あらすじ
第30話は、塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)の献身的な介護を受け、東方月初(とうほうしょげつ)が徐々に回復し、王権家の跡継ぎ選抜試験に見事合格、一気道盟の新たな盟主となった様子を描いています。
一方、傲来(ごうらい)国三少(さんしょう)の正体が塗山雅雅(とざん やや)によって暴かれました。彼は実は分身を使って行動しており、天門関にて黒狐(へいこ)娘娘と対峙していたのです。塗山紅紅(こうこう)と塗山雅雅(とざん やや)は間一髪で駆けつけ、敵を撃退することに成功しますが、同時に圈外勢力が既に圈内に侵入し始めていることを悟ります。この出来事をきっかけに、六界を守るという共通の目的を持つ東方月初(しょげつ)と塗山紅紅(とざんこうこう)の絆はより一層深まりました。
また、樹妖一族は西門(せいもん)家の弟子、胡尾生(こびしょう)が所持する七宝妙樹皮の奪還をめぐり、内部で対立が生じていました。
そして物語の最後に、東方月初は塗山紅紅に愛を告白します。数々の贈り物を用意し、共に人生を歩みたいという切なる願いを伝えました。
ネタバレ
東方月初(とうほうしょげつ)は自分の半分の心を捧げたため、体が弱っている。塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)は献身的に彼を看病する。この様子を見た付澄(ふせい)は、落胆し、手にした物を静かに持ち去る。玉萍(ぎょくへい)は付澄(ふせい)を心配するが、付澄(ふせい)は気持ちを切り替え、東方月初(とうほうしょげつ)を兄のように慕うことにした。しかし、東方月初(とうほうしょげつ)が本当に求めているのは、常に塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)の傍にいることだった。数日後、東方月初(とうほうしょげつ)はようやく目を覚ます。まだ完全には回復していないものの、子供のように甘え、塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)に薬を飲ませてほしいとせがむ。
一方、王権弘業(おうけん こうぎょう)は体調が悪化し、事態を安定させるため、一刻も早く新しい盟主を選出することを決意する。この知らせを聞いた東方月初(とうほうしょげつ)は、盟主の座を奪う決意をする。選抜当日、多くの弟子が参加する中、盟主の証を前にほとんどが尻込みする中、東方月初(とうほうしょげつ)だけが力強く名乗りを上げ、最終的に最有力の候補となる。
その頃、塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)は一気道盟には行かず、塗山(とざん)雅雅(とざん やや)と傲来(ごうらい)国三少(さんしょう)が話をしていると、三少(さんしょう)の姿が透けて見えることに気づく。これは彼の分身であり、本体は天門関で圏外の敵である黒狐(へいこ)娘娘と戦っているのだと悟る。塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)と塗山(とざん)雅雅(とざん やや)はすぐさま援護に向かい、黒狐(へいこ)娘娘を撃退することに成功する。しかし、圏内の防御は既に敵に浸透されていた。
東方月初(とうほうしょげつ)は幾多の試練を乗り越え、ついに王権弘業(おうけん こうぎょう)と対決し、盟主の証を勝ち取り、正式に一気道盟の新しい盟主となる。傲来(ごうらい)国三少(さんしょう)は、人妖両族が力を合わせ、外敵に対抗すべきだと提案し、東方月初(とうほうしょげつ)が操る虚空の術が圏外勢力への対抗策になると語る。これを聞いた塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)は、すぐに東方月初(とうほうしょげつ)を探し、対策を話し合う。
傲来(ごうらい)国三少(さんしょう)の正体は、徐々に塗山(とざん)雅雅(とざん やや)に気づかれ始める。実は、彼女が知っている阿来(あらい)だったのだ。傲来(ごうらい)国三少(さんしょう)は、塗山(とざん)雅雅(とざん やや)の心の中の美しいイメージを壊したくないと思い、彼女の気持ちを落ち著かせようとする。塗山(とざん)雅雅(とざん やや)も、それほど怒ってはおらず、むしろ彼の身を案じている。
盟主となった東方月初(とうほうしょげつ)は、塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)と共に六界を守るための時間と力をより多く持つことになる。塗山紅紅(とざんこうこう)は彼に、傲来(ごうらい)国三少(さんしょう)から聞いた虚空の涙の話を伝え、東方月初(とうほうしょげつ)は自信に満ちた様子で、自分と塗山紅紅(とざんこうこう)が六界を守る運命にあるのだと語る。
樹妖一族では、族長の月啼春(げっていしゅん)が西門(せいもん)家から七宝妙樹皮を取り戻そうと計画する。月啼暇(げってい か)はこのことを偶然知り、一人で荒野を出て宝探しに出かける。西門(せいもん)家では、弟子の胡尾生(こびしょう)がのんきな暮らしを送っていたが、月啼暇(げってい か)が現れ、七宝妙樹皮を奪おうとした時、胡尾生(こびしょう)は勇敢に法宝を守り、その力を使って逃走に成功する。
月啼暇(げってい か)は、七宝妙樹皮が既に胡尾生(こびしょう)を主人と認めていることに気づく。法宝を取り戻すには、胡尾生(こびしょう)に本気で愛されるしかないが、彼女はそうする気はない。一方、黒狐(へいこ)娘娘の左使である歳浮(さいふ)は石姫(せっき)を見つけ、彼女の任務を助ける準備をする。西門(せいもん)家の当主である西門隷(せいもんれい)は、七宝妙樹皮が奪還できなかったことを知り、激怒し、作戦に関わった弟子全員の処刑を命じる。
東方月初(とうほうしょげつ)は塗山紅紅(とざんこうこう)に求婚しようと考える。付澄(ふせい)は、こんな時に求婚するのは障害が多いのではないかと心配するが、東方月初(しょげつ)はこの機会を逃すわけにはいかないと固く決意している。塗山雅雅(とざん やや)と傲来(ごうらい)国三少(さんしょう)も応援に駆けつける。東方月初(しょげつ)は塗山紅紅(とざんこうこう)のために様々なサプライズを用意し、彼女と一生を共にしたいという気持ちを伝える。二人が幸せに浸っている時、塗山栄栄(とざんすず)(とざんすず)が慌ててやって来て、樹妖一族から助けを求める知らせが届いたと告げる。
第30話の感想
第30話は、様々な展開が同時進行し、息つく暇もないほど濃密なエピソードでした。東方月初(しょげつ)と塗山紅紅(とざんこうこう)の関係性の進展、一気道盟の盟主選、圏外勢力との戦い、そして樹妖一族の動きなど、それぞれの物語が複雑に絡み合い、今後の展開への期待感を高めます。
特に印象的だったのは、東方月初(しょげつ)が盟主の座を勝ち取るシーンです。体の不調を感じさせない力強い姿は、彼の決意と責任感の強さを改めて感じさせました。また、塗山紅紅(こうこう)への献身的な愛情表現も胸を打つものがありました。弱っている彼を優しく看病する紅紅(こうこう)の姿は、二人の絆の深さを改めて示しています。一方で、付澄(ふせい)の切ない片思いも描かれており、複雑な感情が交錯する人間模様に引き込まれました。
圏外勢力との戦いも緊迫感を増しています。傲来(ごうらい)国三少(さんしょう)の正体が徐々に明らかになり、彼の真意や目的がますます気になります。黒狐(へいこ)娘娘の闇躍も不気味さを増しており、今後の戦いがどのような展開を見せるのか、目が離せません。
つづく