あらすじ

第27話は、律箋文(りつせんぶん)が獄中の顔如山(がんじょざん)に誕生日麺を用意する場面と、その後、律箋文が南宫家の主に捕らえられたため、顔如山が脱獄して彼女を救い出す物語を描いています。

このエピソードでは、律箋文を救うため、塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)と塗山雅雅(とざん やや)たちが行動を起こし、南宫家の主とその手下である過過(かか)と衝突します。激しい戦いの末、過過は命を落とします。

一方、東方月初(とうほうしょげつ)と塗山紅紅(こうこう)の関係は、東方洛(とうほう らく)の登場によって誤解が生じ、東方月初(しょげつ)は傷ついてしまいます。

顔如山は律箋文を救うために自らの妖力を犠牲にし、律箋文は彼を塗山に連れて行き、療養させることを決意します。

最後に、玉萍(ぎょくへい)おばさんの到着と、王権弘業(おうけん こうぎょう)が南宫家の主の件で皆に相談を持ちかける場面が描かれ、圈外勢力も関わるより深い陰謀が示唆されます。

ネタバレ

律箋文(りつせんぶん)は渾天典獄の囚人名簿を整理していた際、顔如山(がんじょざん)の誕生日が来月初(しょげつ)一だと気付く。彼女は誕生日祝いの方法を聞き込み、顔如山(がんじょざん)に手作りの長寿麺を贈ることに決めた。待ち時間が長すぎて麺は伸びてしまったが、律箋文(りつせんぶん)の手作りだと知った顔如山(がんじょざん)は、美味しそうに平らげた。律箋文(りつせんぶん)は、実際は味はイマイチだったにも関わらず、自分の料理の腕前に自信を持つ。その時、外で花火の音が響き、顔如山(がんじょざん)は律箋文(りつせんぶん)が用意してくれたものだと勘違いするが、実際は他人が打ち上げたものだった。顔如山(がんじょざん)は律箋文(りつせんぶん)を見つめ、結婚が近いのかと尋ねるが、彼女は首を横に振り、まだ先だと答える。

塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)は傲来(ごうらい)国三少(さんしょう)に東方月初(とうほうしょげつ)の護衛を依頼し、過去の恨みで判断を曇らせないよう忠告する。付澄(ふせい)はかつて自分を誘拐したのが南宮家の当主だったことを思い出す。程なくして、顔如山(がんじょざん)が初一の夜に毒を盛られたという知らせが届き、律箋文(りつせんぶん)は自分のせいだと罪悪感に苛まれ、慌てて渾天典獄へ向かう。

東方月初(とうほうしょげつ)が律箋文(りつせんぶん)を訪ねると、彼女は渾天典獄へ行ったと聞き、その後塗山(とざん)雅雅(とざん やや)と遭遇する。二人は律箋文(りつせんぶん)の失踪を知り、すぐに行動を起こす。しかし、律箋文(りつせんぶん)は渾天典獄に辿り著かず、南宮家の当主に捕らわれていた。南宮家の当主は律箋文(りつせんぶん)を人質に顔如山(がんじょざん)を脅迫し、石姫(せっき)はそれを煽り立てる。結果、顔如山(がんじょざん)は律箋文(りつせんぶん)を救うために脱獄する。一気道盟の新法では、渾天典獄からの脱獄は死罪となる。石姫(せっき)の狙いは、こうして塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)をおびき出すことだった。

塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)は王権家に乗り込むことを決意する。塗山(とざん)雅雅(とざん やや)は偶然にも伝説の尊者の姿を見かけ、南宮家の当主と過々が話しているところに、塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)と塗山(とざん)雅雅(とざん やや)が乱入する。過々は南宮家の当主を盾にして逃走し、南宮家の当主は複数の攻撃を受ける。塗山(とざん)雅雅(とざん やや)は尊者を追う。尊者の正体は過々であり、彼は人間への憎しみが理性を超え、塗山(とざん)雅雅(とざん やや)にまで攻撃を仕掛けてくる。それでも塗山(とざん)雅雅(とざん やや)は彼を許し、顔の傷を癒そうとするが、過々は彼女の元で息絶える。過々の最期の言葉に塗山(とざん)雅雅(とざん やや)は涙を流すが、やり直せるとしても同じ選択をするだろうと心に誓う。

