布泰(ふたい)を宗祠の外へ送り出し、自身は危険を冒す決意をする。塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)は東方月初(とうほうしょげつ)が事前に放った霊蝶から彼のメッセージを受け取り、危険を察知する。石姫(せっき)は石寛(せきかん)を殺すよう命じ、石寛(せきかん)は奮戦するも多勢に無勢。塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)が宗祠に到著した時には、布泰(ふたい)だけがそこにいた。宗祠は崩壊し、東方月初(とうほうしょげつ)は閉じ込められてしまう。塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)は瓦礫の中へ飛び込み、東方月初(とうほうしょげつ)を発見するが、彼はすでに衰弱していた。彼は塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)に真実を伝えることを躊躇う。同意を得られるかどうかの不安、そして同意された場合の更なる不安が彼を押しとどめていた。

石姫(せっき)は石寛(せきかん)の母符を使い彼を脅迫するが、石寛(せきかん)は死してなお布泰(ふたい)への忠誠を誓い、一歩も引こうとしない。石姫(せっき)は石寛(せきかん)を容赦なく痛めつけ、「あなたを気にかけない者のために命を捨てる価値があるのか」と問う。石寛(せきかん)は答えず、ただ布泰(ふたい)を守り、結婚の儀を妨害させまいとする。もし来世があるなら、再び布泰(ふたい)の護衛になりたいと願う。その時、布泰(ふたい)が城門前に現れる。彼女が来なければ石寛(せきかん)は確実に死ぬ。だからこそ、彼女は来たのだ。

石姫(せっき)は妖奴に布泰(ふたい)を殺すよう命じるが、塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)が駆けつけ、妖奴たちは退散する。布泰(ふたい)は子母符を解く決意を表明し、衆人環視の中で極陰の石を破壊する。これにより、妖奴たちは二度と脅迫されることはなくなる。石姫(せっき)は子母符の破壊を阻止しようとするが、塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)と布泰(ふたい)の力により子母符は破壊され、石姫(せっき)は逃亡する。石寛(せきかん)の母符が消滅し、布泰(ふたい)は彼に想いを伝える。あの日苦情樹(くじょうじゅ)の下で彼女が願ったのは石寛(せきかん)との縁であり、石寛(せきかん)はずっとそのことを知っていた。

石寛(せきかん)と布泰はついに結ばれる。人と妖の初めての縁に、塗山(とざん)雅雅(とざん やや)は喜び、傲来(ごうらい)国三少(さんしょう)はその笑顔に心を奪われる。塗山(とざん)には美しい花雨が降り注ぎ、塗山(とざん)容容(とざんすず)は塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)の力の増大を感じて喜ぶ。しかし、東方月初(とうほうしょげつ)は昏睡状態に陥り、翠玉鳴鸞(すいぎょくめいらん)は塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)が命を懸けて彼を守ったことを責める。それはあまりにも危険な賭けだった。金人鳳(きんじんぽう)は王権山荘から責任を問われるが、彼はそれを認めず、証拠がない王権山荘は何もできない。

苦労の末に結ばれた石寛(せきかん)と布泰は、一生を共にすると誓う。御妖国は平和を取り戻し、人々は穏やかな日々を送る。しかし、石寛(せきかん)と布泰が共に外出していた時、布泰が何者かに襲われる。石寛(せきかん)は手に持っていた烏梅湯を投げ捨て駆け寄るが、布泰はすでに緻命傷を負っていた。幸いにも都の妖たちは石寛(せきかん)に忠誠を誓っており、彼は国王となる。布泰の心残りは、石寛(せきかん)から「好きだ」という言葉を聞けなかったことだった。石寛(せきかん)は布泰の傍らで何度も「愛している」と伝えるが、彼女はもうそれを聞くことはできない。布泰を殺したのは黒狐(へいこ)の陰謀だった。彼は御妖国の妖奴がこれ以上の苦しみを味わうべきではない、これは石寛(せきかん)が受けるべき報いだと歪んだ考えを抱いていた。

最後に、金人鳳(きんじんぽう)は石姫(せっき)に解毒を懇願するが、石姫(せっき)はそれを拒否し、彼を神火山荘へと追い返す。

第12話の感想

第12話は、感動と衝撃が入り混じる、まさにクライマックスと言える展開でした。石寛(せきかん)と布泰の純愛、そしてその結末は、涙なしには見られません。特に、石寛(せきかん)が命を懸けて布泰を守り抜く姿、そして布泰が石寛の想いに応えるシーンは、深く胸を打つものがありました。人と妖の恋という禁断の愛が、これほどまでに美しく、そして切ないものとして描かれていることに感嘆しました。

一方で、東方月初(とうほうしょげつ)と塗山紅紅(とざんこうこう)の関係にも大きな進展がありました。東方月初(とうほうしょげつ)が自らの危険を顧みず、布泰と塗山紅紅(とざんこうこう)を守る姿は、彼の深い愛情を示しています。しかし、その行動がもたらした結果、そして彼が隠している真実は、今後の物語に大きな影を落とすことになるでしょう。

また、黒狐(へいこ)の闇躍も不穏な空気を漂わせています。平和を取り戻したかに見えた御妖国に、再び悲劇をもたらす黒狐(へいこ)の真意とは一体何なのでしょうか。そして、金人鳳(きんじんぽう)の運命も気になるところです。石姫に解毒を拒否された彼は、今後どのような行動に出るのでしょうか。

つづく