あらすじ
第29話は、東方月初(とうほうしょげつ)と塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)の切ない恋物語を描いています。東方月初(しょげつ)は、紅紅(こうこう)が自分のことを覚えていないことに胸を締め付けられますが、彼女の心を修復するためならどんな犠牲も払う覚悟です。かつて塗山紅紅(とざんこうこう)は、石姫(せっき)を封印するために情種を差し出し、自らの身を守りました。しかしその代償として、再び真剣に人を愛せば命の危険に晒される体になってしまったのです。紅紅の心の中にも月初への想いがあるのですが、情種のせいで彼を思い出すことができません。
様々な出来事を経て、紅紅は真実の愛の力に気づきます。たとえ再び月初のことを忘れてしまうとしても、もう一度彼を愛することを選びます。そして、この問題を解決するため、月初は自らの心を半分に分け、情種を凝縮させる方法を受け入れます。そうすれば、紅紅は二度と彼を忘れることはないでしょう。この行動は、二人の生死を超えた愛の深さを物語っています。
また、このエピソードでは、顔如山(がんじょざん)と律箋文(りつせんぶん)の愛の物語も描かれ、二人の深い愛情もまた見る者の心を打ちます。
ネタバレ
東方月初(とうほうしょげつ)の切ない問いかけに、塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)の心は揺らぎ始める。しかし、どんなに思い出そうとしても、彼の姿は浮かんでこない。もしかしたら、情種を捧げる前に心を動かされた相手は彼だったのだろうか?二人の間には一体何が起きたのか?
紅紅(こうこう)を心配するあまり、塗山(とざん)雅雅(とざん やや)は東方月初(とうほうしょげつ)を問い詰め、真実を告げる。紅紅(こうこう)は石姫(せっき)を封印するために情種を捧げた。もし再び恋に落ちれば、彼女は死んでしまうのだ!
全てを理解した東方月初(とうほうしょげつ)は、紅紅(こうこう)の心の中にも自分がいることを知る。彼は死を恐れない。たとえ自分が死んでも、紅紅(こうこう)の心を癒したいと願う。
塗山(とざん)容容(とざんすず)は顔如山(がんじょざん)に会う。彼は紅紅(こうこう)に自分の願いを葉えてほしいと願っていた。紅紅(こうこう)は両全の策を思いつき、容容に東方月初(とうほうしょげつ)に伝えるよう頼む。容容もまた、紅紅(こうこう)が再び恋に落ちることを心配する。彼女は平静を装っているが、情種を失った心がどうやって恋をするのか。それでも、彼女の心はかすかに痛んでいた。
東方月初(とうほうしょげつ)に連れられて、顔如山(がんじょざん)は律箋文(りつせんぶん)に会う。彼女は約束通り故郷で彼を待ち続けていた。しかし、顔如山(がんじょざん)は今日、彼女に自分のことを忘れさせるために来たのだ。律箋文(りつせんぶん)は自分の気持ちは自分で決めると言い、決して顔如山(がんじょざん)から離れないと告げる。二人は忘れられないキスを交わす。しかし、律箋文(りつせんぶん)が再び目を開けると、そこにはもう彼の姿はなかった。顔如山(がんじょざん)は極寒の地で百年もの間、律箋文(りつせんぶん)を見守り続けることを選ぶ。たとえ彼女が二度と自分を思い出さなくても。
紅紅(こうこう)の心が再び動き、傷の兆候が現れる。彼女は再び情種を生み出すが、それでも東方月初(とうほうしょげつ)のことを忘れてしまう。この繰り返しで、彼女は 결국 心脈が枯渇して死んでしまうだろう。
顔如山(がんじょざん)は遠くから律箋文(りつせんぶん)を見守り続ける。彼女は既に自分のことを忘れているが、それでも彼は彼女の幸せを願っている。すぐに律箋文(りつせんぶん)に新しい縁談が持ち上がる。彼女は結婚することになるが、それは彼女が作り出した幻術だった。彼女が結婚したい相手は、ずっと顔如山(がんじょざん)だけだった。彼女は顔如山(がんじょざん)を忘れていない。別れよりも、愛する権利を失うことの方が恐ろしかったのだ。あの日、忘情の術を阻んだのは紅紅(こうこう)だった。彼女は顔如山(がんじょざん)に真実を隠した。二人の揺るぎない愛を見て、紅紅(こうこう)は律箋文(りつせんぶん)がなぜ忘れようとしなかったのかを理解する。もしかしたら、忘れることこそが最も辛いのかもしれない。彼女は自分自身に、そして東方月初(とうほうしょげつ)にもチャンスを与えたいと考える。
紅紅(こうこう)は東方月初(とうほうしょげつ)の手を取り、過去の出来事を全て話してほしいと頼む。東方月初(とうほうしょげつ)は、どこから話せばいいのか戸惑うが、紅紅(こうこう)にとってはそれはどうでもいいことだった。彼女は再び東方月初(とうほうしょげつ)を愛していた。たとえ後でまた忘れてしまっても構わない。何度も何度も、二度と忘れることがなくなるまで。
紅紅は再び東方月初(とうほうしょげつ)を忘れてしまうことを恐れ、術を使って手に「月初(しょげつ)」と書き記す。しかし、二人の愛が深まる中、紅紅は再び彼を忘れてしまい、傷ついた文字も消えてしまう。彼女の冷めた様子を見て、東方月初(とうほうしょげつ)は全てを理解する。彼は塗山(とざん)雅雅(とざん やや)に二人の愛を成就させてくれるよう懇願する。雅雅は言う。「心を半分に裂き、情種を凝縮させる。もし彼女があなたを愛さなくなった時、あなたの心は枯れて死ぬだろう」と。東方月初(しょげつ)はためらうことなくそれを行う。こうして、紅紅は二度と彼を忘れることはなくなった。紅紅の心はもはや荒涼としていない。彼女は東方月初(しょげつ)の呼び声を聞く。
第29話の感想
第29話は、切なさと感動が入り混じる、胸を締め付けられるようなエピソードでした。特に、紅紅と月初(しょげつ)、そして顔如山(がんじょざん)と律箋文(りつせんぶん)の二人のカップルの対比が印象的です。
紅紅は、愛する人を何度も忘れてしまうという残酷な運命を背負いながらも、それでも愛することを諦めない強い意誌を見せてくれます。月初(しょげつ)もまた、紅紅のために命を懸ける覚悟を見せ、二人の愛の深さがひしひしと伝わってきました。
一方、顔如山(がんじょざん)と律箋文(りつせんぶん)の愛は、静かで深いものでした。顔如山(がんじょざん)は、愛する人の幸せを願い、自ら身を引く選択をします。律箋文(りつせんぶん)もまた、顔如山への愛を貫き通し、忘れることよりも愛する権利を失うことを恐れる姿が胸を打ちました。
つづく