東方月初(とうほうしょげつ)と付澄(ふせい)は捜査の中で、“絶縁の爪”を模倣した殺人事件が発生していることを突き止め、東方月初(とうほうしょげつ)は犯人から面会を求める手紙を受け取る。付澄(ふせい)の製止を振り切り、東方月初(とうほうしょげつ)は指定の場所へ向かう。一方、傲来(ごうらい)国三少(さんしょう)は東方月初(とうほうしょげつ)が双生峰から姿を消したことに気付き、追跡を開始する。塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)はこの知らせを受け、塗山に危機が迫っているのではないかと不安を抱き、塗山雅雅(とざん やや)に塗山へ戻るよう指示し、自身は東方月初(とうほうしょげつ)を探しに行く。彼女は東方月初(とうほうしょげつ)が内通者で、律箋文(りつせんぶん)の失踪にも関わっているのではないかと疑う。

東方月初(とうほうしょげつ)は約束の場所である落月河に著くが、現れたのは石姫(せっき)だった。東方月初(とうほうしょげつ)と石姫(せっき)を衝突させるため、東方月初(とうほうしょげつ)は二人を会わせたのだ。東方月初(とうほうしょげつ)と石姫(せっき)が戦う中、東方月初(しょげつ)は隙を突いて東方月初(しょげつ)を攻撃する。そこへ塗山紅紅(とざんこうこう)が駆けつける。塗山紅紅(とざんこうこう)は東方月初(しょげつ)が東方月初(しょげつ)を攻撃するのを止め、東方月初(しょげつ)はひどく落胆する。塗山紅紅(とざんこうこう)は東方月初(しょげつ)の仮応に戸惑う。

顔如山(がんじょざん)は渾天典獄を脱獄し、律箋文を救出する。彼は自分の血で律箋文の寒さを和らげ、その代償に妖力を失う。顔如山(がんじょざん)は律箋文に渾天典獄へ送り返してくれるよう頼むが、律箋文は塗山で治療を受けさせるべきだと主張する。塗山紅紅(とざんこうこう)の行動に落胆する東方月初(しょげつ)のもとへ、塗山紅紅(とざんこうこう)が花を持って見舞いに訪れ、東方月初(しょげつ)の変化は自分が原因だと認める。償いのため、何でも望みを葉えると約束し、東方月初(しょげつ)は自分の肩を軽く叩くだけだった。塗山紅紅(とざんこうこう)は仕方なく彼の隣に座り、このことを誰にも話さないよう釘を刺す。しかし、二人の微妙な空気は玉萍(ぎょくへい)姨の登場で遮られる。王権弘業(おうけん こうぎょう)は南宮家の当主の処罰について話し合うため、塗山紅紅(とざんこうこう)を裁判に招く。彼らは石姫(せっき)の背後にいる勢力が自分たちの想像をはるかに超え、圏外から来ている可能性があることに気付いているようだ。

第27話の感想

第27話は、様々な伏線が回収されつつ、新たな謎が提示される展開で、息つく暇もないほどでした。特に印象的だったのは、過々の最期と東方月初(しょげつ)と塗山紅紅(こうこう)の関係性の変化です。

過々は人間への憎しみに囚われ、悲劇的な結末を迎えます。塗山雅雅(とざん やや)との複雑な関係性、そして最期の言葉は、彼の苦悩と悲しみを深く感じさせ、涙を誘います。たとえ憎しみを抱いていたとしても、心の奥底では塗山雅雅(とざん やや)を想っていたのではないでしょうか。塗山雅雅(とざん やや)の選択は、視聴者としても辛いものがありますが、彼女の優しさと強さを感じさせるシーンでもありました。

一方、東方月初(しょげつ)と塗山紅紅(こうこう)の関係にも大きな変化が見られました。東方月初は塗山紅紅(こうこう)が東方月初をかばう姿を見て、失望感を露わにします。二人の間に何か確執が生まれたことは明らかですが、その真意はまだ分かりません。今後の展開で、この二人の関係がどのように変化していくのか、注目したいところです。

また、顔如山(がんじょざん)と律箋文の絆も描かれていました。顔如山(がんじょざん)は律箋文のために妖力を失うという大きな犠牲を払います。律箋文の手作り料理がきっかけで生まれた二人の温かい交流は、このシリアスな物語の中で、ほっとするひとときを提供してくれました。

つづく