あらすじ
第五話では、東方月初(とうほうしょげつ)と塗山(とざん)雅雅(とざん やや)が謎の男に遭遇する場面から始まります。塗山(とざん)雅雅(とざん やや)は男と対峙するためその場に残りますが、東方月初(とうほうしょげつ)は塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)を探しに向かいます。苦情樹(くじょうじゅ)の心が闇の力に侵食され、暴走状態に陥っている塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)。東方月初(とうほうしょげつ)は何度も彼女を正気に戻そうと試みます。塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)はこの異変が夢で見た男と関係があるのではないかと疑いますが、決定的な人物ではないと考えています。その後、塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)は東方月初(とうほうしょげつ)の怪我を治療し、彼にある任務を依頼します。
一方、塗山雅雅(とざん やや)は傲来(ごうらい)国三少(さんしょう)との戦いに勝利します。その後、塗山栄栄(とざんすず)(とざんすず)によって、その傲来(ごうらい)国三少(さんしょう)は実は塗山紅紅(とざんこうこう)の客であったことが明かされます。
そんな中、塗山紅紅(とざんこうこう)は夢の中で東方洛(とうほう らく)を見ます。塗山栄栄(とざんすず)(とざんすず)はこれが石姬(せっき)と関係があるのではないかと推測しますが、石姬(せっき)は既に亡くなっており、そのような可能性は低いと考えます。傲来(ごうらい)国三少(さんしょう)は、苦情樹(くじょうじゅ)を救うために東方月初(とうほうしょげつ)の霊血を使うことを塗山紅紅(こうこう)に提案します。
狐族の長老(ちょうろう)は、東方(とうほう)家と狐族の過去の因縁から、東方月初(とうほうしょげつ)を生贄に捧げようとしますが、駆けつけた塗山紅紅(こうこう)によって阻止されます。塗山紅紅(こうこう)は東方月初(しょげつ)を守るため、自らの霊骨を使って苦情樹(くじょうじゅ)の心を作り直すことを決意します。
自分の出自に疑問を抱く東方月初(しょげつ)を、塗山紅紅(こうこう)は禁断の森へと連れて行きます。そこで彼女は人間と妖怪の平和な共存を願う気持ちを東方月初(しょげつ)に伝えます。
塗山紅紅(こうこう)は閉関の準備を始め、塗山雅雅(とざん やや)と塗山栄栄(とざんすず)(とざんすず)に塗山の管理を任せます。最後に、東方月初(しょげつ)は、塗山紅紅(こうこう)が霊骨を取り出すことを知って長老(ちょうろう)が泣いているのを目にします。
ネタバレ
東方月初(とうほうしょげつ)と塗山(とざん)雅雅(とざん やや)は謎の男に遭遇。東方月初(とうほうしょげつ)は金人鳳(きんじんぽう)の手下ではないかと警戒する中、塗山(とざん)雅雅(とざん やや)は自分が男に対応するから塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)の元へ行くよう促す。一方、苦情樹(くじょうじゅ)の心を守った塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)だったが、樹は闇の気に侵食されており、その影響で紅紅(こうこう)は暴走し東方月初(とうほうしょげつ)を攻撃してしまう。東方月初(とうほうしょげつ)は懸命に紅紅(こうこう)を呼び戻し、ついに成功する。紅紅(こうこう)は苦情樹(くじょうじゅ)の異変と自身への影響を月初(しょげつ)に明かし、夢に出てくる男との関係を問われるも否定する。
部屋で考え事をしていた東方月初(とうほうしょげつ)のもとに塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)が薬を持って現れる。紅紅(こうこう)は治療のため月初(しょげつ)に服を脱ぐように言い、月初(しょげつ)は戸惑う。紅紅(こうこう)は月初(しょげつ)に任務を与えた後、塗山(とざん)雅雅(とざん やや)は傲来(ごうらい)国三少(さんしょう)を倒し、売り飛ばそうとするが、三少(さんしょう)は逃げ出し雅雅をからかう。雅雅はその男に興味を持つ。その後、塗山(とざん)容容(とざんすず)が現れ、三少(さんしょう)は紅紅(こうこう)の客だと説明する。
