あらすじ
第二十一話は、東方月初(とうほうしょげつ)が失踪した弟子の件で妖盟が関わっているのではないかと疑い、南宫家の当主と衝突する場面から始まります。東方月初(しょげつ)の追及に南宫当主は不快感を露わにし、両者の関係は一気に緊張します。
一方、塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)はとある怪事件の捜査にあたっていました。それは、街で頻発する拐帯魔事件。紅紅(こうこう)は捜査を進めるうちに、この拐帯魔が塗山栄栄(とざんすず)(とざんすず)の弟子である顔如山(がんじょざん)と関係があるかもしれないという疑念を抱き始めます。
東方月初は付澄(ふせい)を利用して罠を仕掛け、拐帯魔を捕らえようとしますが、事態は想像以上に複雑であることが判明します。なんと、混天典獄から囚人が脱獄していたのです。実は過過(かか)が南宫当主と手を組み、囚人を逃がして混乱を引き起こし、その罪を塗山紅紅(とざんこうこう)に着せようとしていたのです。
この騒動の中、東方月初と塗山紅紅は再び出会います。しかし、紅紅は東方月初のことをすっかり忘れてしまっている様子。
拐帯魔の正体、そしてその背後に隠された陰謀の糸が少しずつ明らかになる一方、東方月初の紅紅への変わらぬ想いが描かれた第二十一話でした。
ネタバレ
三年後、東方月初(とうほうしょげつ)は妖盟の件で南宮家の当主を再び訪ねた。彼は行方不明の弟子が妖盟と関係があると睨み、盟主への共同調査依頼を提案する。しかし、南宮当主は東方月初(とうほうしょげつ)が妖盟に近すぎるとして不満を露わにする。東方月初(とうほうしょげつ)は、両者が争えば最終的に被害を被るのは一般市民だと指摘し、両組織の将来を考えて行動していると強調するも、南宮当主は納得しない。
二人の議論を塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)は見ていたが、彼女は東方月初(とうほうしょげつ)のことを覚えていない様子だった。
ある組織が、構成員の失踪は妖怪の仕業だとする貼り紙を出した。これを知った塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)は自ら調査に乗り出し、再び人間の世界へ向かうことを決意する。南宮当主は、行方不明者の一人と協力関係にあり、ある重要な物品を探していた。施設に囚われた律箋文(りつせんぶん)は厳しい扱いを受けていたが、脱出を試み続けていた。その後、律箋文(りつせんぶん)は王権山荘から、いわゆる「妖怪」事件の処理を任される。
東方月初(とうほうしょげつ)は付澄(ふせい)に日用品を贈り、「妖怪」捕獲の協力を依頼する。付澄(ふせい)は乗り気ではなかったが、最終的に承諾する。間もなく、付澄(ふせい)は顔如山(がんじょざん)と名乗る男に会い、夜に会う約束をする。夜、顔如山(がんじょざん)は付澄(ふせい)の家に現れ、女性が傷つけられるのを見過ごせないと近づこうとする。付澄(ふせい)は不安を感じ、翌晩また来るように言う。多くの女性が「妖怪」の顔を見たと言うが、その描写は様々だった。塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)は、姿を変えるのが得意な存在ではないかと推測する。塗山(とざん)容容(とざんすず)は、かつて顔如山(がんじょざん)という名の弟子に教えていたことを思い出し、彼の行動は性格と合わないと感じていた。
人間の市場で、東方月初(とうほうしょげつ)は見慣れた屋台で二人の分の甘い食べ物を注文し、旧友を待つ。塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)と東方洛(とうほう らく)もそこで同じものを食べていた。それは彼女が唯一好きな人間の食べ物だった。付澄(ふせい)は東方月初(とうほうしょげつ)に、標的の注意を引くことに成功したと報告する。
東方月初(とうほうしょげつ)は律箋文(りつせんぶん)に協力を求め、彼女の特殊能力で標的を探そうとする。顔如山(がんじょざん)は再び付澄(ふせい)の家を訪れるが、そこにいたのは律箋文(りつせんぶん)が扮した付澄(ふせい)だった。二人は衝突する。顔如山(がんじょざん)は塗山(とざん)容容(とざんすず)からの連絡を受け、すぐに立ち去る。東方月初(とうほうしょげつ)は付澄(ふせい)が危険な状態にあることを知る。顔如山(がんじょざん)は誰かを連れ去ったことを否定し、会ったことのない女性もいると言い、背後に大きな陰謀があることを闇示する。
律箋文(りつせんぶん)と東方月初(とうほうしょげつ)は付澄(ふせい)の痕跡を追って、南宮当主が行方不明者の一人と接触していたことを突き止める。彼らが駆けつけた時、付澄(ふせい)は瀕死の状態だったが、重要な情報を伝える。塗山(とざん)容容(とざんすず)も失踪事件がある場所と関係があることを発見する。塗山(とざん)容容(とざんすず)は顔如山(がんじょざん)に、真実を明らかにすることだけが汚名を晴らす方法だと伝える。
南宮当主ともう一人の行方不明者は、囚われた者たちを解放して混乱を引き起こそうと企んでいた。ある事件で、囚われていた者たちが脱走するが、東方月初(とうほうしょげつ)と塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)が介入し、被害の拡大を防ぐ。南宮当主は塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)が囚人を解放したという噂を流す。東方月初(とうほうしょげつ)と塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)は再会する。彼は彼女に深い愛情を抱いているが、塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)は彼のことを覚えていないようだ。律箋文(りつせんぶん)は東方月初(しょげつ)の塗山紅紅(とざんこうこう)への想いを理解しており、驚きはしなかった。
第21話の感想
第21話は、ますます複雑化する陰謀と深まる人間と妖怪の間の溝が描かれ、緊張感あふれる展開でした。東方月初(しょげつ)と南宮家当主の対立は、妖盟への不信感と人間側の警戒心を象徴しており、今後の物語の大きな軸となりそうです。特に、東方月初(しょげつ)が両組織の未来を見拠えて行動しているにもかかわらず、理解を得られないもどかしさが伝わってきました。
一方、記憶を失った塗山紅紅(とざんこうこう)の動向も気になります。彼女は過去の記憶を失っているにもかかわらず、持ち前の正義感から事件の調査に乗り出します。彼女の記憶が戻ることで、物語にどのような変化がもたらされるのか、期待が高まります。
また、顔如山(がんじょざん)という謎の人物の登場も物語に新たな謎を投げかけます。彼の真意は何なのか、なぜ女性を狙うのか、そして塗山栄栄(とざんすず)(とざんすず)との関係は?彼の行動の裏に隠された秘密が、今後の物語の鍵を握っているのかもしれません。
つづく