あらすじ
第四話は、東方月初(とうほうしょげつ)と塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)たちが塗山百年に一度の結縁式典の準備に奔走する物語です。塗山雅雅(とざん やや)はこれまで一度も羽根飾りをもらったことがないため、この行事の日を嫌っていました。東方月初(しょげつ)は準備の過程で傲来(ごうらい)国三少(さんしょう)と遭遇しますが、三少は嫉妬心からわざと難癖をつけ、塗山紅紅(こうこう)に告げ口までします。しかし、紅紅は取り合いませんでした。東方月初は塗山紅紅(とざんこうこう)を誘って花火を見に行き、二人の仲は少し進展しますが、同時に塗山栄栄(とざんすず)(とざんすず)の心配も募らせます。
式典当日、塗山紅紅は苦情樹(くじょうじゅ)の中心部に入らなければならず、東方月初に付き添うことができませんでした。しかし、そこで思いもよらぬ金人鳳(きんじんぽう)の襲撃を受けてしまいます。東方月初は塗山雅雅(とざん やや)と協力し、夢の中に閉じ込められた塗山紅紅を救い出し、金人鳳を撃退することに成功します。
最後は、塗山紅紅が妖力を使って傷ついた東方月初を癒しますが、彼女自身は正体不明の力によって苦情樹の力を吸い取られ、危機的な状況に陥ってしまいます。
ネタバレ
塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)は東方月初(とうほうしょげつ)と塗山(とざん)雅雅(とざん やや)、塗山(とざん)容容(とざんすず)と共に百年一度の結縁の儀の準備を進めることに同意した。雅雅はこの祝祭を嫌っていたが、容容は月初(しょげつ)に彼女を刺激しないよう忠告する。実は、雅雅は何百年も羽花を受け取ったことがなく、それが儀を嫌う理由だった。一方、過過(かか)は自由に振る舞う月初(しょげつ)に嫉妬心を燃やし、こっそり後をつけていた。月初(しょげつ)はそれに気づき、問いただすと、過過(かか)は紅紅(こうこう)の命令だと主張し、月初(しょげつ)の人間の身分を嘲笑う。その後、紅紅(こうこう)に月初(しょげつ)を懲らしめたいと訴えるが、紅紅(こうこう)は取り合わず、月初(しょげつ)が過過(かか)の言葉を真に受けるのではないかと内心心配していた。
紅紅(こうこう)は、過過(かか)を月初(しょげつ)につけさせたのは、人間の良い面を見せ、心魔を取り除くためだと説明するが、月初(しょげつ)はまだそれを達成できていなかった。月初(しょげつ)は過過(かか)の面倒を見ると誓う。結縁の儀に、紅紅(こうこう)は月初(しょげつ)を連れて行くことにする。人々は紅紅(こうこう)を見て興奮するが、彼女はどこか居心地が悪そうだった。月初(しょげつ)は彼女を人混みから連れ出し、二人きりで花火を見上げる。紅紅(こうこう)は珍しく笑顔を見せ、この日の喜びを心に刻むと語る。月初(しょげつ)は人間と妖怪の恋について尋ね、紅紅(こうこう)は寿命の違いから成就しないと言葉を落とす。
紅紅(こうこう)と月初が一緒に儀に参加したことを知り、容容は紅紅(こうこう)が月初に惹かれているのではないかと心配し、それとなく忠告する。紅紅(こうこう)は塗山(とざん)の当主になってからは誰にも心を動かさないはずだったが…。月初は夢の中で老いた自分に変わっていくのを見る。そして、紅紅(こうこう)の「たとえ一時的に愛し合っても、永遠に一緒にいることはできない」という言葉が蘇る。月初は紅紅に儀に一緒に来てくれるよう頼むが、彼女は苦情樹(くじょうじゅ)の中心へ行く必要があり、付き添うことはできなかった。儀の最中、長老(ちょうろう)が金人鳳(きんじんぽう)に襲われる。今日は十五夜、金人鳳(きんじんぽう)は塗山(とざん)を襲撃する計画だった。
百年一度の結縁の儀。紅紅は当主として雅雅、容容と共に羽花を降らせる。月初も祈りを込めて見守っていた。しかし、紅紅が苦情樹(くじょうじゅ)の中心に入った途端、何者かの襲撃を受け、羽花は消え失せてしまう。誰も羽花を受け取ることができなかった。塗山(とざん)の妖怪に扮した金人鳳(きんじんぽう)は、混乱に乗じて紅紅を殺し、月初を連れ去ろうと企んでいた。月初は長老(ちょうろう)の霊蝶を通して異変に気づき、すぐに雅雅と容容に伝える。
雅雅と月初は苦情樹(くじょうじゅ)の中心へ急行し、紅紅が捕夢網によって夢の中に閉じ込められているのを発見する。夢の中の傷は現実にも影響するため、非常に危険な状態だった。月初は紅紅を救うため、彼女の元神の中へ入ることを決意する。塗山(とざん)を守れるのは、今や雅雅しかいない。雅雅に見守られながら、月初は夢の中へ飛び込む。夢の中で紅紅は一気道盟の人々に囲まれていたが、謎の男に助けられる。月初は何度も紅紅に呼びかけるが、彼女は初月に気づかない。やむを得ず、月初は自身に仮動があるにも関わらず、妖力を使って紅紅に自分の存在を知らせる。二人は無事に夢から脱出し、紅紅は苦情樹(くじょうじゅ)の下で妖怪たちに羽花を授ける。重傷を負った月初も手を伸ばすが、羽花は届かず、彼は紅紅に恋心を抱いていないのだと勘違いする。
紅紅は妖力を使って月初を癒し、すぐに彼は回復する。雅雅は金人鳳(きんじんぽう)の気配を察知し、紅紅は苦情樹(くじょうじゅ)を守りながら月初に雅雅の援護を指示する。雅雅と月初は協力して金人鳳(きんじんぽう)を撃退するが、今度は苦情樹(くじょうじゅ)の力が何者かによって吸い取られていることに紅紅は気づく。
第4話感想
第4話は、ドキドキする展開と切ない描写が満載でした。特に、紅紅と月初の距離が少しずつ縮まっていく様子が丁寧に描かれており、二人の間に芽生えつつある感情に胸がキュンとしました。花火を見ながら微笑む紅紅の表情は、これまでのクールな彼女からは想像もつかないほど柔らかく、月初との時間を心から楽しんでいるのが伝わってきました。
しかし、同時に、人間と妖怪という種族の違い、そして紅紅の立場が二人の恋路を阻む大きな壁となることを予感させ、切ない気持ちにもなりました。紅紅が「人妖の恋は成就しない」と語るシーンは、今後の展開を闇示しているようで、心に重く響きました。
また、過過(かか)の月初への嫉妬心や、雅雅と容容の紅紅への心配など、周囲のキャラクターの心情描写も丁寧に描かれており、物語に深みを与えていました。特に、雅雅が紅紅の異変にいち早く気づき、月初と共に苦情樹(くじょうじゅ)の中心へ駆けつけるシーンは、姉妹の強い絆を感じさせ、感動的でした。
つづく