あらすじ
第34話は、塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)が恨みの力を吸収したことで黒化し、かつての契約の真相を探りに来た東方月初(とうほうしょげつ)に対し、憐れみではなく東方霊血のためであったと告げる場面から始まります。真実を知った東方月初(しょげつ)は激しい苦痛に蝕まれ、紅紅(こうこう)への愛は死んだとさえ考えます。しかし、紅紅は彼を守るため、彼の心を封印します。
一方、胡尾生(こびしょう)と月啼暇(げってい か)の縁結びの様子も描かれ、そこで月啼暇の真の目的――七宝妙樹皮を狙っていたことが明らかになります。最後は胡尾生の犠牲によって、二人の縁結びは成功します。
これらの出来事が、塗山紅紅(とざんこうこう)に全てを終わらせようという決意をより強くさせます。
同時に、石姫(せっき)は東方月初と塗山紅紅の関係を裂こうと画策しますが、東方月初の心は揺らぎませんでした。
ネタバレ
涂山紅紅(こうこう)は恨力を吸収したことで黒化し、東方月初(とうほうしょげつ)が涂山に来た時、彼女は冷たい言葉を投げかけました。東方月初(とうほうしょげつ)は、当年涂山紅紅(こうこう)と彼の母親が結んだ契約の内容と、彼女が彼を救った本当の理由、つまり東方霊血への興味なのか、それとも弱者への同情なのかを知りたいと思っていました。東方月初(とうほうしょげつ)の疑問に、涂山紅紅(こうこう)は率直に、彼を救うつもりはなかったこと、彼の東方霊血に注目していたことを認めました。東方月初(とうほうしょげつ)は苦笑し、今まで彼女の好意を誤解していたことに気づきました。彼は、なぜ自分を騙したのか、なぜその騙しまでが彼の血のためだったのかと彼女に問いただしました。涂山紅紅(こうこう)は、彼女の身分を象徴していた狐の面を壊し、東方月初(とうほうしょげつ)に自分の真心を取り戻すように告げました。彼女は彼の真心を大切に思っていなかったからです。この言葉は東方月初(とうほうしょげつ)に大きな打撃を与え、まるで彼の心の中で涂山紅紅(こうこう)を愛していた部分がその瞬間、死んでしまったかのようでした。しかし、涂山紅紅(こうこう)は突然東方月初(とうほうしょげつ)にキスをし、彼の残った半分の真心を封印しました。彼女は、今彼が死ぬべき時ではないと考えていたからです。東方月初(とうほうしょげつ)は傷心して去った後、涂山紅紅(こうこう)は一人で涙を流し、どんな代償を払っても六界と東方月初(とうほうしょげつ)を守ると決意しました。
一方、胡尾生(こびしょう)は東方月初(とうほうしょげつ)に七宝妙樹の皮の秘密を明かそうとしましたが、月啼暇(げってい か)に阻止されました。涂山紅紅(こうこう)は虚空の術を破壊することを決意しました。それは、今後、この術は存在しなくなり、東方月初(とうほうしょげつ)は彼女を守るために危険を冒す必要がなくなることを意味していました。その後、涂山紅紅(こうこう)は石姬(せっき)に会い、黒狐(へいこ)をコントロールするために恨力を体に取り入れる計画を伝えました。この突然の知らせに、石姬(せっき)は非常に驚き、逃げようとしました。
間もなく、胡尾生(こびしょう)と月啼暇(げってい か)は涂山に縁結びに来ました。塗山(とざん)容容(とざんすず)はこれを報告した際、斛光閣に不吉な黒い気が漂っていることに気づきましたが、涂山紅紅(こうこう)はそれを無視し、涂山をしっかり守るようにとだけ彼女に命じました。月啼暇(げってい か)と胡尾生(こびしょう)は苦情の樹の下で永遠の愛を誓いました。胡尾生(こびしょう)は何も持っていませんでしたが、この愛のためにすべてを捧げる覚悟でした。しかし、突然空から黒い羽の花が降り、それに伴う黒い気は残酷な事実を明らかにしました。月啼暇(げってい か)は、彼の持つ七宝妙樹の皮を狙って胡尾生(こびしょう)に近づいていたのです。それでも、月啼暇(げってい か)が根無し水によって正体が暴かれた時、胡尾生(こびしょう)は彼女を守り、彼女に何の危害も加えないと約束しました。
最終的に、胡尾生(こびしょう)は自分の命を犠牲にして七宝妙樹の皮を月啼暇(げってい か)に渡し、彼女が今後正直に生きられるように願いました。深い愛情を込めたキスをした後、胡尾生(こびしょう)は亡くなり、月啼暇(げってい か)は涂山紅紅(こうこう)に助けを求め、胡尾生(こびしょう)を救ってくれるように頼みました。苦情の樹は彼らの真情を感じ取り、羽の花を降らせ、二人が縁を結んだことを告げました。月啼暇(げってい か)は涙を流していましたが、顔には安堵の笑みが浮かんでいました。这一切を目撃した涂山紅紅(こうこう)は、すべてを終わらせる決意をさらに固めました。
塗山(とざん)容容(とざんすず)と塗山(とざん)雅雅(とざん やや)は涂山紅紅の変化に気づき、彼女が恨力を吸収していることを知ると、急いで彼女に会いに行きました。しかし、涂山紅紅は強硬な態度で、彼女たちに立ち去るように命じました。石姬(せっき)は再び東方月初(とうほうしょげつ)の前に現れ、涂山紅紅と黒狐(へいこ)娘娘と戦って六界を一緒に支配しようと説得しようとしました。石姬(せっき)の挑発に対して、東方月初(しょげつ)は揺るぎませんでした。彼は、石姬(せっき)が目的を達成するために手段を選ばなかったとしても、涂山紅紅の真意を疑うべきではないと考えていました。
第34話の感想
第34話は、塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)の苦悩と決意、そして胡尾生(こびしょう)と月啼暇(げってい か)の悲恋が交錯する、非常に重厚なエピソードでした。紅紅は愛する東方月初(しょげつ)を守るため、そして六界を守るため、自ら恨の力を取り込み、冷酷な振る舞いをするようになります。その姿は見ていて辛いものがありますが、彼女の深い愛情と責任感を感じさせます。東方月初(しょげつ)との決裂シーンは特に胸が締め付けられました。彼の絶望と、紅紅の隠された涙。二人の運命がこれからどのように展開していくのか、目が離せません。
一方、胡尾生(こびしょう)と月啼暇(げってい か)の物語は、純粋な愛と残酷な現実を突きつけられました。胡尾生(こびしょう)の無償の愛、そして月啼暇(げってい か)の隠された本心。黒い羽花が舞い降りるシーンは、美しくも悲しい象徴でした。胡尾生の死はあまりにも突然で、彼の優しさに涙が止まりませんでした。苦情樹(くじょうじゅ)の下での結縁は、悲しみの中に一筋の希望を感じさせるものでしたが、同時に、紅紅の決意をさらに強くさせることにもなりました。
全体を通して、それぞれのキャラクターの心情が丁寧に描かれており、感情移入しやすいストーリーでした。今後の展開が非常に気になります。特に、黒狐(へいこ)娘娘の真の目的や、紅紅の今後の行動、そして東方月初(しょげつ)との関係がどうなるのか、注目していきたいです。