紅紅(こうこう)は再び夢の中で東方洛(とうほう らく)と会い、容容は驚く。この出来事はあまり知られていないからだ。紅紅(こうこう)は、もし金人鳳(きんじんぽう)の黒幕が塗山(とざん)関係者なら石姬(せっき)しかいないと推測するが、既に故人であるため不可能に思える。紅紅(こうこう)は過去を回想し、人間との争いを終わらせ塗山(とざん)を守るため、自ら石姬(せっき)を討ったことを思い出す。紅紅(こうこう)は石姬(せっき)の関与の有無に関わらず、塗山(とざん)を守ると決意する。
傲来(ごうらい)国三少(さんしょう)は黒い霧に驚きを見せる。霊力を吸い取る現象は見たことがないという。紅紅(こうこう)は彼に霊元を集める方法を尋ね、三少(さんしょう)は生島での方法を提案し、苦情樹(くじょうじゅ)の時間が迫っているため東方月初(とうほうしょげつ)を実験台にすることを勧める。
東方月初(とうほうしょげつ)は長老(ちょうろう)を助け、その際に彼の東方(とうほう)家出身が明らかになる。過去の因縁から、長老(ちょうろう)は月初(しょげつ)を気絶させる。容容は苦情樹(くじょうじゅ)を救うため月初(しょげつ)を犠牲にすることを提案する。長老(ちょうろう)と紅紅(こうこう)は月初(しょげつ)を塗山(とざん)に留めた理由を忘れていたが、苦情樹(くじょうじゅ)の危機に際し、長老(ちょうろう)はこの極端な案を出す。しかし、紅紅は最後の手段以外、この方法は取らないと断言する。月初(しょげつ)は既に16年間塗山(とざん)で暮らし、塗山の一員となっていた。長老(ちょうろう)は不憫に思いながらも、塗山と苦情樹(くじょうじゅ)のため、月初(しょげつ)を苦情樹(くじょうじゅ)の下へ連れて行き、儀式を始めようとする。月初(しょげつ)が犠牲になろうとしたその時、紅紅が駆けつけ儀式を阻止し、自ら月初(しょげつ)を治療する。
傲来(ごうらい)国三少(さんしょう)は苦情樹(くじょうじゅ)の樹心を作り直す必要があると言い、紅紅は自身の霊骨を使う決意をする。三少(さんしょう)は止めはしないものの、最後の頼りである情種を守るよう忠告する。三少(さんしょう)は月初(しょげつ)が紅紅にとってどれほど重要なのか問うと、紅紅は月初を犠牲にすることが解決策ではなく、他の方法があるならそちらを選ぶべきだと答える。
東方月初(とうほうしょげつ)は自身の霊血の特殊能力に気づいておらず、長老(ちょうろう)に殺されそうになったことに困惑する。禁林では、二匹の小妖が月初に興味を持つが、月初は彼らを脅して追い払う。月初は塗山の暮らしに慣れ、人間であることを忘れかけており、気持ちが沈む。紅紅は月初を禁林に連れて行き、子供たちに月初を紹介し、彼は誰も傷つけないと伝える。紅紅は人間と妖怪の争いをなくし、共存することを願っている。
紅紅は修行に入るため、雅雅と容容に塗山の管理を任せ、三少(さんしょう)には雅雅の幸せのため霊骨を抜いたことを雅雅に隠すよう頼む。塗山の住人は人間に敵意を抱いており、月初は塗山が本当に人間と妖怪の平和を望んでいるのか疑問を抱き、落ち込む。
傲来(ごうらい)国三少(さんしょう)は偶然塗山雅雅(とざん やや)の絵を見る。絵の中では、三少(さんしょう)は紅紅に次ぐ強者として描かれていた。三少(さんしょう)は自身の正体を明かすが、雅雅は何も知らない。
東方月初(とうほうしょげつ)は酔いつぶれた長老(ちょうろう)を見つけ、仕返しをしようと考える。しかし、長老(ちょうろう)は紅紅が明日、霊骨を抜いて樹心を作り直す儀式を行うため泣き出す。
第5話 感想
第五話は、苦情樹(くじょうじゅ)の危機、紅紅の苦悩、そして月初への複雑な感情が描かれた、非常に重厚なエピソードでした。紅紅は苦情樹(くじょうじゅ)の闇の気に侵されながらも、塗山と月初を守ろうと必死にもがく姿が印象的です。特に、暴走しながらも月初を攻撃してしまうシーンは、彼女の苦しみが痛いほど伝わってきました。月初を呼び戻した後の安堵の表情もまた、彼女の優しさを物語っています。
傲来(ごうらい)国三少の登場は、物語に新たな展開をもたらしました。飄々とした態度の裏に隠された、彼の真の力や目的はまだ謎に包まれていますが、紅紅との関係性や苦情樹(くじょうじゅ)への知識など、今後の鍵を握る存在であることは間違いありません。三少が提案した、月初を実験台にするという残酷な案には、紅紅の葛藤が見て取れます。
長老(ちょうろう)が月初を犠牲にしようとしたシーンは、人間の妖怪に対する根深い憎しみを改めて感じさせ、胸が締め付けられました。紅紅が身を挺して月初を守ったシーンは、二人の絆の深さを改めて認識させられると同時に、紅紅の優しさ、そして人妖の共存を願う強い意誌を感じました。
つづく